プロローグ 尾行編
上手に文にできない自分に少し苛立ちました。
誤字脱字など見かけましたら指摘していただけると助かります。
本編で全く触れてませんが、竜一君は眼鏡をかけています。
約一時間後。
「それじゃあ、また明日な。」
担任の挨拶が終わり僕は栗栖と目を合わせる。
作戦開始の合図だった。
栗栖は、教室を出る。
僕は、恭平の動きを監視そして報告。
今まで何も言わなかったが僕には、この作戦に大きな不安があった。
それは、僕が、自転車通学でないことだ。もし彼の家が近くても自転車を走って尾行するのは正直疲れるし見失う可能性も高い。
そして、何より標的に気づかれてしまう。それだけは、あってはならない。入学初日から尾行してたなんて知られたら、クラスでの僕の立場はどうなる。下手したら警察ざただし。
そうなったら親父になんて言おう……。(いやだめだ。そんなマイナス思考では。もっとプラス思考でいこう)
(もしかしたら二人乗りさせてくれるかもしれないし。俺が運転か?それとも後ろ?どっちにしろ俺ってやつは。……罪深い……って、ないないもしあっても栗栖は恭平のファンだし。けど結構かわいいし性格も良さそうなのに告白はしないのかな?)
とお節介なことを考えながら、恭平に視線を向ける。
誰かと電話しているようだった。
彼は数分電話をした後教室を出た。
僕はすかさずメールを送信した。
内容は単純。そしてエレガント。
「標的が教室を出た尾行を開始する。」
栗栖side
(来た。)
メールの内容に目を通し、集中する。
ここはロビー待ち合わせや部活のミーティングをしていて人が多く怪しまれることはないがこちらの見失う可能性がある。
といっても各クラスごとに広めの下駄箱があるため一年一組の下駄箱に入ってきた人だけを見ていれば問題はなかった。
教室から下駄箱まで歩いて3分ほどその3分間を彼女はあることについて悩んでいた。
(もし恭平が徒歩通学だったらどうしよう。)
(当然歩いて尾行するわけだけど、歩いて10分の距離だとすると帰りも10分そして自転車で家まで10分……30分も帰れないの……。あれ、そんなに時間かからない。)
そんなことを考えていると恭平の姿が見えた。
彼は、下駄箱で靴に履き替えると駐輪場には向かわず正門の方へ向かった。
栗栖はメールでコンタクトを取ろうとするが、そこで竜一と再開する。
「自転車通学じゃなかったみたいね。」
柱の影で恭平からは見えない角度で話をはじめる栗栖。
「そうだね、実際僕の不安要素の7割はこのこと(通学方法)に関してだったし。」
と簡単に答える竜一。
「ふーん残りの3割は?」
「別にたいしたことはないよ・・・ほら右曲がったよ行こう。」
軽く答えたが栗栖の方は特に気にしていないようだった。
物陰に隠れ距離をとりながら追跡する。尾行の定石というよりは、二人の尾行のイメージというものだった主にドラマやアニメの・・・・・・。
「次の角曲がったらダッシュな。」
「了解。」
すっかりその気になった二人だったが、この尾行は思わぬ形で終わりを迎える。
3回目の曲がり角を曲がる、距離は学校から約800メートルの地点。
(見失った?気づかれて逃げられた?どっちにしても・・・。)
「おいっ見失ったぞ。これからどうする?」
その質問に答えは返ってこなかった。
なぜならそこに誰もいなかったからだ。
(もしかして呆れて帰った?一人で尾行を続けてたり・・・何をやってるんだ俺。)
(つーか自己紹介の時もこんなかんじだったな。こんなんじゃだめだ。)
気合いを込め叫ぶ。
「俺はイケる。」
「どこに行くんだ?」
唐突に声をかけられ驚きで体がびくっとなった。
この場合のイケるは、イケてる+彼の家に行けるという二つの意味があったが言えるわけがなかった。
声の主が尾行の標的である恭平本人だったからだ。
「家すぐそこだしよっていけよ。つまらん尾行なんて止めてさ。」
(ばれてた。これはしっかり謝罪とかしないと・・・やばい?)
なんにせよ断る理由もないのでついていくことにした。彼の家は50階建のマンションの最上階の部屋だった。
「ただいま。」
声は返ってこない、広い屋内に声が響いて行くのが解る。
「おじゃまします。」
自信のない小さな声は響かなかった。
あがってすぐの長い廊下をわたり客間に着いた。
長めのソファー座ってすぐ恭平が口を開く。
「単刀直入に言う。なぜ尾行した。」
「うっ。いやあ、その、気になったから。」
答えになっていなかった。が彼は全て解っているようだった。
「今回の件。黙っておいてやる。」
「お言葉ですが誰にまで教えてもらえると嬉しいな~。」
と弱々しく返す。
「全てに。親も警察も学校も全部だ。」
「そのかわり俺のいうことに1つだけしたがえ。拒否権はない。」
正直なにを言われるかわかったものじゃないがyes以外の返答は受け付けてないようだ。
(ここはとりあえずは・・・・・・)
「わかったよ。1つだな。」
彼は、こうなることを最初から知っていたようなくちぶりだった。
その証拠に彼は話をとてもスラスラ進める。
「俺の奴隷になれ。」
「はっ?」
僕は、聞き間違えではないか一度確認をとる。
「すまん。間違えた。俺と・・・俺の友人になってほしい。」
(どんな間違いだよ。でもよかった、やっぱり本当はいいやつなんだ。)
(二重人格というよりツンデレだな。)
かなり失礼なことを考えながら竜一は、言葉を返す。
「いいよ。最初からそう言ってくれたらよかったのに。」
この場合の「よかった」は尾行しなくてもよかったが半分以上の意味を占めている。
「一つ言っておく。友人でいるのは学校内もしくは、俺の指示した時だけでいい。」
竜一は、この時おおかたの意味を解ってしまった。
(このすっきりしない空気とさっきの言い間違いは、恐らく。)
「どういう意味かな?」
(悪い予感しかしない。)
こういう予感は、よく当たる。これを竜一は経験上よく知っていた。
「だから・・・」
ゴクッ
「学校外では、俺の子分になって欲しいんだよ。つーかなれ。」
(ほら来たよ。恐らく子分=奴隷で間違いないだろう。)
「具体的には、何をすればいい?」
「なーにただ俺の言うことに逆らわないでくれればいい。もちろん無理なことは言わん。できないことはやらなくてもいい。」
正直なとこ何を企んでいるか竜一には全く解らなかった。がそんなことはどうだってよかった。只、
(一緒にいると退屈しなさそうだ。)
「わかったよ。子分でもなんでもやってやるよ。」
竜一の考えは、いつも敬遠されがちな竜一にとって学校内だけとはいえ、この時期に友人をつくっておいて損はない。というのと、退屈しのぎの2つだった。
つまりは、子分のデメリットを全く気にしていないということで、逆にそのくらい彼は、暇つぶしに真剣で貪欲だった。
数十分後。
簡単な茶菓子を食べ家を出た竜一は、一人つぶやく。
「刺激的な高校生活になりそうだ。」
上機嫌で夕日の照らす町を歩いて行く。
いろいろ苦しいでしょうか?
指摘がない限りこのままの調子でいきます。
バトルが少ないと思われるかたへ、
もう少しお待ちください。ちゃんとあります。