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攻略対象者なのに悪役令嬢を溺愛中  作者: のあ
第一章【学園入園前)】
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プロローグ

俺の名前は山中悟。

都内で中規模の食品商社に勤めている26歳の男性だ。

週休二日制ときいて入社したものの、人手が全く足りておらず、月数回の休みが実情。

そのくせ、経営陣は経営不振を理由に新規雇用を渋っているのが現状だ。

飲食店への販売数はこのコロナ禍で激減したものの、巣篭り需要で、個人向けの宅配サービスが業績を伸ばしており、ここ数か月はほぼ休みがなく、平日も深夜までのサービス残業が続いている。

たまの休みはどこかに出かける元気もなく、ほぼ寝てばかり。


そんな中で、俺は以前からの趣味であるゲームだけはしっかりやっていた。


「光の乙女の楽園」

いわゆる乙女ゲーだ。

主人公のマリアは光の属性の魔法が使える庶民。

光の属性が使える人間が主人公と王族のみ、という異例の才能を持っているため本来は貴族しか入れない学園に入り、攻略対象者である王子や貴族と恋愛を繰り広げる乙女ゲー。

まさにテンプレ。


俺はもともと、RPGが好きなのだが、妹の影響で乙女ゲーに手を出してしまい、どっぷりはまってしまった。

特に光の乙女の楽園は、乙女ゲーでありながら、戦闘要素・育成要素む含まれたRPGゲームとなっており、マリアだけでなく攻略対象者を育ててラスボスであるドラゴンに立ち向かう、というどこを目指しているかわからないようなゲームなのである。


そして、学園の中ではまたテンプレだが王子の婚約者である悪役令嬢がマリアをいじめる。

悪役令嬢の名の通り、きつい性格でマリアを大勢の前で罵ったり、仲間外れにしたりするのだが、マリアと、それを助ける攻略対象者達との仲が更に深まっていくという役どころ。

乙女ゲームに欠かせない役割だ。

属性はこれもまた珍しい闇属性。

他の攻略対象者達の属性は火、水、風、土となっており、基本的に貴族にしか魔法は使えないという扱いになっている。


悪役令嬢の名はベアトリス。本当に性格が悪く、なぜこんなに執拗に嫌味を言ってくるのか、と思うくらい色んなシーンでマリアに嫌味を言ってくる。

「お行儀がなっておりません」「殿下のお傍は私の場所です。」「平民風情が」

ベアトリスがマリアをいじめると、欠かさず誰か攻略対象者が咎めて、引き下がるというのがいつもの流れだ。

ベアトリスは婚約者である第一王子シャルルに惚れていて、嫉妬心のあまりマリアに強くあたるのだろうが逆効果にしかなっていない。

ベアトリスが嫌味を言えば言うほどシャルルはマリアに惹かれていき、ベアトリスは嫌われていく。

そのことに気づかないのだろうか、ベアトリスはますます嫌味を言うようになっていく。

卒業パーティーではお決まりの断罪イベントでベアトリスは糾弾され、第一王子の婚約者からは外されてしまう。かといって、このゲームの悪役令嬢は過激なことをしていないため、死刑や国外追放といった大きな罰は受けないのだが。


このゲームでは卒業イベントで攻略対象者が確定し、そこからはボス戦に向けて主人公マリアと恋人が中心となって他の攻略対象者がパーティーを組み、ドラゴンと戦う、というのが一連の流れだ。

学園編では各ステータスを勉強やイベントで向上させることができるため、恋愛イベントにばかり集中すると卒業後の戦いが辛くなる。

かといって勉強ばかりしていると攻略対象者が落とせず、一人で戦いを挑むという無謀なストーリー分岐も存在する。その場合は主人公がかなり強くなっているものの、協力者がいない状態での戦いとなり、クリア難易度はかなり高くなってしまう。

何度か俺もチャレンジしたが、いまだクリアできていない。

攻略サイトを読むのは負けた気がするため、自分で攻略したいのだがあと一歩というところで倒し切れていないのだ。


今日の休日も、午前中は死んだように眠り、軽く昼食をとった後、もくもくと一人クリアを目指している。

他の攻略者とのエンディングは全て制覇したため、残る一つのエンディングを目指し、マリアの育成に励むのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 1話のタイトルが「エピローグ」になってますが、 始まりは「プロローグ」です。
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