後日談
ギリアとアリアの壮大なる親子喧嘩はアリアの勝ちで幕を下ろした。
ギリア腹の傷を光魔法使いに治療され、またアリアも治療される。
すぐにアリアが気絶し、二人ともが屋敷のベッドで寝かされた。
そして一か月の時が過ぎた。
結果としては、アリアの勝利で終わり、ギリアは貴族のメンツが立たんと次期当主であるグリアに当主の座を譲った。
母親とアリアは政治に利用されないことをグリアとの約束で取り付け、晴れて母親とアリアは自由の身となった。
といっても母親は相変わらず離れの屋敷に住んでいるし、アリアは迷宮都市ザビエンスの家にいる。
何事もなかったかのように、一か月は過ぎさ……ってはくれなかった。
他の貴族がお抱えにしようとアリアに駆け寄ったからである。
三万対一の決闘に勝ったアリアはSランクを二人も倒している。
Sランク越えは確実な訳だ。
そんなアリアはお抱えに出来れば、まず他の貴族より武力で優位に立てる。
何せ一人で三万人の価値があるのだ。
貴族が言い寄ったが、アリアはこれをすべて拒否。
僕は気軽な冒険者家業がいいんですと断った。
ただ冒険者家業もSランクを二人倒したことにより、Sランクになってしまったため気軽とは呼べなくなったかもしれない。
そんなアリアはアッシュと冒険者ギルド西支部で一緒に昼ご飯を食べていた。
決闘の後、アリアとアッシュの仲は深まった。
親友と呼べるほどに仲良くなったのである。
今日は二人とも冒険者家業が休みという事で、一緒に食事をしていたのだ。
「しかし、あれだな。今でも信じられないぜ。アリアが三万人の兵を倒して決闘に勝っちまうなんてよ」
「賭けがあれば大儲け出来たんですがね。勿体ない」
「そんなことしたら、賭け元が大借金だな」
「そうですね。あっ、そう言えばアッシュに言いたいことがあるんでした」
「何だ?」
「この指名依頼アッシュが僕に依頼した奴ですよね」
そこには性別を変えるエルフの秘薬を手に入れろ! みたいなことが書かれている依頼書があった。
「え、えー俺は知らないな」
「依頼者、シュッアって分かりやす過ぎですよ。しかも効果を試すためにその場で飲めって書いてあるし」
「まぁ、いいだろ性別代わるくらい。アリアはそのままでも女の子っぽいんだからさ」
「良くないですよ! 僕は男のままでいいんですよー」
「ほんとか? ちょっと飲んでみたいとか思ってない?」
からかうようにアッシュが言う。
「べ、別にそんなことは思っていませんよ」
ふゅーふゅー、と下手くそな口笛で誤魔化そうとするアリア。
アリア自身、性別が変わるなら飲んでみたいと思ったことがある。
そうすれば見た目で悩むことはなくなるだろうから。
「もし秘薬を飲めたら、俺と夜を共にしてくれよなアリア」
「もし本当に秘薬を飲めたらですけどね」
「否定はしないんだ」
「え!? まぁ、そんなもの存在しないだろうし例え話ですよ」
その後、実際に性別を変えるエルフの薬を見つけたりするのだが、それはまた別のお話し。
アリア「これにて完結です!」




