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三十首連歌『死生観』

作者: 築志理聖

三十首連歌の短歌作品です。

三十首のひとつひとつの短歌が全編のストーリーを構成しています。

短歌なので読み手の感性で自由に解釈して下さい。

 

『死生観』


 


  「始まり」は「終わり」へのスタートライン

               ならばゴールはハッピーエンドで


吾が身に共存する物達、匙加減一つに「わたし」を支配せよ


  肉体と精神の(つか) (かし)がりて耳の奥よりドラ響きたる


  ダリのごと景色滴り横たえる(からだ)の沈みゆく果て何処(いずこ)


蒼白な透き通りし顔の生気は美しささえ放ちおりぬ


    両頬に蝶の広げる朱の羽は

                微かに潮の満ちる余韻と



濁流に飲まれ意識を失うそれと似た強制的睡魔


  耳鳴りに公転の音、目眩に自転の風景重ね未だ()


半分に別れた身体(からだ)弄ぶ野次馬共の(うたげ)盛会


  灰の降る空の裏側持て余す聞き耳頭巾の(ほつ)れ引っ張る


  夢の中、父の抱擁に涙して目覚めるそれも悪夢だろうか



さて「わたし」は佇むこの中心点より何処(いずこ)へ踏み(いだ)すべきと



歴史という一絡(ひとから)げ葬られし生命(いのち)、手繋ぎ地球(ほし)を見守る


息をせぬ活字呑み込み生きながら乾涸(ひから)びる脳に電極は生え


   命の為の命

   それとも信の為の命か

   (せめ)ぎ合う現代(いま)


大いなる領域の(たま)囁ける試練試練の連呼うんざり


偽りの身に仕舞い込むあでやかな やわらかなもの 確かめつつも



   惑星に注ぐ陽光(ひかり)の反射見て

   相対の意味 今更に知る



吾という小宇宙と君という小宇宙の迎合は希望


白昼夢、化石の人との再開はママゴト遊びの花園たらん


あの人の閉ざされた窓覗きつつ異次元にぽつり ひたすらぽつり


   魂の容器(いれもの)既に傷みおり幾許(いくばく)の恋 更にうつくし


彼等との巡り合わせは学び()と偉そうに(のたま)わく運命


   遠くから囀る小鳥 隠れ見て

            胸中鳴らす青い旋律



何故、何の問いばかりではくたびれた。

 ただ無邪気には笑えぬものか?



     風の色

     木々のざわめき

     蜻蛉の

     「わたし」の

     (からだ)も混ぜ合わせる



屍の粉を降らせた野原にて四季の花咲く自然となろう



   鮮やかな空気の流れ

    透明な街並みの列

     地下より眺望(なが)



華やかに咲き誇る花散りゆけば後に確かな結実のあり


 


     静止画の様な深夜に

     ひと欠片(かけ)の無情と有情(うじょう)

                  猫の横切る

今、この瞬間がまさに大切な人生の中心です。

さて、たくさんの選択肢を目前にしてどれを選びましょうか!

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