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ある日曜日の出来事

はじめまして団栗茂です。自作小説は初めてで、まだまだ素人くさい文章かも知れませんが最後までお付き合いしてもらえると幸いです。

とある廃工場にて



どれくらいたっただろうか?

空模様から推測すると捕まってから数時間といったところだろう。

こうも簡単に大切な休日の時間をとられるとは、

‥‥‥‥‥‥。


まぁ愚痴を言っても始まらない一度状況を整理しよう


先にも言ったとうり僕は今現在捕まっている。

両手を縛られ錆びた柱にくくり付けられ両足以外満足に動かせない


外傷は特にないけど何時間も柱に縛られとても疲れた。

後少しお腹が空いた‥‥


そもそも何故捕まっているかと言えば

そう、コイツだ。

僕の前に立っている大男名前は熊谷‥ナントカ

剣道部の上級生だったはず‥‥

考えながら自分の頼りない記憶力に少し呆れた


大男は口を開ける

「お前さん逃げようとか考えるなよお前は大事なエサなんだから」

低い声から威圧感と恐怖感を感じ身が竦んだ


どうやら僕はある人物をおびき寄せるための“エサ”らしい


大男の取り巻きの一人が言った

「そいつは本当に来るんですか?奴だって自分のことが大事なはずなんじゃ」


確かにそうだ誰でも痛い思いはしたくないし

友人と言っても会って間もない他人のために傷つくお人よしなんて本来いないのが普通だ。



「それに対しては問題ない」大男は言った。

「もし来なくてもその時は、仲間を見捨てた弱虫と公表する。あいつの立場は崩れ、学校にも居られなくなるだろう」

「来たら来たでボコボコにするってわけっすね」「ひゃっひゃっひゃっ」


取り巻きの笑い声が聞こえる。

‥‥‥(下品な笑いだ)

そんなことを考えていると大男がこっちに来た


「当然あいつが来なければお前が生贄だけどな」


取り巻き達の笑い声が大きくなる


背筋が凍りつく


大男が更に言う


「後7分、5時ちょうどに処刑を始める」


また更に大きくなる声が僕の体を固まらせる





5分後

「これより処刑を始める」

歓声があがる歪んだ人達の歪んだ歓声が。


大男が廃材(近くにあった鉄パイプのような物)を振り上げる

僕は目をつむったそれと同時に彼の‥‥つい最近できた友人の言葉を思い出す


現実(リアル)に本来正義なんてない‥あるのは汚れた偽善だけ)


(確かにそうかもしれない、けど僕は‥‥)



僕は目をつむった


大男が告げる

「ヒーローは来なかったな」

廃材が振り下ろされる

僕の頭部に当たり赤黒い液体が流れる‥‥



はずだった


廃材は頭の2cmほどの間を空けて止まっていた


理由は一つ工場のスピーカーから急に高音が出たからである


キィィィン

音は鳴りやまない


(工場は潰れてるけど主電源さえ起こせばスピーカーくらいは動かせるかも)


「放送室に奴はいる連れて来い」大男が声を張り上げた


「だっ誰もいません」

男が言い終えた数秒後に音は消えた


工場内にさっきの盛り上りはなく静まっていた



「ずいぶん盛り上がってんな俺も混ぜろよ」

突如スピーカーから出た声はどこか楽しげのある聞き覚えのある声だった


「何処にいやがるとっとと出てこんかい」

苛立った大男が叫ぶ

その声は静まった工場内に虚しく響いた


「俺も暇じゃないんでねさっさと人質解放してくれると楽で良いんだけど」

半ば飽きれた調子で答え続ける


「まぁ今回俺の出番はもうないんで、また明日学校で‥‥‥会えるといいですね」



ブツッ プープープー

電話の切れるような音がした


全員の頭に?マークが浮かんでいるようだった彼の言葉の意味をわかっていた者は僕を含めて誰もいなかった



その直後


ザッザッザ


沢山の足音が入って来た


逆光と涙のせいで少しわからなかったが彼らが誰か気づくのにそう時間はいらなかった。


「警察?」

「警察だと」


僕と大男の声が軽くハモった


警察官の一人であろう人物が喋り始めた


「犯人に告ぐ人質をすむやかに解放し投降せよ」



「え゛っ?」

大男の口は開いたまま塞がらないようだった


十分後



手錠をかけられた大男が

「違うんです確かにそうなんですが違うんです」

と必死に訴えかけていた


それに対し警官は

「話は署で聞く」

の一言しか言わなかった



僕も事情聴取ということでパトカーに乗せられた


道中 車の外の視線が気になり居心地は決していいものではなかった


その後一時間みっちり取り調べをうけた僕は全て丁寧に話した


大男は同じ高校の先輩で名前は知らないが面識はあるということ


僕を拉致し僕の友人をおびき出そうとしたこと


剣道部で以前その友人にボロボロに負けそのリベンジを果たすためにこのような手段を取ったということ


全てを話した後警官はとても疲れた顔をして言った


「その友人に伝えておいてくれ」

「二度と電話しないで欲しい」と


警察署を出た時は7時をまわっていた


(親にばれたらどうしよう)

考えていたらお腹が鳴った

「そういえば昼から何も食べてないや」


「大変だったみたいだな」


唐突に声をかけられ少し驚いたがその心はすぐに怒りへと変わった


恭平(きょうへい)お前〜」

「なんで警察なんて呼んだの来て試合すればそれでよかったのに」


「悪りぃ悪りぃ俺も忙しかったの」


「嘘だ。大体あんな仕掛けまで用意しておいてこの暇人が。っていうかどうやってやったんだよ教えろよ」

一気に喋って少し息切れした


「わかったわかったちゃんと説明するから」

「まず放送についてな」


「そうそうあんな仕掛け作るくらいなら来て試合すればよかっただろ大体君は‥‥」


「ハイハイわかったから話しを聞け」

「あの仕掛けはたいしたことはないただ拡声器と携帯を組み合わせただけのものだ」

「あんなのでも壁側に向けて音出せば工場全体に広がって音源を探し当てるのは難しいそれにすぐ警官が入って来ただろたとえ探し当てたところでたいした問題じゃない」


「そうだよ警察だよどうやって呼んだの」

いつしか僕の怒りはおさまって話しを聞くことに夢中になっていた


「正直に言ったらとてもじゃないが動いてくれないからな普通に言ったよ」

「友人が不良に拉致されてお前も来いと脅迫されました助けてくださいってね」



(それでさっきの警官あんな疲れ顔だったんだ)


「そうそう警察の人がもう電話しないで欲しいって言ってたよ」


「それはまた酷いな」


「話し戻すけど仕掛けはいつしかけたの」


「自分で仕掛けてはいない仕掛けさせた」


「誰に?」


「剣道部員に」


「へっ?」


「剣道部であいつ‥‥じゃないな熊谷(くまがい)先輩は実力はそこそこあるがそれを威張っていたらしいだから黙らせて欲しいとある部員から依頼を受けてな」

「実際ほとんどの剣道部員は先輩のことをあまり良いとは思ってないらしい恐らく先輩の勝利が見たくて来たやつは半分どころか一人もいないんじゃないかな」


「いや一人いたよかなりうざかったけど」

苦笑いをしながら言った


「まぁこれで全部かな あー疲れた」


「疲れたのは僕だよ」

大声で言ったすると

グギュゥゥゥゥゥ

お腹が鳴った


「昼からなんも食べてないんだったお腹空いたー」


「んじゃ今からラーメンでも食いに行くか」


「おぉいいねラーメン」


ラーメン屋にて




「みそバターコーンラーメン特盛のお客様」


「はいっ」

僕は答えた


「チャーシュー麺大盛りのお客様」


彼は手を少し挙げる


ラーメンを啜りながら僕はいろいろ考えていた


(何故先輩の挑戦を全て断っているのか)

(今日はいったい何が忙しかったのか)

(そして何故お腹がとてもへっていた僕より圧倒的な速さ食べ終わっているのか、麺の量などを差し引きしてもこれは速すぎる)


しかし口から出た言葉はとれでもなかった


「あのさ、先輩はこれからどうなるの?」


「ん?あーお前の証言を聞けばあいつの罪なかなかだが動機がこんなんだからなちゃんと剣道具一式が見つかれば停学くらいじゃないかな」


「ちょっと可哀相かな」


「罪は罪だ罰が必要なのは当然だ」

「それはそうとラーメン残すならくれ」


どうやら僕に特盛はまだ早かったみたいだ


ラーメン屋を出て帰り道僕達はほとんど無言だった始めのほうは味の感想を言い合ってたりしていたが途中から彼は余り口を開かなくなり別れの交差点まで来た


「んじゃまた」

彼は言った


「待って」

僕は呼び止め言う

「あの時君は現実に正義なんて無いって言ったけど‥‥

偽善でいいじゃん正義が勝つとか正義は正しいとかわからないから面白いし人は追求するんだと思うよ」

その言葉は彼、竜王りゅうおう 竜一たいちそのものだった

その言葉を聞き彼は

「間違いじゃないと思う」

としか言わなかった

けど僕は結構満足していた

それは胃袋からくる満足感とは別のものであることは言うまでもなかった



後結局全てを平らげてしまった彼の胃袋に疑問と尊敬の心が生まれた



恭平Side



別れ道で言われた言葉を思い出し一人つぶやく


「偽善は汚れてるんだ。その事実は変わらない」

「いくらその行動が善であっても行動の先の自分を考えてしまえばたとえそれが他者に善として見られても自分の中では偽善になる‥‥なってちまうんだ」

その言葉は誰に聞かれることもなくただ暗闇へと消えていく

どうでしたか?

楽しんでもらえたのなら幸いです。

私はまだ未熟なので文章が矛盾していたり、よくわからなかったりするかもしれません。

そういった場合は、気軽に質問してください。

その時は、ぜひ感想や評価などしてもらえるとうれしいです。

ではまた次回会いましょう。

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