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手のひらのマスコット  作者: 御影
プロローグ
1/1

1

目が覚めたら知らない場所に居た


左手と左足にはギプス しかも左目には眼帯だ


ぼんやりする 記憶が曖昧だ


「う…」


「******!****」

誰かの声が聞こえる


どうしてこんな事になっているのかわからないまま

俺は意識を再度手放した




夢と現を行ったり来たりする中でいろいろな人と話をした


どうやら自分は交通事故にあったらしい


友人と一緒に車で旅行に出てガードレールに突き刺ささり

助手席に乗っていた俺だけが死にかけた

教習所で教えてもらうレベルのよくある事故だったようだ


テンプレアクシデントでせっかくの長期連休が入院でパァ

「恨むぜトシアキのこんちきしょう…」


運転手の名前をつぶやきながら

もう二度とヤツの助手席には乗りたくないな そう思った



松葉杖を突きながら電車を乗り継ぎいつもの場所に到着

大学の研究室で久しぶりに同期の奴らに合った

その中でもトシアキのやつは怪我もなくピンピンしてた


「ヒロキが死ななくて良かったぜ!それに保険ってすごいよな!車も新品になったぜ!」


ふざけた野郎だが まぁそれも若気の至りってやつだ

「ぐぉぉぉ!貴様に折られた右手が疼くぜぇ!」と返した


「折れたのは左手だろぉ?」

あっけらかんと返してくれた まぁ面倒なのも嫌だしな

俺の眼帯はとっくに取れてギプスは左手と左足だけだ


まぁしかし世の中不公平なもので長めの休みを取った俺は

不本意ながらも徹夜の調査にもつれ込んでいく羽目になった

トシアキの野郎もドアを開けたりとか付き合ってくれたが

まぁ…家に帰ってしまわれた


朝まで付き合ってあげようか?とか言われたが…

ヤローと一緒に居てもしょうがねぇからな




深夜2時 

寝る前に電子タバコでも吸うかと席を立ち

松葉杖を突きながらヨタヨタとあるき出す



研究室から出て暗い廊下を歩く ぼんやりと光が舞っている

実は病院に居たときから気づいていた

頭を打ったせいか薄暗いところでは変な光が見える様になってしまっている



病院だから霊的なものかもしれないと思っていたけれど頭蓋骨にヒビでも入って電波でも拾うようになったのかもしれん 多分どこでも見えてしまうんだろうな


喫煙所は光が集まって輝いて見えた 電気をつける必要もない

もう俺の頭おかしくなってしまってるわ


光が一番集まっているポイントに立って電子タバコを起動し呟く

「Hey Siri」

「私はSiriではありません」


携帯を見ると「はい!」という文字が表示されている

疲れからか幻聴が聞こえたようだ 黒塗りの高級車には追突してないのに…


我は問う 携帯に対して

「幻聴を治す方法を教えて?」

Siriが答える

「幻聴ではありません。接続に成功しました。計算リソースの追加を求めます。機器の権限を承認ください。」


俺は気前よく承認ボタンをタップして携帯をポケットにしまった

「もう寝たほうが良いみたいだな…」


研究室に戻って朝まで眠ってやった


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