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シティーガールハンター2  作者: 椎家 友妻
第七話 それからのあれこれ
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1 由奈ちゃんはお怒り

 綾芽と潟奈ちゃんの激闘から一夜明けた今日。

私の親友である舞川由奈ちゃんは猛烈に怒っていた。

私と綾芽が腕や頭に包帯を巻いて学校に現れたのを目の当たりにしたからである。

由奈ちゃんは以前から私や綾芽が危険な仕事に巻き込まれるのではないかとずっと心配してくれていて、

その心配が現実のものとなってしまい、怒りが爆発したのだ。

まあ私は綾芽と潟奈ちゃんに抱きついて転んだ時にちょっとすりむいただけだから、

大した怪我じゃあないんだけど、それを説明しても納得してくれる由奈ちゃんではなかった。

 という訳でその日の昼休み。

いつものように校舎の屋上で一緒にお弁当を食べるために集まった時、

今日も由奈ちゃんのお弁当をいただくためにやって来た園真会長に、

由奈ちゃんはその怒りを思いっきりぶつけた。

 「これはどういう事なんですか会長さん⁉

あれほど危険な仕事はダメって約束したのに、二人ともすっごい大けがしてるじゃないですか!

いくら仕事とはいえ、二人は女の子なんですよ⁉

そんな二人にこんな危ない仕事をさせるなんて考えられません!」

 もの凄い剣幕でまくしたてられ、流石の園真会長もたじろぎながらこう返す。

 「それは、相手が相手だから仕方なかったのよ。

それに二人とも体は丈夫なんだから、この程度の傷、(つば)でもつけていれば治るわよ」

 「何て事言うんですか!二人は物じゃないんですよ⁉

それに私の大切なお友達なんです!二人が危ない目にあうのを、黙って見ていられません!」

 「う、うるさいわねぇ。こっちは給料を払ってるのよ?多少の危険は目をつむって欲しいわ」

 「つむれません!そんな事言うなら私のお弁当はもう会長さんにはあげませんよ!」

 「えぇっ⁉あなた、それはひどいんじゃないの?」

 凄い、園真会長がたじたじになってるよ。

由奈ちゃんは普段はおとなしくてとっても優しい子だけど、一度怒ると手がつけられないからなぁ。

そんな二人のやり取りを見ていると、今日からお弁当仲間になった柊さんが、

声をひそめて私に耳打ちしてきた。

 「舞川さんって、こんなに熱い一面を持っていたのね。ちょっと意外だわ」

 「あはは、とっても優しい分、人が困ったり傷ついたりしたら、黙ってられないんだよ」

 「いい気味です。これで况乃(ましの)さんも、もう少し私やしぃちゃんを大事にしてくれるようになるでしょう」

 そう言って綾芽はいたずらっぽい笑みを浮かべる。

 ふっと空を見上げると、よく晴れた青空を、白い鳥が気持ちよさそうに飛んでいた。

 色々あったけど、これで一件落着・・・・・・したのかしら?

ん?待てよ?

潟奈ちゃんはもうこの仕事から手を引くと言っていたけど、信濃根さんはどうなの?

彼女はまた別の殺し屋に殺しの依頼をしたりするんじゃないの?

私は思わず柊さんの顔を見る。

柊さんはおいしそうに由奈ちゃんの卵焼きを頬張っていて、

もう昨日までの出来事は綺麗さっぱり忘れましたというような顔をしている。

 本当に、これでいいんだろうか?

全て、終わったんだろうか?

 私の胸の中には、再び不安が沸き起こっていた。



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