表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

改札のラブレター

改札のラブレター ~SIDE A~

作者: 才谷草太

 君は何であそこに居たんだ?

 あの日、天気が良かったよな。初夏の陽が眩しくて、改札を出て眩しかったのを覚えてる。

 君は長袖の薄黄色のブラウスに、少し太めのベルト、チェックのスカートを履いてたね。

 よく覚えてるんだ。


 君は僕を見て笑った。


 久しぶりの同窓会。お互いに東京から戻ったとは言え、待ち合わせなんかしてなかったのに…改札を出た所で君に会えた。

 僕等はそこから始まったんだ。


 お互いに東京で暮らしているのに、全く会う事無く過ぎて行った時間を取り戻す様に、それからは毎日会ったよな。


 二年が過ぎて、君は僕の部屋に来た。

 それから半年で、随分君の荷物が増えたっけ。そう、僕の荷物より君の荷物が増えた。


 三年目、君の名字が変わった。君の荷物が二人の荷物になった頃だった。一年後には三人の荷物になるって分かって、二人で大喜びしたんだよな。


 それから二十四年。僕の名字を持つ人が減った。

 あの子は今、幸せなのか?

 君は今、幸せか?


 僕は今、幸せなんだろうか…


 あの子は、僕等が子供の頃を過ごした街で暮らしている。

 あの駅の改札は、また新しい家族を作ったんだな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ