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11. メガトンゴーレム戦+女騎士戦 1

「私が出て棍棒で闘うわ、ハッチを開けてちょうだい」


 何を言ってるんだ、このチョロQちびっ子豪腕ごうわん魔導師めは。


「ここはロボットで闘いましょう」

「ロボで闘うべきだよ」

「ハッチを開けなさい」


「大魔導師としてはロボットで闘うべき」

「大魔導師としては ロボ戦するべきだよ」

「わ、わかったわよぅ」


 オッドちゃんが口をとがらせたが、知るものか、ロボットがあるならロボットで闘うべきなんだ。

 棍棒として使えば、女騎士さんもバーグさんも瞬殺しゅんさつで、くっ殺せ、確定だとしてもだっ!


「チェェンジッ キルコホォゲエエェェルゥッ!!」


 パッパラパ~のBGMもいさましくキルコゲールは大地に立つ。

 ポーズを決めて、発光エフェクト!



「機体各部チェック、オールグリーン、バランサー良好、魔力同調率九割八分、異常無し、いけるよ、げんきくんっ!」

『げんき、行きまーすっ!』


「くわっはっは、おろおろか、オッド様でなく、君が闘おうというのかね、小姓こしょうくんっ!」


 ゴーレムの頭部の上でバーグさんが怪しげなポーズを取り、こちらを馬鹿にしたように言う。


小姓こしょうなんかじゃないっ、僕は、僕はっ! 飛高ひだかげんきだっ!!』

「よかろう、ゲンキとやら、オッド様との激闘げきとうの前座として、一ひねりしてくれよう、行けっ メガトンゴーレム!!」

「ま”っ!」


 メガトンゴーレムが両手を持ち上げえ声を上げる。

 実際コワイ。

 怖いけど、僕は男の子だっ! 負ける、わけには、いかないっ!


「あやめちゃんロケットパンチにるいする物を出すんだっ!!」

「……そんな機能は無い、ってキル君は言ってるよ」

「剣にるいする物はどこっ!」

「……あったけど破損はそんしたので破棄はき、ってキル君は言ってるよ」

「ミサイルッ!」

「残弾無しだって」

「ビームッ!」

「故障中だって」

「こうなったらキルコゲールバスターランチャーだっ!!」

「それは駄目よっ、ゲンキ!」

「何か武器はないのかい、あやめちゃんっ!」

「……なんにも無いって言ってるよ」


 あ、なんだかオッドちゃんがドヤ顔でセットアップをし始めている。駄目だ、駄目だ、それだけはっ!


 こうなったら肉弾戦だっ!

 トラックボール的なデバイスに魔力をそそぎこむ。脳内に擬似ぎじ的な身体感覚が展開される。

 腰をひねり、腕を振り上げ、狙いをすまし、振り、降ろすっ!


『キルコゲールパァァァンチ!』

「ふはははは、なんとのろいパンチだ、あくびがでるぞっ」


 ゴーレムは、ふわっとした動きで、キルコゲールのパンチをけた。

 くっ、けられたっ!


「行け、ゴーレムパンチだっ!」

「ま”」


 グワアワアアアアンッ!!


 くっ! ゴーレムのパンチが直撃した、特に何の被害も無いけど、コクピットがれる。

 くそうっ、打撃戦はこちらが不利か。

 奴はゴーレムのくせに動きがキビキビしてキレがあるっ!


「くわっはっは、やはりしょせんは小姓こしょう、歯ごたえというものがないぞっ!」

『キルコゲールッキイイイイッックッッ!』


 ゴーレムは、しゅっとした動きでキックを華麗かれいけた。


「ぬるい、ぬるいっ! ぬるぬるだぞ小姓こしょうよ、春の日差しにつつまれた公園のベンチでのお昼寝のようにぬるい攻撃だっ」


 くそう、詩人ポエマーバーグさんめっ!!

 僕の攻撃はちっとも当たらず、ゴーレムのパンチだけが、キルコゲールのあちこちに当たる。

 まずい、このままではっ! 機体には特になんの問題もなさそうだけど、オッドちゃんが発進してしまうっ!!


「ゲンキとやらっ! 助太刀するぞっ! 行くぞっライサンダーっ!!」

「ヒヒィィン」


 いきなりゴーレムとの闘いの間に女騎士さんが飛び込んで来た、ば、馬鹿な、人間が入って来ても迷惑なだけ……。


 女騎士さんは背中から大剣を抜刀すると、片手で振る、そしてゴーレムへのインパクトの瞬間……。


「こよっ、我が眷属けんぞくなる伸展しんてん雷撃、秘技、燦光雷撃斬しゃっこうらいげきざんっ!!」


 と、叫んで斬った。

 剣の軌跡きせきにそって雷光がバリバリ音をたてて立ち上がり、ゴーレムの全身に走るっ。

 魔法をまとった剣術なのかっ!


『な、なんで、僕らに助太刀を?』

「ははは、オッドは不倶戴天ふぐたいてん怨敵おんてきだが、少年よ、君は違うのだろう、オッドとは縁もゆかりもない無関係な善良な少年に見える。おそらく無理矢理連れ回されているのだろう」


 おおむね正解です。


「ならば、助太刀せずにはいられないというものだ、なぜなら、私は、魔王軍をる者だからだっ!」

「くっ、ちょこざいな騎士めっ、名を、名をなのれっ!!」

「ははは、問われて名乗るもおこがましいが、ケンリントン伯爵の長女にして聖騎士、白銀の轟風雨シルバー・テンペストのパトリシアとは私の事だっ!」

「くっ、貴様は、噂のケンリントンのおてんば令嬢かっ!!」


 パトリシア嬢はすさまじいいきおいで愛馬ライサンダーをあやつり、ゴーレムの攻撃をひらりひらりとかわし、縦横無尽じゅうおうむじんに斬撃をはっする。

 はっした攻撃には、すべて雷の光輪こうりんがひらめき、ゴーレムの体を砕いていく。


『すごいっ、僕もやるぞっ、これで二対一だ、覚悟しろっ!』

「ひ、卑怯な、悪魔のように性根しょうねくさった小姓こしょうだなっ!」

『なんとでも言うが良いっ! ようは、勝てばよかろうなのだあああっ!』

「げんきくんっ、それ、悪役のセリフだよっ!」


 パトリシア嬢が牽制けんせいしてくれるので、キルコゲールパンチがゴーレムに当たるようになった。

 ゴーレムの方が素早いが、一発一発の重さはキルコゲールの方が高いっ。

 これで勝つるっ!

 オッドちゃんが、なんだか後ろで「ちっ」と舌打ちした。


「ゴーレムよっ、先におてんば令嬢をかたづけるのだっ! いけっ、ゴーレム連弾パンチだああっ!」

「ま”」


 ゴーレムはうなずくと、背中を丸めて野獣のようにパトリシア嬢におそいかかった。

 やばいっ、動きがとてつもなく速いっ!

 パトリシア嬢は大剣で一発目のパンチをね上げたが、そこに二発目のパンチが迫った。

 僕は手を伸ばす、手を伸ばし、間に合え、届けーっ!!


 ガチーン!


 ゴーレムパンチの二発目をキルコゲールの手でふせいだが、先に引き抜いた右手が三発目として来る。三連パンチかっ!

 さらに体勢をわざとくずして、キルコの肩で受けるっ。


 ガコーン!


「肩部に打撃ダメージ、軽微けいび、だよっ!」

『パトリシアさん、下がってっ!』


 パトリシアさんはなんだか、ぼーっとした目でキルコゲールを見ていた。

 なぜに頬が赤い?


「あっ、はい」


 パトリシアさんは、はっと気を取り直すと、ライサンダーの手綱たずなを引いて下がる。


「さて、私の出番のようね、ゲンキ」


 オッドちゃんが悪い笑顔でスタンダップしてそう言った。


「まだだ、まだっ、僕のターンだよっ!」

【宣伝】

闘うから愛が増えるのか、愛があふれそうだから闘うのか!

孤立無援のキルコゲールを救うべく、げんきが出した、その答えとは!?


なろう連載:オッドちゃん(略

次回 第12話

メガトンゴーレム戦+女騎士戦 決着

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