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プロローグ

初めてまして、柴木雨月と申します。

受験生なので更新は若干遅めですがかなり自信のあるラブコメなので楽しく呼んでくれたら嬉しいです!!!

「私たち離婚しましょう」

「り、離婚!?」

 2027年12月1日、俺は既婚者からバツイチになった。

「ごめんなさい。私はもうあなたを支えれないわ」

「分かった。今まで迷惑をかけた」

 俺、川崎俊は今年で35歳になった元プロピアニストだ。そしてほんの少し前まで妻だった女は今や世界中を巡っている天才プロピアニストの川崎彩華。


 彩華と娘の美咲が無駄に広い家から出ていった後、俺は1人でヤケ酒をしていた。普段から酒は好きでよく飲む方だったが今日の酒の味は過去一不味かった。

 しかし不思議と飲みやめる気は全く起きなかった。

「俺の人生まだ半分だって言うのにこの様か」

 既にサインを済ませてある離婚届を左でヒラヒラと揺らしながら元妻との結婚生活を思い出す。


 妻との出逢いは中学生の時で、当時俺らは吹奏楽部の仲間だった。そして中学時代の俺は妻が弾いているピアノに一目惚れした。それくらい彼女のピアノの音色は輝いていたし、ピアノを弾く彼女自身も当時やさぐれていた俺には輝いていたのだ。

 しかし一目惚れしたとはいっても当時ドが付くほどの陰キャだった俺は自分からアピールする事などせずその恋心は心の奥底に封印していた。


 高校はそんな妻を追いかける形で地元の超進学校に入学。そこで全国規模のコンクールで銀賞を獲得した。そして大学はまたまた妻を追いかけて東京の音大に進学。そこでとある事故がきっかけとなり妻とかなり話すようになった。

 大学生になったころには当時の友人の助けもあり、見た目は陰キャを脱出していたので自信を持っていた俺はそのままアタックして1年後、妻との交際が始まった。そして大学卒業後に俺たちは結婚した。


 しかしこのタイミングで俺は人生二度目の大事故に見舞われ杖が無いとまともに歩けない体になってしまう。ついでに事故の後遺症で手に痺れが残りプロピアニストを続ける事が困難となってしまった。


 今なら分かるが俺の失敗はここだったのだろう。大学に入って本気で練習したピアノでようやくプロになった矢先に手が使えなくなり、俺は物事全てに対するやる気を失ってしまっていた。それでも妻は必死に俺の事を支えてくれていた。けどその助けをいつの間にか当たり前と思ってしまった俺は次第に妻に対してかつてのような優しい態度を取れなくなってしまった。


「ま、100俺が悪いのにこんなに飲んでるのもどうかと思うけどな」


 今頃元妻は何処にいるのだろうか? 今川先輩の所にでも行ったのかな?

 今川先輩と言うのは俺と元妻の先輩で、恐らく確証はないのだが元妻の元カレだ。

 この年になって結婚相手の元カレとか色々言うのもあれだが、連絡はずっと取り合っていたらしい。


「世界的ピアニスト同士お似合いだな、はは」


 机の上にある缶ビールを一気に飲み干し、もう一本と思って冷蔵庫まで向かったがそこにはもう買いだめしてあったビールは一缶たりとも残っていなかった。

 飲み足りないしコンビニに買いに行くかと思い、俺は杖を突きながらゆっくりと歩いていく。

 流石にかなり酔いが回っていて若干ふらつきながらも俺はコンビニまで歩いていく。そしてコンビニ手前の横断歩道を渡ろうとした時_______、横から猛スピードで俺に迫ってくる車が見えた。

 瞬間、事故前の元気な俺ならまだしも杖が無いと歩けない俺はもう死んだなと悟り、走馬灯が一気に脳内に流れ込んできた。


 最初に映った景色は中学時代の物だった。そこには懐かしい中学の音楽室でピアノを弾いている彩華の姿があった。当時から地元では彼女に今川先輩以外のライバルなど存在せず、ただひたすらにピアノを弾いている彼女は吹奏楽部の中から人気は高く。そのうえ容姿端麗だったので吹奏楽部以外の一般生徒からもかなりモテていたのを記憶している。

 そして俺のそんな彩華の姿に一目惚れしてしまった。


 高校時代、なんとかそこそこの地頭を駆使して地元で一番偏差値の高い高校に入学し、彩華と同じ部活に入るためにまた吹奏楽部に入部した。当時の俺はフルートとピアノの両方をやっていたのだが高校時代は彩華がいるので吹奏楽部で俺がピアノを演奏する事は中学を合わせても一度もなかった。そして彩華もトランペットとヴァイオリン、そしてピアノの三刀流をしていたのを覚えている。結局俺も彩華もピアノの道に進んだのだが、彩華はヴァイオリンもかなり上手だったのでそっちでもプロになる事が出来たのだろうなとか今になって思っている。ちなみに俺のフルートは高校を卒業してからもたまにサポート要員として欠員が出たオケなどに急遽参戦したりしていたので、練習は続けていたし二流プロレベルにはなっていたはずだ。


 そして大学時代の事まで頭の中に浮かび上がってきた時、既に車が目の前に迫って来ていた。やけに長く感じた数秒の間でもどうやら大学時代まで思い出すのは無理だったらしい。

 もしやりなおせるのなら今度は俺が彼女を支えて幸せにしてやりたいな。


 ドン!と言う大きな音を立てて俺は車に跳ね飛ばされた。その日、とある不運な天才ピアニストは命を落とした__________はずだった。

ここまで読んでくれてありがとうございます!!!

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