隣の無敵さん
僕んちの隣には、無敵さんが住んでいる。
うん、今日も虹色に輝いていてとても綺麗だ。
「待っててね、水やり終わったらすぐ行くから」
僕らは同じ高校に通っていた。
「これで高校も終わりだね」
「なんだか実感湧かないね」
彼女の夢はお花屋さんだ。
けれども彼女は都へ赴く。
兵隊さんに連れられて。
僕は花屋を開いて待つから。
帰ってきたら一緒にやろう。
彼女と結んだ、指切りげんまん。
お母さんから知らせが届く。
彼女は崖から落ちて死んだらしい。
お墓は虹色には光っていなかった。
僕はネリネの花を供えて帰る。
その花言葉は「また会う日まで」