新たな力
本日からこの作品を書いていきます
目を開けると、目の前に見たこともない壮大な城が広がっていた。その建物の豪華さと周囲の静けさから、自分が見知らぬ世界にいることを理解した。
「何だ、これは……異世界転生ってやつか?」
ふと思ったその時、金髪碧眼の美しい女性が近づいてきた。彼女は優雅に微笑みながら僕に語りかける。
「ようこそ、あなたの新たな世界へ。私の名前はリリア、ここは私の一族が治める地だわ。」
「リリアさんね……。まさか、これってアニメや漫画でよくある異世界転生の一種なのか?」
その時、突然頭の中で神々しい声が響き渡った。
《ユニークスキル「絶対の破壊」を獲得しました》
驚きで言葉を失う僕を見て、リリアが静かに語り始めた。
「あなたは、この世界で新たな人生を歩むことになるの。そして、そのために必要な力、スキルを得たのよ。」
「この声は……そして、このスキルは……」
「それはあなたが持つ特異な力、"絶対の破壊"。この世界を滅ぼすほどの力を、あなたは持っているの。」
僕は自分の双極性障害が、この世界でどのように作用するのかを深く理解し始めた。そして、この新たな人生で、自分自身を試す決意を固めた。
「分かった。それなら、新たな世界、新たな人生。僕はこの世界で生きていく。」
僕はリリアに向かって微笑んだ。これは、双極性の勇者、ジンの冒険の始まりだった。
「分かった。それなら、新たな世界、新たな人生。僕はこの世界で生きていく。」
リリアは僕の決意を微笑んで受け入れた。そして、僕の学びの始まりとなる特訓が始まった。剣術、魔法、戦術…僕は一日中、リリアに指導され、体も心も疲弊しきっていった。
そんなある日、僕が木の根元に座り込んで休憩していると、突然、頭の中で神々しい声が響いた。
《レベルアップ! あなたのレベルは2になりました》
「あれ、レベルアップしたのか?」
《攻撃力アップ! あなたの攻撃力は10になりました》
「攻撃力も上がったし…」
《魔法力アップ! あなたの魔法力は15になりました》
「魔法力まで…」
その後も神の声は次々と僕の成長を告げていった。そして、一番最後に。
《新スキル「炎の剣」を獲得しました》
「新しいスキルまで…」
リリアが僕の元へと駆け寄ってきた。
「ジン、どうしたの?」
「いや、なんかレベルアップしたっぽいんだ。スキルも増えて、魔法力と攻撃力も上がったみたい。」
リリアは驚きの表情を浮かべると同時に、僕の成長を喜んでくれた。そして、再び特訓が始まった。
これが、僕の新たな人生の始まりだった。
新たなスキル「炎の剣」を手に入れた僕は、リリアの厳しい指導の下で日々訓練に明け暮れた。僕の身体は徐々に硬く、強くなっていった。また、頭の中では神々しい声が次々と成長を告げていた。
《レベルアップ! あなたのレベルは5になりました》
僕のレベルが上がり続けていた。さらに、新たなスキルも次々と獲得していった。
《新スキル「疾風の蹴り」を獲得しました》
《新スキル「大地の盾」を獲得しました》
そして、攻撃力と魔法力もどんどん上がっていった。
《攻撃力アップ! あなたの攻撃力は50になりました》
《魔法力アップ! あなたの魔法力は70になりました》
しかし、僕の力が増す一方で、その強大な力を制御することが難しくなっていた。特に、ユニークスキル「絶対の破壊」は未だに制御できずにいた。
リリアはそんな僕を見て、厳しい表情を浮かべていた。
「ジン、力を得ることは大切だけど、それをどう使うかも同じくらい重要よ。」
「うん、それは分かってる。でも、この「絶対の破壊」、どうすれば制御できるんだ?」
リリアはしばらく黙って考えた後、ゆっくりと口を開いた。
「それはジン自身が見つけるべき答えよ。力は持つ者がどう使うかによって、善にも悪にもなる。」
僕はリリアの言葉を深く心に刻み、再び訓練に取り組んだ。そして、その日々の中で、僕は自分自身と向き合い、自分の力を理解しようと努力した。
これが、僕の新たな人生の挑戦だった。
僕の持つユニークスキル「絶対の破壊」は、あまりにも強大な力であった。それは僕の意志とは無関係に、時として自発的に発動し、周囲の物事を壊してしまう。
訓練の途中で一度、僕が「絶対の破壊」を使ってみようとした時、その結果は壮絶だった。僕の周囲の木々は一瞬で灰になり、地面は深くえぐられ、まるで巨大な隕石が落ちたかのような光景が広がっていた。
それ以来、僕はその力を封じるようにしていた。しかし、それでも時折、感情の揺らぎと共にその力が解放され、僕の制御を超えて爆発してしまう。
ある時は、リリアとの訓練中に怒りが頂点に達した時、その力が暴走し、訓練場を一瞬で荒廃させてしまった。リリアは僕を落ち着かせるために全力を尽くし、僕自身もその力を抑え込むために必死だった。
その力があまりにも強大で、僕の感情と密接に結びついているため、制御することが難しかった。僕の双極性障害は、その力をさらに不安定にしていた。僕が極度に興奮したり、深い落ち込みに陥ったりすると、その力は僕の意志を無視して暴走する。
それが僕の「絶対の破壊」の制御不能の原因だった。その力を制御するためには、僕自身が自分の感情を抑え、自分自身を制御することが必要だった。そして、それができなければ、この新たな世界で僕が生きていくための試練となるだろう。