異界へGO!!
今日はいい日だ!!! 授業が4時間で終わった!!! 万歳!!!
うわー、テンション高っ!! 授業4時間ってこんなもんだったっけ?
今は高校からの帰り道。いつも8時間ある授業が、先生の会議のおかげで4時間になった。
超ラッキー。先生の会議って、2年に一回しか無いもんな。
家が見えてきた。2階建ての、比較的ポピュラーな一軒家だ。
家だ! 家!! 走って10分、近道3分の我が家だ!!!
「ただいまー」
って、誰もいない・・・・・・。
うわ・・・、テンション下がった。
暴落だあ・・・。
「あー。とりあえず部屋だ。部屋」
言いながら2階に上がった。
ドアを開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
静かに閉めた。草原に固定電話があった。
草原に固定電話。
草原+固定電話
・・・・・・いやいやいやいやいやいやいやいやいや。ありえないだろ、これ。
草原に固定電話ってシチュエーションがそもそもおかしい。絶対に電話線ないだろ。
ん?待てよ・・・・・・。俺の部屋はどこへ行った!! マイルームは!!
駄目だ。落ち着け、俺。ドア開けたら草原って普通にないだろ。
そうか、目の錯覚だったのか。そうでなかったら、誰かがイタズラで部屋の壁紙を草原に変えたんだ。
ああ、よかった。そうだったのか・・・・・・。
ギイッ!!
開けた。部屋に首だけ入れてみた。草原にリアル固定電話が置いてある。
「は・・・ははは」
笑うしかなくなった。
馬鹿みたいにボーっとしていると、後ろから押された。
はあ?・・・・・・って、誰だ!!!
草原にうつ伏せに倒れたまま後ろを向いた。
誰もいなかった。
何も無かった。
え? 何も無い?
ドア!! ドアはどこへ行った!!!
ドアが唯一の家へのアクセスだったのに・・・・・・。
遂にマイホームまで消えたか・・・。
・・・・・・いや、まだあるか。
この固定電話。
家の電話番号をダイヤルしてみる。
10秒程度で誰かがでた。
「もしもし?」
「・・・・・・誰だお前!! そこ、俺の家だろ!!!」