2 丸山第三ビル
丸山第三ビルは、プラモショップ葺野がある雑居ビル群の中にある、古びた五階建てのビルだった。
表にテナント募集の広告が張り出されてはいるが、今入居している会社とかはないらしく、
完全な空きビル状態。
そのビルの前にたどり着くと、そこに園真会長が待っていた。
「お待たせしました」
私が少し息を切らせながらそう言うと、園真会長は
「ええ」
と頷き、ビルの屋上を見上げてこう言った。
「今、隣のビルの屋上に綾芽を待機させてるんだけど、
今のところ殺し屋と思しき人物は姿を現していないようよ。
もしかしたら待ち合わせの正午ギリギリまで現れないのかもしれないわ」
そう言った園真会長の右腕の腕時計を見ると、針は十一時五十三分を指していた。
「とにかく私、屋上に上がります」
私がそう言ってビルの中に入ろうとすると、園真会長が私の背中に声をかけた。
「詩琴、別に殺し屋をどうこうしようなんて考えなくてもいいわよ。
あなたは自分の命を守る事を最優先に考えなさい」
その言葉に私は振り向いて頷き、ビルのエレベーターに乗り込んだ。
そして屋上へのボタンを押すと、ゆっくりとドアが閉まる。
その瞬間、急激に鼓動が速くなるのがわかった。
掌が一気に汗ばんでいくのも感じる。
エレベーターの中は異様に静かで、それが私の緊張感を一層高めた。
そんな中ボタンの上に表示されている数字が、2から3、4へと変わっていく。
そして5階にきたところでその数字が点滅したかと思うと、そこでエレベーターは停止した。




