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閑話22 渚留衣・誕生日LINE①【お勉強組!】

八月三日。零時にて。


晴香

『るいるい! 誕生日おめでとーー!!!!』


なぎ

『ありがとう』


ひなた

『はぇ! るいるい先輩、今日誕生日なんですか!?』


なぎ

『一応ね。……るいるい先輩?』


ひなた

『それはそれは! おめでとうございます!』


なぎ

『ありがとう川咲さん』


青葉

『おい手下共起きろ! るいるい様の誕生日だぞ! 祝え!』


青葉

『いやーもうおめでたい! こんなおめでたい日はないね! うんうん!』


青葉

『……じゃ、俺はこのへんで』


朝陽司

『渚さん、誕生日おめでとう』


朝陽司

『そして昴。お前忘れてたよな、渚さんの誕生日。逃げんなよ?』


青葉

『おま! おいっ!!』


なぎ

『青葉、別に大丈夫』


青葉

『るいるい様……!! なんてお優しい!』


なぎ

『そもそもあんたが他人の誕生日を覚えてるわけないでしょ』


青葉

『うぐぅ!!!!』


朝陽司

『さすがは渚さん。昴への理解度が高い』


なぎ

『朝陽君?』


朝陽司

『なんでもない』


青葉

『あーどうしよう。スマホから言葉のナイフ飛び出してきた。痛いよぉシクシク』


ひなた

『痛いの痛いの飛んでけ~ってしてあげましょうか!』


青葉

『お前じゃなくて志乃ちゃんがいい』


ひなた

『ひどっ!? あ、でもアレですね! そしたら昴先輩が真っ先に飛んでいっちゃいますね!』


青葉

『おうコラ。誰が痛いヤツだって?』


ひなた

『せんぱい♡』


青葉

『あたしか♡』


晴香

『二人とも! 今日はるいるいが主役だから控えて!』


ひなた

『ごめんなさい』


青葉

『すんません』


晴香

『よろしい!』


朝陽司

『蓮見ママ』


月ノ瀬玲

『蓮見ママ』


晴香

『ママじゃないよ!? というか玲ちゃんこっそり紛れないで!?』


月ノ瀬玲

『留衣、今日が誕生日なのね。おめでとう』


なぎ

『あ、うん。ありがとう月ノ瀬さん』


なぎ

『今更こうして祝われるのちょっと恥ずかしい』


青葉

『可愛いねるいるい』


なぎ

『は?』


青葉

『すみませんでした累々様』


朝陽司

『なんか物騒になっちゃってるな』


ひなた

『そういう神様いそうですね』


晴香

『あ、そういえばグループで話しちゃって大丈夫かな。それこそ志乃ちゃんとか起こしちゃうんじゃ……』


朝陽司

『そのあたりは大丈夫だと思うよ』


朝陽志乃

『起きてます!』


月ノ瀬玲

『あら、起きてたのね』


朝陽志乃

『兄さんから、渚先輩の誕生日だ~って聞いて……』


朝陽志乃

『眠くならないように事前に少し寝ておきました!』


青葉

『寝だめってやつ? なにそれ可愛いんですけど』


晴香

『お昼寝してる志乃ちゃんを想像したら和んじゃった』


月ノ瀬玲

『絶対可愛いわね』


なぎ

『かわいい』


ひなた

『可愛いに決まってます』


朝陽司

『可愛いぞ』


朝陽志乃

『に、兄さんが答えるのおかしいよね!? 恥ずかしいからやめて……!』


朝陽志乃

『もう……えっと、渚先輩』


朝陽志乃

『お誕生日おめでとうございます!』


なぎ

『ありがとう志乃さん』


青葉

『暑さに弱いくせに夏生まれとかウケるな』


なぎ

『文句あるの』


青葉

『ないです』


ひなた

『というか先輩も八月生まれなんですね! あたしと一緒です!』


なぎ

『へぇ、そうなんだ。いつなの?』


ひなた

『あたしは二十七日です!』


朝陽司

『そうだったな』


月ノ瀬玲

『月末なのね』


晴香

『覚えた!』


青葉

『ほえー! 初めて知った!』


ひなた

『それはおかしいですよね? 何年の付き合いなんですかあたしたち』


青葉

『つ、付き合いって……! おいっ……!』


青葉

『俺たちの関係はあれほど内緒だって……!』


ひなた

『あっ!!! ご、ごめんなさい先輩……!!』


朝陽志乃

『昴さん』


青葉

『はい』


朝陽志乃

『日向』


ひなた

『はい』


朝陽志乃

『そういう思わせぶりな嘘はやめよう?』


青葉

『マジでごめんでした』


ひなた

『悪ノリしちゃいました』


ひなた

『って昴先輩のせいじゃないですかもー!』


ひなた

『司先輩にまで勘違いされたらどうするんですか!?』


朝陽司

『ん? あぁ……お幸せに!』


ひなた

『(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..』


なぎ

『消えちゃった』


星那

『フフ、キミたちはこんな時間でも騒がしいな』


晴香

『あ、星那先輩。もしかして起こしちゃいました……?』


星那

『いや、問題ないぞ。私は寝なくてもいい体質だからな』


月ノ瀬玲

『え? あぁ、いつもの冗談ですよね』


星那

『いや、これに関しては本当だ』


月ノ瀬玲

『え? 本当なんですか!?』


星那

『もちろん冗談だ』


月ノ瀬玲

『頭痛くなってきたわ……』


青葉

『いつもそうだけど、あんたのは冗談に聞こえねーんだよ』


星那

『それで……留衣の誕生日か。おめでとう』


星那

『この一年がキミにとってよいものになることを願っている』


なぎ

『あ、ありがとうございます』


晴香

『るいるいも十七歳かー』


なぎ

『お先に失礼』


ひなた

『あたしも追い付いてみせますよ!』


青葉

『お前、一年に二回誕生日あんの? 令和が生んだ奇跡の女なの?』


月ノ瀬玲

『昴、留衣、月末に日向……って来て次の誕生日は誰かしら』


朝陽司

『九月生まれっていうと……』


朝陽志乃

『わ、私です!』


朝陽司

『志乃だな』


青葉

『志乃ちゃんに決まってんだろ!?』


ひなた

『は!? なんで志乃の誕生日は覚えててあたしのは覚えてないんですか!』


青葉

『???』


なぎ

『二人して答えるあたりが流石って感じ』


晴香

『お、志乃ちゃん九月なんだね!』


月ノ瀬玲

『へぇ、志乃だったのね』


朝陽司

『じゃあその次は月ノ瀬さんか』


なぎ

『あぁ、十月十日って言ってたよね』


月ノ瀬玲

『晴香と司、先輩の誕生日はいつなの?』


朝陽司

『俺は十一月』


蓮見晴香

『私は一月! 早生まれなんだよね』


星那

『私は十二月だ』


ひなた

『割とみんなバラバラなんですねー!』


青葉

『よし覚えた! 完璧に覚えた』


なぎ

『明日には忘れてるでしょあんた』


青葉

『なんだと!』


星那

『しばらくは私と同い年になるわけだ。タメ口でもいいぞ留衣』


なぎ

『え、むりです』


晴香

『即答』


青葉

『おう星那』


星那

『キミは誰に向かって口を利いている?』


青葉

『あれ???』


月ノ瀬玲

『アンタはダメでしょ』


晴香

『流石にね』


朝陽司

『それはそう』


ひなた

『うんうん』


朝陽志乃

『ですね……』


青葉

『THE・NANDE???』


月ノ瀬玲

『さて、時間も遅いしこのあたりにしておきましょうか』


青葉

『スルー???』


星那

『そうだな』


晴香

『るいるい! また一年よろしくね!』


朝陽司

『よろしく!』


朝陽志乃

『よい誕生日をお過ごしください!』


ひなた

『よろしくです~!』


月ノ瀬玲

『次に会ったら改めてお祝いさせてちょうだい、留衣』


なぎ

『みんな、その』


なぎ

『ありがとう』


青葉

『どういたしまして!』


なぎ

『あんたには言ってない』


 × × ×


「こんなにおめでとうって言ってもらったの……初めてかも」


 いつも通りゲームをしていたら、まさか日付が変わると同時に連絡が来るなんて……。


 晴香は毎年そうだし、わたし自身それで『あ、そういえば今日誕生日じゃん』と思い出している。


 十七歳か……。


 この一年もあっという間だった……気がする。


 晴香と同じ高校に入って、朝陽君とアイツに出会って。


 二年生になったら志乃さんや川咲さん、生徒会長さんとも関わるようになって……。


 それに、転校生の月ノ瀬さんとも……。


 晴香くらいしか話し相手がいなかった以前のわたしが見たら、すごく驚くんだろうな……。

 

 でも……うん。


「悪い気はしない」


 誕生日だからといって、特別ななにかがあるわけではないけど。


 晴香たちのおかげで、気持ちいいスタートを切れたと思う。


 ……約一名はただただ騒いでるだけだったけどね。


 それはいつものことだし気にしても仕方がない。


「さてと、配信に戻ろう」


 パソコンのモニターには、有名プロゲーマーの格ゲー配信動画が映っている。


 わたしの好きな格ゲーで、プロゲーマーの人自体も面白くて上手で……よく動画を見ている。


 ……あ、そういえば。


 格ゲーという単語で一つ思い出した。


 来週くらいに駅前のゲーセンで――


「……ん?」


 机の上に置かれたスマホが振動する。


 同時に、一件のメッセージが画面上に表示された。


 誰だろう。またグループかな?


 そう思い、スマホを手に取ってメッセージの送り主を確認すると――


「……え」


 変な声が出てしまう。


 なぜならば。



青葉

『よっ、るーいるい。まだまだ起きてるっしょ。ちょっと話そうZE☆』





 ………うわ。めんど。

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