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後編 その12 秘密!

お読みいただきありがとうございます。

お気に入り頂ければ、ブクマや評価をいただければ嬉しいです。

「あ! なるほど! この部屋が、4階組の秘密なんですね!」


 モエミが我が意を得たりと主張する。

 即座にフェニックスが突っ込む。


「違うし」

「へ?!」


 この時のモエミの変顔は、ハルキをしばらくの間、思い出し笑いのネタに困らなくさせるのであった。


「・・・さらに下にいくわよ・・・」

「え・・・、下ですか?」


 ホークが、部屋の隅っこに置いてあった板を持ち上げる。

 どうやら置いていたわけではないらしい。

 板の下にぽっかりとした空洞が現れる。

 下への階段への入口だった。

 思わずハルキを見ると、ハルキはなぜか楽しそうだった。


「すげぇ、洞窟探検みたいっすね」

「そうか、ちょっと、深いぞ、気を付けろ」


 今度ははホークがハルキと先に下っていくのか。

 夜の地底探検は続く。

 

「まって、念のため」


 フェニックスが、ホークに声をかける。


「そうだな、ちょっと、みんな静かに」


 地下ということもあるだろう。

 先ほどまでの生活音が全くしない。

 静謐が空間を支配する。

 フェニックスとホークは、おそらくは音がしないことを確認すると、昇り階段付近を見つめる。


「大丈夫ね」

「大丈夫だろう」


 ホークは、ハルキとモエミにもランタンモードになる懐中電灯を渡すと、階段を下り始める。

 今度はハルキが続く。

 フェニックスは、しばしの間、昇り階段を観察すると、ホークについて行く。

 慌ててモエミは再度、フェニックスの手を握る。


「うふふ」


 フェニックスはちょっと嬉しそうに、微笑むと、階段に足を延ばした。


「モエミちゃん、蓋は閉めてね」

「あ、はい」


 木の蓋を占めるのは怖いのだけれども、仕方がない。

 とてもとてもイヤだけれども、一度、フェニックスの手を離し、ランタンを持ち替えると、蓋を閉めながら、最後尾を降りていく。

 もちろんだが、蓋を閉め終わると、即座にフェニックスに追いつき、手を繋ぐ。


「あ、と、危ないよ、モエミちゃん」

「ご、ごめんなさい」


 さっきの階段は、半分くらいは木製だったが、今度の階段は最初から土を固めたような感じだ。

 周囲の壁も土。

 階段は、かなり急。

 らせん状になっており、転んでもひっかかるような気がするので、大丈夫だろうが、十分に怖い。

 4人ともランタンモードで懐中電灯をともしているせいか、圧迫感をそんなに感じないが、広くもない空間をどんどん下っていく。

 無言。

 そんなに時間が経過してはいはずが、なぜか永劫の時間、階段を下っている気分になる。

 4つのランタンの光で、複雑に絡み合う、濃さの違う影のみが、空間を踊っている。

 しかし、終末はあっけなく訪れた。

 到着したのは、真っ白い床の小部屋。

 壁と天井は土。

 4畳半くらいの空間が広がっている。

 何もない部屋。

 土の壁と白い床だけの部屋。


「大丈夫?」


 少し、息を切らしたフェニックスが、モエミを気遣う。


「はい」


 フェニックス以外は、息を切らしていない。


 床が白いせいか、圧迫感はあまりない。

 真っ白い陶器のような床。

 見たことのある光沢。

 思わず、床に手をあてるモエミ。


「壁?」


 二パッと笑うフェニックス。

 心なしか、いつもの勢いがない。


「さすがね、モエミちゃん。えっと・・・」


 言葉を続けようとするが、その前に、ホークを見る。


「大丈夫だ。蜂も木の根もない」


 ホークが意味不明なことを答えるが、それがフェニックスが求めていた回答の様だ。


「ここが、この世界の底。つまり、この世界の底もあの壁と同じ素材」


 ぴょんとフェニックスがその場で飛び上がる。


「えい!」


 飛び上がった両足で、再度両足で床にドスンと着地すると、赤い幾何学模様が、両足を中心に数十センチほど床に広がる。


「ATフィールド」


 モエミが呟く。


「オウルちゃんのつけた呼び名ね。元ネタのアニメは見てないけど・・・壁と同じ魔法がかかってる。絶対に破壊できない魔法。・・・つまり」


 フェニックスが静かに続ける。


「この世界の出入口は上だけってこと」


 今日、何度目かの静寂の独り勝ち。


「つまり、自力では帰れないってこと、これが」


 そういうと、先ほどのモエミと同じポーズをとる。


「これが、4階組の秘密なんです!」

「・・・フェニさん、嫌い」

「ご、ごめんよ、モエミちゃん! わ、悪かったわ、ちょっと、ふざけすぎたかな?」

「ぷい」

「モ、モエミちゃん!」


 場違いな会話が繰り広げられた。


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