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どうしてヤカラ達はああなのか? 2/4

戻ってきた女魔導士は、少し落ち着いた様子で、グラスを(みが)くマスターにこう話しかける。


「マスター、私……勇者パーティ、クビになっちゃった」

「それは大変ですね……」

「ふふ、理由が酷いの……

この前ダークメイジの魔法で、私が一番多くのダメージを受けたのね。

そうしたら魔導士のくせに一番知力が低いんじゃないか?って思われて。

そうしたら、全滅したパーティの中で私だけ教会で復活してもらえなくて……

そのままこの酒場で棺桶(かんおけ)に入ったまま登録抹消(まっしょう)されて……

司祭さんが、後払いで良いからって復活してくれて……

酷いよね、本当にひどい……」

「そうですね……

勇者様達にして見れば、教会で復活させるよりも、新しいメンバー入れた方が……まぁ経済的なんでしょう」

勇者(アイツ)……顔だけはよかったけど。

鬼だよ、間違いなく……

旅立って始めたばかりでね、王様も珍しく『イベント中だからっ』て、鋼の剣を用意してくれて……

次の瞬間ダークメイジ2匹とスライムとオオガラスとオオオウムの5匹組にエンカウントして。

それで全滅して……次の瞬間私はメンバーから外されてさぁ。

そんなにお金が大事なの?」

「……私もあの人は“無い”と思いますよ」

「…………」

「まだ冒険は続けたいのですか?」

「私……人生変えたい。

転職したい、魔導士向いてないよ」


質問には答えず、思いついたまま喋る女魔導士……

その様子に、まだ酒は抜けて無いと、マスターは思った。


「そうですか……あ、いらっしゃい」


……この時、扉に付けた鈴が鳴り、新しい客がこの酒場に来店した。

客は、たまに見る冒険者商人で、酔いつぶれ気味の女魔導士の様子を見ながら、ニンマリ笑ってカウンターへと近づく。

女魔導士はその様子に気を付ける事無く、マスターとの会話を続ける。


「私、イイダバシに住む創造主から“焼き肉串”とか言う名前を付けられたの。

酷い冒険者ネーム、名前を適当に付けんじゃねぇよ!ばーろー……」


マスターはその様子を見ながら溜息交じりに言う。


「焼き肉串さん、登録を抹消されたのなら職業変えますか?

レベル1からでいいなら、ウチは酒場なので新しく登録も出来ますけど」

「……考えとく」


この様子を少し離れた所に腰を下ろした冒険者商人が、耳をすませて聞いている。

しばらくして商人はマスターにバーボンを頼み、静かに飲み始めた。

この時、女魔導士は接客するマスターにこう話しかける。


「ねぇ、マスター。

男って巨乳が好きなのかな?」

「ど、どうしました?」


いきなりそのような事を言われて、マスターは驚く。

すると女魔導士が手の中で揺れるグラスの中の氷を凝視(ぎょうし)しながら言った。


「戦士も、僧侶も巨乳だったんだよね……」

「そうですか……確かに、まぁ立派でしたね」

「実はここに来る前、スチムパンクの町で、反政府組織ラフボランチで兵士やってたんだけど。

ソコの組織に所属している勇者の彼女って言うのが、タンクトップにホットパンツをはいた、巨乳の女だったんだよね」

「そうなんですか……」


ココで後からやってきた商人が「マスター。ナッツある?」と聞いたので、マスターは皿にナッツを盛りながら、女魔導士の話に耳を傾ける。


「顔だけは“清楚(せいそ)でございます”見たいな顔でさぁ、可愛い顔してんだわ。

だけどなんか発言がイチイチ気に(さわ)んだよね」

「どうぞ、ナッツです……

そうですか、勇者さんもやりますね」

「フン、男はそう見るんだ……

その勇者もさぁ、巨大な剣を背中に見せびらかすように吊ってさぁ。

そして顔がすごく良いのよ、顔も少し暗めでツンツン頭で、マジでホストみたいなの。

で、その彼女をずっと守ります、俺はナイトです!みたいな雰囲気なのよ。

……信じられる?

私の見立(みた)てだと、あの女は相当遊んでるね……間違いない」

「そうなんですか?」

「そうに決まってんじゃん!

ホットパンツにタンクトップ!巨乳‼

絶対自分が可愛いって思わなければ、あんな強気な服装でいられる訳ないでしょ!

馬鹿じゃないの!だから男はダメなんだよ!」

「あ、ああ……」

「私に言わせればアレは、裏町に降り立った“荒鷲(あらわし)”よ!

次々と男と言う名の獲物(えもの)をハンティングしてきた、名うてのハンターよ。

見た目がアレで清楚な顔立ちと、いちいち癇に障る可愛いけど、少し男前な発言でギャップを演出して……絶対名人じゃない!

すぐに男はデレデレし始めるし……

本当の猛禽類(もうきんるい)はああいう女の事を言うのよ!

ああいう女こそ経験豊富なビ〇チなのよ!

……言えば言うほど腹が立ってきた。

男は女を見る目が無いよ、本当に……」


マスターはこの子を早く帰らそうと、この瞬間考えた。

正直もう、この女の話は聞くに堪えない。


……この時だ。

カウンターでこのやり取りを聞いていた商人がマスターに声を掛ける。


「マスター、このお嬢さんに飲み物を差し上げて」


マスターは(おや?)っと思いながら、女魔導士の顔を見る。

すると女魔導士も少し驚いたような、そして少し嬉しそうな顔でこう言った。


「おじさん、(おご)ってくれるの?」

「ひどい女の事を教えてくれません?

どうしたら見分けられるのか知りたいんですよ」

「ふふ、じゃあこっち来なよ、奢ってくれるんでしょ?」

「3杯ぐらいなら良いですよ」

「4杯飲みたい」

「じゃあ、4杯で」

「エヘヘヘ。オジサン優しい……」


マスターは(まだ飲むのか?)と思ったが、何も言わず表情も変えずに、二人が飲みたい酒を用意する。

二人は4杯も飲まず、2杯だけを飲んだ後、そのまま肩を寄せ合ってこの店を出て行った。

マスターは、あの商人は中々手際が良いと感心しながら、閉店時間が来て仕事を終える。

この日はこれで終わりだった。




翌日……


朝一(あさいち)であの商人がボルドーの酒場にやってきた。

彼はマスターに忘れ物が無いかどうかを尋ねた後、急ぎこの町を出なければならないという事でこの店を出て行った。

この時、あの商人が少しまくり上げた(そで)の陰から、腕に犯罪組織のマークが刺青(いれずみ)されているのが見えた。

マスターはそれを(かす)かに見た後、見なかった振りをして、静かに彼を見送る。




それからしばらくして夕方……

あの女魔導士が再びボルドーの酒場に来て、カウンターに座った。

彼女は頭を押さえて(うめ)く。


「ああ。頭が痛い……」


マスターは何も言わず、ぶどうジュースを彼女に出した。

そして昨日の様に、孤独な彼女に話しかけていく。


「昨日はお客さん、相当飲んでましたね」

「うん、あれから記憶がない。

私何か変な事言ってなかった?」

「うん、まぁ……転職を考えてると、言ってましたね」


……猛禽類の話は言えなかった。


「そうなんだ……ここで変なおじさんと出会ったじゃない。

あれからの事、分からなくて……」


マスターは(分かってるでしょ?)と思いながら、黙ってグラスを()き始める。

大人の男と女が肩を寄せ合って酒場を出たのだ、ワンラウンドは戦った筈だった……


「はぁ、最悪よ……」


彼女はマスターの様子から、全てを悟ったようで、薄れゆく記憶から、忘れたい思い出を(よみがえ)らせると、振り払ったように言葉を吐く。


「……ですかね」

「正直に言います、やりました!ハイッ」

「アハハ……

いや、お客さん、言わなくても良いですよ」

「……マスターの方が良かった」

「ああ、まぁ……私は孫もいますから」

「お孫さん居るんだ、でも居そうな感じ」

「まぁ、年並に……ね」

「うん?……ああっ!」


話している最中に急に()頓狂(とんきょう)な声を女魔導士は上げた。

思わずびっくりして手を止めたマスター。

そんなマスターに、女魔導士が言った。


「どうしよう……あの人の財布を持ってきちゃった」


今朝、あの商人が言った“忘れ物”はコレか……とマスターは思った。


「それは大変ですね、あの方はもう町を出ましたよ」

「あの人朝ぐっすり寝ていたから、私そのまま部屋を抜けて来ちゃったんだけど。

……うわ、持つと重い。

中を開けてみる……え。

2万ゴールド以上ある……」

「……どうしますか?」

「……私が後で届け出を出しておくよ。

……マスターそれとは関係ないんだけど。

登録やり直してもいい?」

「登録?転職の事ですね。

ええ、それは良いですけど、次は何をするつもりですか?」

「……盗賊に」


思わずマスターは、女魔導士の手の中に在る、あの商人が忘れて行った財布を見た。


◇◇◇◇


同日、フランフランの町近郊の森の中。


町に程近い森の中に、古代の神殿の廃墟がある。

実はここに現在老ダークメイジと、その一味の拠点があった。

そしてこの日、幾つも並べられたソファーに寝転び、オオオウムと若いダークメイジが物憂げに何度も溜息をついている。


「ふぅ……」

「グギャー……」


この様子を隣で聞いていた老ダークメイジはたまりかねて、若いダークメイジ達に聞いた。


「いったい何事じゃ。

若いモンが昼間っから溜息を吐いては、ゴロゴロと寝ころびおって。

もっとシャキッとせぇ!」

「ああ、爺ちゃん……ちょっと相談していい?」

「なんじゃ?」

「……最近、クワタがムカつく」


口を開くなり、仲間のオオガラスの悪口を言い始める孫の様子に、老ダークメイジは呆れ果て、思わず溜息を吐く。

しかもその隣のソファーで、オオオウムまでもが「俺もですギャー」と呻くようにのたまった。

それを聞いて老ダークメイジが、こめかみを抑えながら彼等を叱り始める。


「まったくヤスイ君もコウスケも何があった!

コウスケはこの前、クワタ君とミト君とで街に行ってきたばかりじゃろ?

ヤスイ君はそもそも彼女が居たから、合コンを断ったじゃないかッ」


老ダークメイジがそう叱りつけた瞬間、孫の若いダークメイジがソファーの上で跳ね起き、そして叫んだ。


「そう、それだよ爺ちゃん!」

「な、なんじゃコウスケ……いきなり大きな声を出しおってからに」

「聞いてよ爺ちゃん、先週俺とクワタ、そしてミトさんと一緒にスチムパンクに合コンに行ったんだよ。

そうしたらそこにサワちゃんって言う、オオスズメの女の子が来て、それでクワタの野郎が恋して。

そんでもって猛烈にアタックし始めたんだ」

「スチムパンクのスズメのサワちゃんか?」

「そう、そうしたら合コンで俺も参加しているのに、皆俺のこと忘れてそのサワちゃんと、クワタの事を盛り上げてるんだ!

ミトなんかに至っては……

『クワタ、サワちゃん可愛いだろ?しかもお金持ちだし、今彼氏いないんだよ!』

とか言い出してさ、他の女も皆『サワ主任、良かったじゃないですかぁ!』とか言ってさ。

つまりあの合コンは、サワって子の為にミトたちが開いた合コンだったんだよ。

つまり俺は当て馬だったんだよ!

ミトの野郎、絶対俺を馬鹿にしてる……」

「うーん……まぁ、そうだのう」


なんと答えたら良いのか皆目見当もつかず、戸惑う老ダークメイジに、今度はオオオウムが言った。


「コウゾウさん、聞いて欲しいギャー。

クワタの野郎、サワちゃんとのツーショット映像を見せながら『お前の彼女より可愛くね?』とか言いやがったぎゃ!」

「ほう、ヤスイ君の彼女にそんな事言ったのかの?」


老ダークメイジは、ヤスイ君の彼女であるオオペリカンの顔を思い浮かべながら(確かにあまり可愛くはないかのぉ……)と思った。

だけどまぁ、口では「それはクワタ君が悪いのぉ」と答える。

オオオウムは我が意を得たりと思い、テンション高めに言った。


「俺の悪口はいいぐわ!

だけどミサホちゃんの悪口は許せないぎゃ!」

「確かに……ヤスイ君の言う通りじゃな。

まぁクワタ君には後で注意する。

しかしまた、クワタ君も逆玉狙いに行くとは凄いのぉ……

まぁサワちゃんは可愛いから気持ちも分からんではないが」


老ダークメイジがそう()らすと、早速若いダークメイジが反応した。


「あれ、爺ちゃんサワちゃん知ってるの?」

勿論(もちろん)じゃよ『ミヤマエサワです♥』のサワちゃんじゃろ?

バルセール配下の有名武将の一人じゃよ」

『…………』


それを聞いて、オオオウムもソファーから体を起こした。


「じいちゃん、サワちゃんって武将なのッ?」

「なんじゃ知らんかったのか?

あの子はオオスズメじゃなくて、エンプレススパロウで、バルセール12神兵の一人じゃよ。

しかもソニックナックルの異名を持つれっきとした武将で、バルセールの側近じゃ。

じゃから浮気したら大変じゃよ……

しかもサワちゃんのお父さんは、ワシの親友のオオトリじゃしの」

「え、オオトリって、魔王様を乗せて魔界を制覇して回ったというあのフェニックスの?」

「おおそうじゃ、フェニックスのオオトリじゃ。

オオトリは怖いからのぉ……クワタ君はこれからが大変じゃて」

「あれ?でもサワちゃんてミヤマエって言う家族名じゃないの?」

「あの子は女好きのオオトリが、可愛いオオスズメのミヤマエって言う愛人に産ませた子じゃ。

奥さんにばれて、あの男も大変な目にあったが、何とか離婚は回避したみたいじゃな」

「うわぁ……」

「オオトリの子は皆男ばかりで、女の子はサワちゃんだけじゃから、それはそれはオオトリに可愛がられてのぉ。

じゃからこれまでもサワちゃんを泣かせた男は、オオトリによって2匹ほど始末されておるのじゃ」

『ッ!』

「サワちゃんはいい子なんじゃが、好きと言われると惚れっぽくてのぉ。

余り男を見る目が無いと言うか、なんと言うか……クワタ君がマトモじゃなかったら、ワシも少し言ってやらねばイカンかのぉ」


祖父のこの話を聞いた若いダークメイジは、オオオウムの肩をバシッと叩くと、老ダークメイジにこう言った。


「じいちゃん、その話……クワタは知らないよね?」

「さぁ、それはサワちゃんが言って無ければ知らんじゃろな」

「だとしたら爺ちゃん、その話黙ってくれない?」

「どうしてじゃ?」

「だって知ったらクワタの奴、サワちゃんにたかるかもしれないじゃん。

本当にクワタがサワちゃんを愛しているかどうか、試してやらないとさ」

「え?」

「だってクワタの思いって、本当かどうかわからないじゃん!

サワちゃんを泣かせるかもしれないしさ、試してみないといけないんじゃない?」

「しかし、それじゃクワタ君が……」

「だってオオトリって、魔王様の元で成り上がった実力者じゃん!」

「いや、ワシだって……」

「だからだよ爺ちゃん!

爺ちゃんの親友の娘をどう思っているのか、全部知ったらクワタの奴絶対、自分の考えを隠しちゃうもん」

「そう言うモンかのぉ?」

「絶対そうだよ!

今日もクワタの奴、早速サワちゃんの所にデートに行ってるもん。

キマイラの翼のレプリカ(エアタクシーと同じ効果)を使ってさ、給料の殆どを交通費に使う勢いだよ」

「ほう、意外とクワタ君は一途じゃな。

キマイラの翼のレプリカは結構高額なアイテムなのに……」

「クワタの思いに水を差しちゃダメだと思うよ、爺ちゃん!

クワタは何も知らないから、サワちゃんの為にお金を惜しみなく使ってるんだ!

知ったらアイツ絶対手を抜くって」

「そう言うモンかの?」

「そう言うもんです……

なっ、ヤスイ?」

「そうですぎゃぁー」


オオオウムと、若いダークメイジは共に悪い笑みを浮かべて、老ダークメイジの目を見る。

老ダークメイジも(こいつら何か企んどるな……)とは感づいたが、確かに彼等の言う事にも一理あると感じ、降参した様に溜息を吐きながら言った。


「コウスケ……お前が何を企んどるかは知らんが。

サワちゃんを泣かせる様な事だけは許さんぞ?」

「泣かせないよ、任せて爺ちゃん」

「ふぅ……

その顔に何回騙された事やら……」

「ありがとう爺ちゃん、俺……いい仕事するからね!」


それを聞いて老ダークメイジは(不安しかないわい)と思い、天井を見上げる。

祖父のこの様子に、若いダークメイジはテンションを上げてオオオウムに言った。


「おい、ヤスイ分かってんな?」

「勿論だよコウスケ君」

「マツダ<スライム>にも言うなよ!

俺達は恋のキューピッドになる」

「え?」

「ただしお俺達なりのキューピッドだ!」

「あ、ああ……それは素敵な話だぎゃぁ」

『ふ、ふふふ、ぐふフフフ』


この様子を見ながら祖父は(あの真面目だったコウタから、どうしてこんな子が生まれたのか?)と考えた。

そして考えれば考えるほど、悪ガキだった自分の昔に似ていると思うのである。


◇◇◇◇


……同じ時刻、別の場所では大変な事が起きていた。


「開けろ、開けろぉっ!」


2匹のビッグデーモンの腕で運ばれる、宝箱の中で、誰かが恐怖に駆られた悲鳴を上げる。

ビッグデーモン達はそれには何も答えず、一つの立派な屋敷の中にこの宝箱を運び入れ、そしてとある男の前でその宝箱を下した。

その男は……「開けろっ!俺を誰だと思ってる」と叫び続ける存在を詰め込んだ、この宝箱を凝視する。


『……フン』


彼は鼻でこの宝箱の様子をせせら笑うと、これを持ってきたビッグデーモンにこう言った。


「おい、結界を張った上で、この箱を開けろ」


男は紫色の皮膚をした、恐ろし気な風貌をしており、異様な迫力を周囲に漂わせる。

宝箱を運び入れたビッグデーモン達も、その様子を恐れたかのように、引きつった声で急ぎ返事をした。


『はい』


ビッグデーモンは、言われた通り結界の上で宝箱を開ける。


ヒュ……バッチーン!


宝箱が開かれた瞬間、(はがね)の色をした触手(しょくしゅ)が伸び、結界を激しく叩く!

結界はびくともせず、その一撃を容易く弾き返した。

紫の男はそんな宝箱の中の触手の様子を(はす)に構えた笑みを浮かべながら見つめる。


「な、なんだ?結界……」


宝箱の中にはエンペラスライムが入っていた。

そしてスライムは結界の存在に驚くと同時に、結界の外に立つ、紫色の男に目を向け始める。


主人公は老人、敵は人間、ヒロインはスズメ。

そんな作品を見るのはあなただけ?


見てくれてありがとう、そんなあなたが大好きです。

それではまた明日!

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