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84. 初めての異世界自炊

 ぬおーっ、てっぺんまで登り切った。

 今日は、いったい何回メイリンの坂を往復したのだろうか。

 足が、足が痛いっ、太ももがパンパンに、はっている。

 とりあえず、フロントに、馬車置き場でキャンピング馬車の実験をしますと伝えて、オッドちゃんにキャンピング馬車を出してもらう。

 うーむ。

 こうして見ると結構大きいな。

 小型トラックぐらいはある。

 ダンジョンで展開できるのだろうか。


 真ん中のドアを開けると、応接スペースに入れる、魔導灯もくし、ソファーでくつろぐと、なかなか居心地が良い。

 奥のベットスペースは、上と下へ階段でアクセスするっぽい。

 女子に奥を使ってもらって、僕はソファーで寝るかな。

 ソファーの座面を持ち上げると、そこは魔導冷蔵庫になっていた。

 買って来たチーズとか牛乳とか、僕の魔法袋に入っていたもので、冷やす物を入れて行く。魔導冷蔵庫はほとんど音がしない、すごいね。

 あと、天井には魔導エアコンが。

 もう、なんか、もう、異世界感が無いね。


「服をかけるところは、あ、ここね、小さいタンスがあるわ」


 オッドちゃんがソファーの向こうにある作り付けの小さなタンスを開けた。というかあなたの荷物は謎空間に入れておきなさい。

 体重の軽いオッドちゃんと、あやめちゃんが上のベットを使い、下のベットをパットが使う事となったようだ。

 毛布も付いてるし、空調もあるので、快適そうだ。


 さて、問題は晩ご飯の献立こんだてだ。

 聖堂都市で日本的食材をたくさん買い込んだので、ご飯をいて、お味噌汁も作れる。

 が、今日買って来た食材だと、ハムとソーセージを焼いて、サラダを作って、パンにチーズを乗せて焼けば、手早い。

 魔導コンロで、鉄板でハム、ソーセージ、菜っ葉焼きという手もあるな。

 うむむ、肉屋さんでカットしたお肉を買ってくれば焼き肉が出来たのに。

 しまった。


「あやめちゃんどうしよう」

「そうだね、パン屋さんで、焼きたてパリムを買ったから、それは食べなくちゃ、だから、ハムとソーセージが良いと思う、スープの素を買うのを忘れたから、どうしようかな?」

「お味噌汁なら出来るけど、あ、お茶もないね」

「実際に何か作るとなると、色々買い忘れがでるね」

「お茶なら、あるわよ、どこかの王族ご用達のやつ」


 オッドちゃんが謎空間に手を突っ込んでお茶の缶を出してきた。

 お茶はオッケーだね。

 お茶ポットはシンクの下にあった。


 キッチンが狭くて、一人ぐらいしか作業が出来ないなあ。

 といっても、駄目女子二人は、早くもテーブルを設置せっちして、チーズを食べながら酒を飲んでいやがるので、僕か、あやめちゃんがやるしか無いのだが。


「今日はわたしが用意するよ。明日の朝はげんきくん、お昼はわたし、夜はげんきくんで行きましょうか」

「そうだね、オッドちゃんもパットも料理をさせると怖そうだし」

「二人にはお世話になってるし、こんな事ぐらいはしましょう」

「賛成だねっ」


 オッドちゃんに、謎空間から、今日買った食材を出して貰う。

 結構な量になるね。

 調味料とかは、たなにしまって、落とし紙とか、歯ブラシ枝とかはトイレ方面に収納する。

 

 あやめちゃんは食材を前にして、考え込んでいる。

 調味料を展開する場所が無いなあ、どっかに引き出し……。

 コンロの下にあった。

 引き出しに、お塩とか、お醤油瓶、香辛料、油瓶を入れていく。

 足りない物は、ええと、料理用のボウルが無いな、シチュウ用の木鉢で代用できるけど、あった方が料理がしやすいかも。メモメモ。

 お箸、ナイフフォークのシルバー類も無いけど、これは各自が旅行用の奴を持ってるので良いか。


 あやめちゃんは作る物が決まったのか、シンクのふたを開けて、野菜を入れて洗い始めた。

 ちなみに、シンクのふたは閉めると調理台になっている。コンロのふたも同じ。

 コンロとシンクを同時に使うことはあまりないので、交互こうごに使うようになってるっぽい。

 考えられているなあ、さすがはトランク氏。


「なんか手伝う事は? シェフ」

「んふふ、特にないよ」


 野菜洗いとか、皮むきとかを手伝いたい所だけど、料理用ナイフはあやめちゃんが、いつも腰に差している物だけだし、キッチンが狭いので無理っぽい。

 あ、予備の包丁も買おう、メモメモ。

 

 あやめちゃんが、冷蔵庫ソファーに物を取りに行ったすきに、大ぶりのびんに、お酢と、食用油、香辛料、塩、お醤油しょうゆを入れる。

 計量系のカップやスプーンも欲しいけど、元々、分量とか覚えて無いのであまり意味が無い。

 地球のネットにつなげられれば、クックパットを見るのに。

 でも、あれば便利なので、計量系の物も買ってこよう。

 メモメモ。


 ちなみに僕の家は母子家庭で、お母さんが働きに出てる時も多かったので、一応の料理はできるのだ。よくひかりにお昼ご飯を作ってあげたものである。


 応接スペースに戻り、びんをしっかりめて、バチャバチャふる。

 ふる。

 さらにふる。

 ちょっと、なめてみて、オッケー。

 ドレッシングの出来上がり。


 ミニキッチンの方から、ジョワーと何かをいためる音と、良い匂いが、だたよってきた。

 何を作ってるのだろうなあ。

 テーブルの上の皿には、チーズがなんだかすごくぞんざいに切って置いてあった。

 もうすこし薄く切ろうよ。

 チーズを一枚貰って食べる。

 んー、もっちりして美味しい。


「アヤメは、なぜ料理ができるのですか、我が君」

「え、女の子はみんな出来るんじゃない? 学校でも習うし」

「すごいわ、さすが異世界の学校、なんでも教えてくれるのね」

「私も野営料理ならば、ちょっとは出来るのですが……」

「ハム焼くだけでしょ、私にもできるわよ、それくらい」

「や、焼き加減が難しいのだぞ、こう、中まで火を通すには、遠火の強火にしてだな」


 ハムとソーセージ、パンに卵は、いわば中世インスタント食品なんだな。

 たぶん。


 オッドちゃんが応接スペースを出て、外に出ようとしていた。


「どこに行くの?」

「馬車の周りに結界陣を書いてくるわ、ギョロ目達が来たら、うっとうしいし」


 やることも無いので、僕も付き合って外に出た、夜になったので、外は少々肌寒い。

 上を見ると、満天の星だ。

 オッドちゃんは、光球をポンポンと打ち上げ、地面に枝で魔方陣を描いていく。


「この魔方陣は?」

「感知と、強発光、ショックの複合設置陣ね。私たち四人は除外してるわ」

「魔方陣ってと呪文ってどう違うの?」

「ほぼ一緒よ、声か模様もようかという違いぐらい、ジーナの錬金術も同じよ、あっちは物質を媒体ばいたいに魔法を発動させているの」

「へえ、お札とかもあるの?」

「流派によっては、お札が好きな所もあるわね。紙に魔法をチャージするようなものね。物に刻み込むと魔導具になるわよ」

「オッドちゃんも自作の魔導具とか作れるの?」

「作れるけど、めんどうくさいから、専門家に頼むのが良いわ。自分で作ると品質と耐久性が悪いから」


 ふむ、魔導師というのは、それらの魔法効果を声だけで発生させる事が出来る人に付く称号しょうごうってことなのかな。


 ご飯まで、時間がありそうなので、行水場を試して見よう。

 後部ドアまで行って、開くと、料理をしているあやめちゃんがこっちをみた。


「行水場つかうの?」

「うん、そっちは大丈夫?」

「水を使うのは終わったから、だいじょうぶだよ」


 ええと、このカバーを一度倒して、下までおろす。水生ワイバーンの翼膜よくまくって、てらてらしてるな。

 お、こんな所に魔導灯が、スイッチオン。

 意外に明るい。

 結構狭いけど、なんとか服は脱げるな、脱いだ奴は頭の上の戸棚に入れて蓋を閉める。

 戸棚の中にはバスタオルが二つしか入ってないから、後でホテルから持ってこよう。

 オッドちゃんの謎空間に無かったらだけど。

 お湯を出すスイッチは、あ、ここか、ええと、打たせ湯、大量、少量、散布湯、マッサージ湯。

 ……トランク氏、り過ぎだ。

 中段の棚に異世界ヘチマと石けん、シャンプーが入っていた。

 これも量が少ないから、後で買った物を足しておかないといけないね。

 うひゃひゃ、なんだ、このマッサージ湯のくすぐったさは。

 散布湯は細かいお湯が、プワーッと掛かってくる。

 ごしごしと体を洗う。ちょっと体を動かすと、翼膜よくまくに体がペタリと付くのがなんだけど、それは贅沢という事だな。

 頭の上の棚も、僕らには良いけど、オッドちゃんには高そうだな、誰かが下から服を回収してあげないといけないかもね。

 打たせ湯を大量の方のつまみにして、ザバザバと体を洗う。

 これらの水は魔法で生成している物だから、使い放題で、ありがたいな。

 タオルで体を拭いて、戸棚に置いてある魔法袋に手を入れて、下着と寝間着を引き出して着る。

 カバーを上にあげて、行水終了。

 おお、行水場を開くと、ここから馬車本体にマットというか、橋が出るのね、橋の中を排水が通って、汚水タンクへ導かれるのか。

 工夫のかたまりだなあ。


「行水場、どうだった?」

「なかなか良い感じ、バスタオルが足りないかも、オッドちゃん持ってない?」

「んー。あ、あった、何時のかしら。箱入りだから誰かから貰った物みたいだけど」


 そういってオッドちゃんは、床の上に紙箱入りのタオルセットを出してきた。

 なんだな、押し入れの奥にお歳暮を貯めておくおばちゃんみたいね。

 タオルを箱から出して、行水場上の棚に置いておく。

 使ったタオルは……。

 おお、ドアの所に丁度良いバーが出て居る、これは洗濯物干し用のバーだよね。

 そこに掛けた。


「オッドちゃんが入るときは、上のたなまで手が届かないから、誰かに下から回収を手伝ってもらうと良いかな」

「必要無いわ」


 そういうと、オッドちゃんは呪文一発、ふわふわと浮きましたでございます。

 魔法って便利だな。そりゃ飛行できるんだから、浮けるわな。


「長期に渡って、ここで生活するとなると、洗濯をどうするかだなあ。魔導洗濯機とかあるのかな」

「売ってるわよ」

「車内に置き場所が無いんだよ」

「使わない時は空間に入れておけば良いかしらね」


 こうして、ご飯が出来るまでに、みんなで順次じゅんじ、行水をしたのであった。


【次回予告】

調理が終わったら実食だ!

食事をすませると、女子軍たちのラブアタックが始まる。

気を付けろげんき! 間違いを起こすと即定住だっ!!


なろう連載:オッドちゃん(略

次回 第85話

楽しい車内晩餐

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