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247. 行政塔に行き、いろいろと連絡事項

 まとわりついてくる子どもらを、ふりおとしながら、孤児院を出る。


 全裸のませ子が行水場の方から、水をしたたらせながら歩いて来た。


「もう帰るの、またきなさいよね」


 と、真っ裸でポーズを取ってデレた。


「服をきなさいよ」

「きるんだよ」

「きるべきだ」

「着るわよっ!! うるさいわねっ!!」


 裸族のませ子はおいて置いて、僕らは孤児院を出た。


 馬に、やっこらせとまたがって空を見る。

 大分暮れて、空が赤っぽいね。


「ギルドに戻りますか」

「行政塔に行って、シーガル老に、共和国の事を話さないといけないね」

「たしかに、話は通しておいた方が良いかもしれませんね」

「じゃあ、行くんだよ」


 僕らは馬を速歩で走らせた。

 パカッパカッパカッ。

 口なし主道アベニューに入って、どんどん上がって行く。

 夕方のお買い物時間なのか、人通りが多くなってきたね。

 おばちゃんとか子どもとかが馬道を横切ってきて、結構ひやりとあぶない。


 並足に落として、パカラパカラッと走る。

 馬は図体が大きく、重いので、メイリンでも交通事故で年間結構な死人が出ているらしい。

 交通安全は三千世界共通の願いなのだな。


 上廻り横路ストリートの交差点を抜けて、さらに口なし主道アベニューを上がって行く。

 オッドちゃん御用達のお菓子屋さんの前を通りすぎ……。

 当の、オッドちゃんが、お菓子を買っているのが見えて、僕は馬を止めた。


「あ、あら、あんたたち、どうしたの」


 店の中に入ってきた僕たちを見て、オッドちゃんがキョドった。


「散歩の途中なんだ、オッドちゃんは買い食い?」

「ちがうわ、亜空間に収めてあるお菓子が少なくなったから買いにきたのよ」


 そう言いながら、高そうなお菓子を、ぽいぽいと謎空間に放り込んでいる。


「謎空間に入れたお菓子って、腐らないの?」

「日持ちのするお菓子を選んで買っているわ、悪くなる物はその日のうちに食べるし」


 オッドちゃんはお菓子が主食みたいだなあ。

 ついでに、僕もダンジョン用のおやつを買おう。


「ここのパイは美味しいのだけれど、カロリーが高そうで悩み所なんだよ」


 そう言いつつ、白桃のパイをあやめちゃんが買っておる。

 僕は何にしようかなあ。

 クッキーとか、乾き菓子が無難だろうね。

 箱に入ったナッツが入ったクッキーを買った。

 パットが、酒漬けの果物を買っていた。プラム系の感じだね。


 店の隅で、みんなの買った物を魔法袋に入れた。

 なんだかんだ買い込むと荷物になるからね。

 最近は、買い物から、キャンピング馬車に戻ったら、それぞれの人の棚に振り分ける感じになっているのだ。


「あんたたちは、ギルドに戻るの?」

「行政塔のシーガルさんに、共和国についてお話しに行く所だよ」

「なんで、ボスの私に黙って勝手な事をするの、私もいくわ」


 馬車で本を読んでるって、無精を決めたのは、あなたでしょうが。

 とか思ったが、黙っていた。

 オッドちゃんに、一々突っ込むと切りが無いからね。


 オッドちゃんは、僕のマルチスパークさんに相乗りして、行政塔へ行く事とあいなった。

 パッカラパッカラ。

 オッドちゃん、馬に乗りながらケーキをムッシャラムッシャラ食べるのは止めてください。


 オッドちゃんが、三つ目のケーキを食べ終わる頃に、僕らは塔路に入った。

 謎空間から、お茶のポットを出して優雅に飲むのもやめて下さい、僕のズボンに零れてますよ。


 行政塔の西の入り口の所に馬繋ぎ柵があったので、そこに手綱を引っかけて馬を繋ぐ。

 階段を上って、行政塔に入る。

 案内のおねえさんに、シーガルさんはお手空きですかと、聞くと、聞いて来ますと、エレベーターで上がっていった。

 ロビーのソファーに座ってしばし待つ。


「オッドちゃん、晩ご飯はどうしようか」

「ケーキを三つ食べたから、私はお腹がすいてないわ」


 イラっとしたので、オッドちゃんの頬をひねる。


「なにすんのよっ!」

「食事前に、お菓子を食べてはいけません。常識だよ」

「美味しそうだったからしかたがないのよ」


 ほんとうにもう。

 そうこうしているうちに、お姉さんが降りて来て、シーガル様がお会いになさるそうですと、僕らを案内してくれた。


 エレベーターで最上階から一階下へ。

 最上階は展望レストランなんだよね、一度行ってみたいのだが、今晩行くかな。


「おお、お帰りなさい、オッド師、勇者ゲンキ、勇者アヤメ。共和国では大活躍のようでしたな、新聞でよみましたぞ」

「また、しばらくメイリンに居るわ、ギルドの馬車溜まりにいるから」

「わかりました、オッド師と勇者さんご一行が帰ってきて、昨日から街が喜びに沸いておりますぞ」

「あ、あら、そうなの」

「オッド師は、メイリンの人気者ですからな」

「ほほほ、解ってるじゃない、シーガル老」


 あかん、この人はちょろすぎる。


「共和国の総族長は、メイリン市に掛けた迷惑について、謝罪と賠償をする用意があるそうです。時間を見つけて訪問したいと言ってました」

「おおそれは、総族長も勇者さんたちが不思議な魔法で治療させたと聞きます。総族長と話ができるなら、色々解決しやすそうですな」

「とりあえず、共和国の軍が放った殺人鬼の被害を弁済してもらったらどうですか」

「そうですな、市民、衛士に結構な被害が出ていました、それらを算出して、ぶつけてみますかな」

「よろしくおねがいいたします」


 僕は頭を下げた。


「いやいや、勇者さまが頭を下げる案件ではありますまい。近々、正式な共和国の使者の訪問が打診されてましてな、いろいろと片付きそうです、ご心配なく」


 ふむ、行政塔自体も、解決に動いているっぽいね。

 よかった。


「今、ギルドに居る、凶眼のエルザは使者ではないのですか?」

「いえ、彼女は、決闘の掛けの支払いに来ているので、使者としての役目は無いと思います」

「ああ、被害者に謝罪させるのですか、それは良い事ですね」


 シーガル老と、メイリンの現状を色々聞いた後、僕らは執務室を後にした。

 僕らが出て行った後、特にメイリンは変わりはないようだね。

 孤児院の件が噂になって、寄付が多くなったぐらいらしい。


 エレベーターで一階に降りる。


 さて、晩ご飯をどうしようかな。


「パットは何か食べたい物、ある?」

「そうですねー、肉が食べたいです」

「肉、良いわねっ! 肉っ!」


 あなたはケーキを三つ食べたでしょうに。

 肉食女子だ。


「お肉、世界樹の街の岩窟亭のお肉がおいしかったね、げんきくん」

「あれはおいしかった」

「肉はドワーフの店ね、晩ご飯は決まったわ!」

「肉だな、肉」


 肉肉って、女子らしくないなあ。

 とりあえず、馬を黄金の飼い葉に返して、それから、ドワーフ料理を探すかな。


 また、馬に乗って、塔路を走らせる。

 そろそろ日が暮れそうだね。

 良い休日だった気がする。


 パカランパカラン。

 連邦口主道アベニューを通って、黄金の飼い葉まで、馬を走らせた。


「お帰りなさい」


 馬屋のお兄さんが、ニッコリと笑って迎えてくれた。

 今日もよく走ってくれた、マルチスパークさんの黒い馬体を撫でる。

 ありがとうね。


 料金を精算して、みんなで連れ立って、上廻り横路ストリートを歩く。

 カリ鳥車輪亭を通りすぎる。

 ああ、鳥の焼ける良い匂い。


「いや、鳥ではない、肉、豚肉か、もしくは牛」

「肉肉~」


 みんな肉好きだな。


 両替商をちょっとすぎたあたりの階段を使って、連合口主道アベニューまで下りる。

 そこから、また、長い階段を降りると、共和国口だ。


「共和国といえば、カスピル商会は見つかったの?」

「うん、すぐそこにあったよ。ソースとマヨネーズをカスピルさんが送ってくれてたよ」

「さすがは、気が利くわね」


 あ、煙草屋のおっちゃんに、ドワーフ料理の美味しい店を聞こうか。

 なにげに隠れた名店を知っていそうだ。


【次回予告】

夕食に、肉が食べたいという、オッドとパットのために、

たばこ屋のドワーフが教えてくれたのは、とてつもない肉のお店であった。

その、高質量の肉に、げんきたちは勝つことができるのかっ!!


なろう連載:オッドちゃん(略

次回 第248話

肉のお店、メガトンミート

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