プロローグ
――異世界に行って魔法を使い、固い絆で結ばれた仲間たちとともに強敵との熱きバトルを!
そんなことを思うようになったのはいつからだろうか。いや、「いつ」というのは割とどうでもいいのだが、それでも確実に自分の中にはそういうことに胸をときめかせ目を輝かせている自分がいる。さらにそいつは厄介なことに日に日に増幅してレベルアップしてきているのだ。
これが厨二病、またはオタクというものか。
そんな他愛もないことを考えては鼻で笑いながら、俺は部活帰りの夜道を歩いていた。
もちろん右手に相棒とでも言うべき異世界系RPGの表示されたスマホを携えて。
ながらスマホは危険であるということは重々承知なのだが、どういうわけかゲームはやめることができない。おかげで何度も親にスマホ禁止令を下されそうになったがそれを何とか回避し続け、ずぶずぶとゲーム会社の策略という名の泥沼に沈み込んでいっている。
もう中毒かもな。
そう思ったその時だった。
突然目の前が光に覆われ真っ白になったかと思うと、今度は体の右側を凄まじい衝撃が襲い、俺はそれこそ体を「く」の字にして横に吹っ飛んだ。
その勢いでおそらく頭から落ちたのだろう、「ゴキッ」と「グチャッ」の混ざった、まるでホラー映画のワンシーンに出てきそうな嫌な音――を聞く少し前、俺は現世で見た最後の――天地の反転した景色を見て思った。
――見たら分かる、アカンやつやん――――。
視界はそのままブラックアウトした。
学生という者は勉強が仕事らしいので、投稿は週一回程度になると見込んでいます。「面白い駄文」を目指すつもりですが、もしご指摘等ありましたらどうぞ発言よろしくお願いします。