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幼馴染み
莉菜side
はー、昨日はあの松下先輩にお茶かけたりしちゃった……
ていうか……ほんとかっこいいな、松下先輩……
一瞬だけ手が触れた。
その手で、抱きしめて貰いたい……
……って!なに考えてるの私!
もうっ……!
「……な、りな、莉菜!」
「ひゃあっ⁉」
幼馴染みの追川拓が私の肩をがっしり掴んでいた。
「……ったく、ぼーっとしてんなよ」
「ごめんごめん……」
拓は、学年1のイケメン。
いろんな人に告白されてるけど、別に好きな人がいるんだって。
誰なんだろう。
「……っとに、ぼーっとして。何、好きなやつでも出来たのかよ?」
「あ……っと……っうん」
「はぁ⁉」
すごくびっくりした顔で覗きこむ拓。
そんな驚くことかなぁ。
「だ、誰だよ⁉俺か?」
拓はもう無理だなぁ。幼馴染みとしか見れない。
「3年生だよ!」
と答え、今日は午前中だけだったから、その時だけの授業を受けた。