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シティーガールハンター2  作者: 椎家 友妻
第一話 新しい生活と狩人の相棒
10/37

10 綾芽の事情

 「はぁ・・・・・・」

 その日の放課後、バス停へ向かう帰り道で、私は深いため息をついた。

昼休みの事があり、由奈ちゃんはすっかり私と綾芽を心配してしまい、

いつもの明るい笑顔を見せてくれなくなってしまったのだ。

自分が危ない仕事にかかわるかもしれないという不安より、由奈ちゃんを心配させてしまう事が(つら)かった。

そんな私の心中を察したのか、綾芽は珍しく真面目な口調で言った。

 「由奈さんも、私たちがこの探偵事務所の仕事で怪我ひとつしない所を見せれば、

きっと安心してくれますよ。

そのためにも、私はしぃちゃんを絶対に守ります。

それとも、やっぱりこんな物騒(ぶっそう)な仕事、かかわりたくないですか?」

 綾芽に対して私は、気の抜けた声でこう返す。

 「そりゃあかかわらなくて済むならそうしたいけど、そうも言ってられないもの。

私は園真会長にお金を返さなくちゃいけないけど、

普通にアルバイトをしてるだけじゃ、とても返せる額じゃないし。

ねぇ、あんたはどうして園真会長の事務所で働いてるの?

あんたも園真会長に多額の借金があるの?」

 私は前から疑問に思っていた事を聞いてみた。

すると綾芽は少し困ったような笑みを浮かべてこう答えた。

 「残念ながら、その質問にはお答えできません。

しぃちゃんに、せっかくできたお友達に、嫌われたくないので」

 「ふうん?」

 私に嫌われるような理由?

それは少し好奇心をそそられる事だけど、多分綾芽は本当に言いたくないと分かったので、

私はそれ以上聞かない事にした。

その代わり、違う質問をぶつけた。

 「じゃあさ、あんたはこの前みたいに悪い奴をやっつける時、いつも素手で戦うの?

園真会長みたいに武器とか使わないの?」

 すると綾芽は一転して目をキランと光らせ、よくぞ聞いてくれましたという笑みを浮かべてこう言った。

 「もちろんありますよ。あの時はたまたま素手で戦っただけです。

ちょっとメンテナンスに出していたんでね。

でも、况乃さんみたいな、法を犯したモデルガンなんかじゃないですよ?

もっとカッコよく敵をやっつける、私の相棒なんですから」

 「へぇ、それってどんな武器?今持ってるの?」

 私がそう言うと、綾芽は右手の人差し指をチッチッチッとやってこう返す。

 「今は持ってませんが、今日メンテナンスが終わるはずなので、今から取りに行きます。

しぃちゃんも来ますか?」

 その申し出を、私が断る理由はなかった。



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