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Short Short  作者: 小林 陽太
11/31

多江子

午後8時26分、多江子の携帯が鳴った。

「多江子~。いま何してるの??」

「…あー!みっちゃん?いまテレビ見てるよ!」

多江子はポテチをつまみながら、ソファーの上でテレビ画面に映る一人の男を見ながら大笑いしていた。

テレビの中には、今人気のお笑い芸人、島村がマシンガンのようなトークを放っていた。

「あのさぁ、例の彼のことなんだけど…。」

「…なに~っ?なに??聞こえないっ~!!」

「山下君のことよ。」

多江子はテレビに夢中だった。島村の話が面白くて面白くて仕方が無いのである。

「山下?あぁ、山下君ね。あの男はあんたに向いてないわよ~!」

「…あははは。そうかもしれない。」

多江子はやっぱりテレビに夢中だった。

「最近、お腹の調子が悪いの。」

「どしたの?大丈夫??…あはははは!島ちゃん~!!」

「うん…。」

二人は時間を忘れて話しつづけた。時計は午後10時を指していた。

「あ、そろそろ寝るね。」

「うん!じゃあまたね~!!」

多江子は電話を切ると、ソファーにうずくまって直ぐに寝てしまった。

次の朝、また電話が掛かってきた。

「おはようございます。多江子さん?今日どうします??」

「あーおはよ、山下君。今日ね…、10時から…」

多江子はあることに気がついた。彼女がソファーの下に落としていた、ポテチのくずに蟻が行列を作っていたのだった。

「それで、あ…、蟻が、蟻が、行列を作ってる…。」

「えっ?どしたんですか?何かあったんですか??」

電話の向こうで、山下が戸惑っていた。

「蟻よ、蟻。蟻が行列を作っているのよ!!どこから入ってきたんだろう?」

「えっ?蟻?蟻??えっ??…ありりりり!!」

「あははははははは!!!」

多江子はそれを聞いてまた大笑いした。今日もまた多江子の一日が始まった。

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