閑話6 夜LINE⑥【朝陽司・川咲日向】
午後八時にて。
ひなた
『先輩先輩!』
朝陽司
『おお、テンション高いなぁ。どうしたの?』
ひなた
『テンション高いなぁじゃないんですよ! 今日の放課後、玲先輩と顔を合わせまして! 少しお話したんですけど!』
朝陽司
『あーそうなんだ。月ノ瀬さん、だいぶイメチェンしてただろ?』
ひなた
『いやもうアレはズルいです! ズルですよ~!꒰ ᐡ >_< ꒱』
朝陽司
『ズルってなにが?』
ひなた
『似合い過ぎてですよ! あんなんもう超美人じゃないですか! 元々超美人でしたけど!』
朝陽司
『似合ってるなら別にいいんじゃないか? たしかに今の髪型のほうが月ノ瀬さんには似合ってるよな』
ひなた
『む〜!』
朝陽司
『どうしたんだよ』
ひなた
『あーもー司先輩そーゆーところです!』
朝陽司
『……俺、なんで怒られてるの?』
ひなた
『あたしの髪型どう思います!?』
朝陽司
『え、いきなりなんだよ』
ひなた
『いいから答えてください』
朝陽司
『お、おう。もちろん似合ってると思うよ。日向は中学のときから今の髪型だし……』
朝陽司
『日向といったらその髪型だよなってもう染み付いてるなぁ』
ひなた
『!!』
ひなた
『それはつまり! 司先輩の中にあたしが染み付いてるということでよろしいですか!?』
朝陽司
『お前ホントさっきからなに言ってるんだよ』
ひなた
『答えてください』
朝陽司
『えぇ……よく分からないけど……そういうことでいいんじゃないか?』
ひなた
『えへへ、なら許します!』
朝陽司
『ありがとう……?』
ひなた
『実はそれとは別に一つお話がありまして』
朝陽司
『?』
ひなた
『先月先輩と話したご褒美をお願いしたいなって』
朝陽司
『ご褒美?』
朝陽司
『あー……テスト頑張ったらってやつか! いいよ。なにがいい?』
ひなた
『おぉぅあっさり』
朝陽司
『あ、でも金かかるものとか場合によっては無理だぞ?』
ひなた
『いえいえそういうものではなく!』
朝陽司
『そっか。それで?』
ひなた
『買い物に付き合ってほしいなって!』
朝陽司
『買い物?』
ひなた
『はい! 部活で使う道具とかですかねー。中学からそのまま使ってるものも多いので、さすがにそろそろ買い替えたいなって』
朝陽司
『なるほど。それくらいでいいならいつでも付き合うよ』
ひなた
『ほんとですか!』
朝陽司
『うん。で、いつにする?』
ひなた
『じゃー今週の日曜日はどうですか? 学校の都合でちょうど部活が休みになりまして』
朝陽司
『日曜日ね。オッケー。俺は道具とか詳しくないけどいいのか?』
ひなた
『いいんです! 先輩がそこにいてくれたらあたしはもうハッピーなので!』
朝陽司
『そっかそっか。じゃあ日曜日な』
ひなた
『はい! 時間とかはまたあとで送りますね!』
朝陽司
『りょーかい!』
ひなた
『ではでは先輩、おやすみなさいです( ˊ꒳ˋ ) ᐝ』
朝陽司
『おやすみ』
× × ×
日曜日は日向と買い物か。
とはいっても俺は完全に付き添いになっちゃいそうだけど……。
……あ。
昴ならスポーツ関連の道具とかそういうの詳しいんじゃないか?
日向はああ言ってたけど、さすがに少しは理解があるヤツがいたほうがいいだろう。
ちょっと聞いてみるか。
「えっと、昴は……っと」