チェッカーズの学校生活
授業中。今は総合だ。
「はい、じゃあ今日は実際にニュースを見てみましょう。」
そういったのは亜矢たちの担任 尾野美智子先生だ。先生はテレビのスイッチを押す。だが残念ながら今ニュースはやっていないようだ。
「あら?今やってないみたいね。じゃあ給食の時間にやってたら見ましょうか。」
キーンコーンカーンコーン
時間が時間だったので、ちょうど良くチャイムが鳴った。
「じゃあ終わりにします。日番の人は号令を。」
『起立!きおつけ!れーい!』
『ありがとうございました!』
「次は三十五分から始めね。」
周りの生徒達は、つぎつぎにおしゃべりの輪を作り始めた。亜矢たちも喋っていると、最近仲良くなって喋っている石山ユイがこんなことを言ってきた。
「なぁ、昨日もチェッカーズでたらしいな。」
お茶を飲んでいた美希は、ブフゥーと、お茶をふきだした。(幸いふきだした方向には誰もいなかった)
「何で今そんな事。」
「だってすごいやん!盗むのは絶対不可能と言われていた《アクエリアスの水がめ》を簡単に盗み出したんやで?」
ユイが少し大きな声でしゃべっているので他の人も入ってきた。
「どしたん?チェッカーズの話?」
入ってきたのは、休み時間に図書室に来ていた女の子だった。
「あ、ちーちゃん。」
美香が言った。
「あれ?知ってるの?」
「うん。ウチと家が近くやから。」
ちーちゃんと呼ばれた女の子は、野山千亜矢も四年のとき同じクラスになったことがある。
「そういえば、チェッカーズって最近話題になってるけどどんな人達なん?」
「簡単に言えば怪盗だね。」
亜矢が答える。
「そうそう、でも昨日はチェッカーズの人たちやねんけど、アクエリアスの水がめ盗んだ人たちは、『怪盗ガールズ』って名乗ってたらしいで。」
「ユイ、あんたどこでそんな情報仕入れてんのよ。」
亜矢が少し呆れて言った。自分達が怪盗ガールズと名乗ったことはニュースでもやってなかったはずだ。
「え?言わなかったっけ?うちはお父さんが刑事やってるから、その手の情報は早いって。」
「言ってない。」
そう、言いながら亜矢はこんな事を思っていた。
(石山・・・・・って、あの刑事!?〔第一話・第三話登場〕)
(なぁ、ユイのお父さんってもしかして、あの石山けいじ?)
美希が目で言ってきた。長く一緒にいたせいで、こんなこともできるようになったのだ。
(たぶんそうだと思うよ。)
(あの刑事だったら、チェッカーズの情報早いに決まってるわ)
(ははは、(苦笑))
「三十五分よー。席に着きなさい」
「はーい。」
木曜日の授業はまだ続く。