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モエミ、参加する

なんとなく本当にサイコロを振ってみました

 朝食後、モエミは中級者組みと着ぐるみに着替えて外に出ようとすると、壇上からまったがかかる。


「はーい、みなさん、そ・れ・で・わ、発表しまーす。姫、お願いしまーす」

「ちょ、ちょっと待って、これって難しいのよ……」


 姫がロビーに生えている大きな木の下でなにやらやっている。

 おそらく魔法だろう。

 超絶美人か眉間に皺を寄せてがんばっている。

 とてもかわいい。

 ちなみに今日は、胸元や肩が出ているドレスを着ている。

 ちょっと大胆な衣装だ。

 糸車のつむで眠ってしまいそうなくらい美しい。

 だんだんと子供たちが集まってくる。

 じわっと巨木の表面が変化する。


「あ、トーナメント表?」


 ザワザワし始める。

 同じトーナメント表が2つ。


          ┌──┴──┐

      ┌───┴──┐  │

   ┌──┴──┐   │  │

 ┌─┴┐  ┌─┴┐  │  │

┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐

│1││2││3││4││5││6│

└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘


「男子も女子も6人なんだ」

「偏ってない?」

「変なトーナメント表」


 コメントが飛び交う。


(嫌な予感しかしない。どこかのハンターの試験でもないのに……)


「さっそく、午後から予選を開始します。今日は、男女とも1回戦の2試合づつ。明日からは1試合づつになります」


(まぁ、6分の1でいきなり決勝、6分の1で準決勝から。3分の2の確率で3戦か。確率からすると、3分の2に入ることが前提だったとしても、まぁ許せるか)


「さて、それでは恒例のサイコロ振りをします」


 言い終わらないうちに、ルナとヒナが壇上に上がる。


「うふふ、モエミ、いくよ」


 ハルナに促されて、壇上に上がるモエミ。

 モエミが壇上に上がる前に、ルナとヒナはいつもの巨大なサイコロを振っていた。

 同じ目が出たら振りなおす簡単なルールだ。

 サイコロの出目は振った順に、

 ルナ……1

 ヒナ……6

 エリカ……2

 ハルナ……3

 ミコト……5

 となり、振っていないモエミは4。

 男子は、

 ユウ……2

 ハルキ……3

 ジョー……4

 マナト……6

 ユーシ……5

 となり、振っていないカズは自動的に1となる。


「えっと、トーナメント表は……」


 姫を見るフェニックス。

 姫はにっこりほほ笑んで。


「あ・と・で」


 と返す。


 小声でフェニックスが二言三言確認すると、


「お昼休みには、きちんと表になるそうです。それでは、今日の試合の人は準備をしてください。初心者クラスはいつもどおり授業です。それでは解散!」


(さて、一試合目はハルナか)


 同じことを考えていたのか、ハルナがこちらを向く。


「うふふ、モエミちゃん、よろしくねぇ」

「ええ、こちらこそ」

「それより、エリカのヒナ対策よ、モエミ手伝って!」


 ミコトがモエミの手を取る。


「お願い、勝たせてあげたいの!」

「ええ、わかったわ」


 モエミは即答しながら、エリカを見ると、エリカはあやふやな笑みを浮かべていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「みんな昼ご飯はしっかり食べたかい?」

「「「おぉぉぉぉぉぉ」」」

「では、今日の試合ステージを決定します。えっと、誰にしようかな、スパローさんお願い!」

「え? あたし? あたし?」


 スパローがサイコロを振る。

 数字は6。


「場所は森林ステージです。みんな森林に移動よ! 姫、掲示板をお願いします」

「えぇ……、わかったわよ」


■昼休みの木の掲示板■


だんし       ┌──┴──┐

      ┌───┴──┐  │

   ┌──┴──┐   │  │

 ┌─┴┐  ┌─┴┐  │  │

┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐

│カ││ユ││ハ││ジ││ユ││マ│

│ ││ ││ル││ョ││|││ナ│

│ズ││ウ││キ││|││シ││ト│

└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘



じょし       ┌──┴──┐

      ┌───┴──┐  │

   ┌──┴──┐   │  │

 ┌─┴┐  ┌─┴┐  │  │

┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐┌┴┐

│ル││エ││ハ││モ││ミ││ヒ│

│ ││リ││ル││エ││コ││ │

│ナ││カ││ナ││ミ││ト││ナ│

└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘


<しあいかいじょう>

 みず  ぬま  くさ 

 すな  いわ ○もり


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「それでは、第1回戦をハジメマス。本日は、私、フェニックスがお届けします。今日はゲストにホークさんをお呼びしております。ホークさんよろしく願いします」

「よ、よろしくお願いする」


 わざわざ魔法具を持ち出したのか放送調で始まる。

 ギャラリーはいつものことなのだろうか、当たり前に受け入れている。


(うぁ、フェニックスさん、のりのり)


 審判はオウルとタイガーがやるようだ。

 体格のよいタイガーと、小さいオウル。

 モエミは何となく笑えた。


「さぁ、1試合目はカズ選手とユウ選手の対戦です。ホークさん、どう見ます?」

「うむ、因縁の対決であるが、過去はいずれもユウの勝利で終わっている。カズが何も工夫していなければ、ユウの勝利だろう」

「まもなく試合が開始されます」


 いつのまにか机の上にゴングが置かれている。

 カズはチーターの着ぐるみ、ユウは侍の鎧を模した着ぐるみ。

 チーターと侍が距離を開けて対峙している。

 本人たちの眼差しは真剣。

 でも、かわいいチーターとデフォルメされた侍の着ぐるみの対峙


(チーター対侍……ゆるキャラバトル?)


 タイガーが手を上げる。


「それでは試合開始です」


 カーン。


「両者ともさっそく何かの呪文を詠唱しています。ホークさん」

「過去の例ですと、カズは氷系射出魔法、ユウは高速移動魔法でしょう」

「なるほど」


 ユウが先に魔法の準備が終わったのか飛び出す。

 右・左と足を踏み出すごとに加速していく。

かなりのスピードでカズに迫る。


(ちょっとかっこいいわ! 加速装置みたい!)


 カズが氷を射出して迎撃する。

 氷は当たらないが、牽制にはなるようで近寄れない。


「氷の魔法はあたりませんが、近寄れません!」

「ここまではいつもの展開ですな」


 ユウの何回目かのアタックに対して、ユウが動きを見せる。


「おぉっと、氷の礫だ!」


 氷の塊の射出ではなく、氷の礫。

 慌てたユウが、足を地面につけるタイミングと、魔法発動のタイミングを間違えて、森に突っ込む。


 ガサガサガサッ、バキバキバキッ


「カズ選手、新技! さぁ、ユウ選手は試合に復帰できるでしょうか?」

「カズは調子がいいのかな? 氷魔法の発現が早い。しかし今のはあたってなかろう。あれでは程度でダメージが……」


 ユウが森から出てくる。

 明らかにダメージある。


「うむ、鍛え方が足りん」


(解説も本人達も真面目だけど、氷の魔法を放つチーターと高速移動の侍。ファンタジー的には逆じゃない?)


 タイガーが続行可能か確認する。

 遠目でも、ユウがいけますと訴えかけているのがわかる。


「ファイッ!」


 試合再開。

 ユウが突っ込む。

 カズが迎撃する。

 カズの迎撃には礫も含まれるが、ことごとく避けられる。

 数度の交差ののち、ラリアットにより鎮められるカズ。


「勝者、ユウ選手です。さて、ホークさん、今の試合いかがです?」

「うむ。氷の礫により、最初に仕留められなかったのが痛いな。しかしながら、ユウも撃たれ弱すぎだ。両者とも更なる精進を求めたい」

「ありがとうございました。それでは次の試合の準備に入ってください。次の試合はハルキ選手とジョー選手です」


(しかたがない。応援してやろう)


 ユウとカズと入れ替わりに、怪獣の着ぐるみを着たハルキとゴリラの着ぐるみを着たジョーが出ていく。


(あはは、まるでゴジラ対キングコングね!)


 モエミの心の声に「なぜ、知っている」と突っ込める者はいない。

 ハルキのトーナメント初戦開始のゴングが鳴る。


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