36. 全裸でどっきり、流れる巨大沐浴場! ぽろりもあるよ
お腹もいっぱいになったので、エリス猊下おすすめの大聖堂の地下流れる巨大温泉沐浴場へ。
なんだか地下へ階段で降りていきます。
大聖堂の地下は宝物庫に行くためのでかい縦坑があるはずなので、その外側にあるのかな。
混浴イベントでどっきりだと、喜ばしいね、と階段を降りると、「男湯」「女湯」と書かれた入り口があった。
ちえっと舌打ちしながら、そこまで文化汚染されてんじゃありませんよと内心ツッコミ。
思うに大聖堂都市というのは、お伊勢さんとか、日光とかの信仰観光文化を元にした所なんだろうね。
信者の人が聖地に来て、お祈りをして、泊まって美味しい物を食べて、温泉に浸かって楽しむ場所なんだ。
これは日本人のプランナーが入ってるに違いない。
オッドちゃんたちと別れてのれんをくぐると、そこは脱衣場、かなりでかい。
強面の甲冑衛兵さんが一人、籠が入った棚を見張っている。
あ、そっか、鍵付きロッカーを作るより、番人を一人おいた方がコストが安いのか。
魔導ロッカーとか作ればいいのに。
僕は、籠にどんどん脱いだ衣類を入れて、横開きの大きな戸を開いて、浴場へ入った……。
なんだこれー……。
もわっとした硫黄臭の湯気の向こうに浮かぶのは、大聖堂と同じぐらいの高さと大きさのホール。
真ん中を貫く太い柱は、宝物殿へ向かう縦坑か。
どでかくてぶっとい柱を囲むように水路のような白濁した湯をたたえた広い湯船がドーナツ状に広がっている。
その中を、大量の全裸の老若男女が声高く祈りの言葉を唱えながら腰まで浸かって行進している。
なんという意表をついた光景か!
「ははは、おどろきましたか、勇者ゲンキ、これが大聖堂宿坊自慢の流れる巨大沐浴場ですわっ!」
「意表をつかれ……」
エリス猊下の全裸っぷりの方に意表をつかれたよっ!
おかあさん以外の初生オパーイに目が釘付けだよっ!
たわわに実ったオパーイが揺れる!
「あ、あの混浴だったんですね」
「ミシリア教は自然を愛します、ですので、裸だからといって、何が恥ずかしいのでしょうか! 私はあなたたちに何一つ隠す所なぞ無いのですっ!!」
「ま、前は隠してください」
ちょっと、いろいろといろんな部分がやばくなってきたので、慌てて、かけ湯をして、流れる大浴槽へ。
白濁湯なんで、なんとか大丈夫だぜ、と思ったら、隣には若い獣人お姉さんのオパーイ。
その隣はマダムな感じの張りのあるオパーイ。
前には少女のつやつやと白い小さめの背中。
やべえっ!
流れる大浴槽に入ると、みんな行進している、その行進がお湯の流れになり、僕は流されるようにすすむ。
天井から、ミシリア教のありがたいお祈りの言葉がつり下がっていって、場所場所で唱える言葉が違うらしい。
行進してる人もいるが、途中で疲れたか、肩まで浸かって流れている人もいる。
わんわんとお祈りの言葉が大浴場全体に響いてすげえ。
お湯は硫黄臭のする白濁した温泉。
湯温は熱くも無くぬるくも無い絶妙の温度。
すげえ、すげえが、なんか僕の思っていた混浴イベントと違う。
オッドちゃんたちは、と探してみたら、流れる大浴場の遠くにパットがいた。
遠い。
あやめちゃんもオッドちゃんもパットも、全裸っぽいけど、遠いので豆粒のようでよく見えない。
いや、近寄ったら近寄ったでいろいろ不味いのだが、遠いのもなんだな。
まあいいや、僕は流れて、この浴槽を、どこまでも行こう。
なんか渋いだみ声の勤行が後ろから聞こえてきた、と思ったらどっかで聞いたことのある声。
「おお、ゲンキ殿、兄者、ゲンキ殿がいましたぞ」
「おお、先ほどは失礼いたしました」
「全く面目次第も無い事で」
一号機、二号機、三号機の粗忽者、ビアトーン三兄弟だった。
というか、おまえら、全裸マッチョでむさいから来んな。
褐色の肌で、全員ムキムキだ。しかもみんなアゴが割れてるゴツイマッチョだ。
こいつらは背が高いから、普通にやばいところが水面から出て、ぽろりしてやがる。(ぽろり回収)
しかも、でかい。
そんなぽろりはイヤだ。
「どうですか、大聖堂ご自慢の大浴場は? 一時に何千人と入れる温泉で、しかも自噴掛け流しなんです」
「は、はあ……」
「万病に効果があり、さまざまな奇跡的効果も起こるという素晴らしい温泉なのです」
「はあ……」
「まったく兄者たちの言うとおり」
むさい三兄弟が寄ってくると、なんだか少女や娘さんやマダムがどんどん余所に行って、周りは褐色筋肉一色に。
なんか挨拶を聞いていると、聖堂騎士団の男衆の一連隊に僕は囲まれているようだ。
むがー、あっちこっちでぽろりぽろりと、ウザイ、むさい、息苦しい。
「ゲンキ殿のくせに、元気がないですぞ、HAHAHAHAHA!」
「男のくせに、なまっちょろいですな、もっと陽にあたるべきですな」
「男の筋肉は、鎧であり、かつ、魅力のディスプレイでもあります、それではモテませんぞ」
うるせーよ、男で固まって風呂に入ってるやつらにモテませんぞとか言われたくないよっ。
あっち行けよっ!
地獄、筋肉地獄だ。
「拙者は一号機にのるトーマス・ビアトーンと言います」
「それがしは、二号機のケビン・ピアトーンです、よろしく、ゲンキ殿」
「俺は、三号機、ジョージ・ビアトーンだよ」
「は、はあ、よろしく」
「伝説級ゴーレムに乗ると聞いたから、どんな豪傑かと思えば、思ったより奥ゆかしい方ですな」
「ゴーレム搭乗者はもっと押し出しが強く無いと舐められますぞ」
「さようさよう」
どうも話を聞くと、聖堂騎士団は勤務が終わると、かならずこの沐浴場で汗を流すそうだ。
いい加減うっとうしいし、マッチョ騎士団の近くには、女子が寄ってこないので、一度上がり、行水場で体を洗う事にした。
まったくもう、せっかくの混浴なのに、酷いよ。
とりあえず行水ブースまで行って、温水を体に掛ける。
じゃばじゃば。
頭のてっぺんに湯を当てると気持ちが良い。
肩とか背中に当てると、バチバチバチっていって爽快。
異世界ヘチマに、あんまり泡立たない石けんをつけてごしごし。
ふう。
流れる浴槽に近づいてみると、オッドちゃんとあやめちゃんとパットが、肩までお湯に浸かって、生首状態で流れていった。
僕は股間を片手でガードしながら、それを見送る。
パットは赤面し目をそらした。
あやめちゃんは手で顔を覆って指のすきまから僕を見ていた。
オッドちゃんはしかめ面をして、べーと舌を出した。
……なんか、僕が思っていた混浴イベントと違う。
大ホール浴室の四隅には、十メートル四方の流れない少し温度の高い浴槽が四つあり、僕はそこに、しょんもりと浸かった。
僕が浸かってると、どやどやと騎士団のマッチョどもも浴槽入って来て、わいわい話しかけてきて、とてもウザイ。
騎士団のマッチョが集まると、当然女性は絶対に近寄ってこずに、この浴槽だけ、とても漢くさい感じになって、僕は泣きそうになった。
解せん、どうしてこうなった。
【次回予告】
恋する二人の会話は、もどかしくもはがゆい。
聖堂都市の夜景が見えるベランダで、げんきとあやめの心がふれあう一瞬。
その時、パトリシアは!
なろう連載:オッドちゃん(略
次回 第37話
あやめちゃんの気持ち げんきの気持ち




