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【完結】もしものチャーリー 〜最強捜査官の隣で、ハロウィンまで俺だけ人類側なのはなぜですか〜  作者: 久茉莉himari


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8/8

【8】全力のドラキュラ伯爵、やさしく尋問される。〜最強捜査官の隣で、ハロウィンを楽しんだ人類側の俺〜

そして、運命の日。


10月31日の午前9時。


イーサンがオラクルのグループチャットにトークした。


「【重要事項】

本日のハロウィンパーティについて。


・開催時刻/18時30分。

(就業後に、カボチャ及び電灯を運搬業者が運ぶため)


・開催場所/小会議室A


・装飾について。

チャールズ・ハーパーが用意したジャック・オー・ランタンの電灯を、最も分かりやすくするために、装飾業者が壁とテーブルを黒幕で覆う。


※着替え場所は各自の自由

(隣の小会議室Bでも可)


以上」


だった。


チャールズがフフフとパソコンに向かってほくそ笑む。


(流石、チーフ!

内輪のパーティにオラクルの警備員は使わないと!

つまり!

チーフも本気ですね!

でも……俺は勝たせて貰いますよ!!)


そう、今年のチャールズのドラキュラ伯爵は、今までとはコンセプトから変えたのだ。


今までのチャールズのドラキュラ伯爵と言えば、バサバサの黒髪に、それっぽい古風な衣装に黒マント。


そして、真っ青なメイクと目と口から滴る血のりに、ドラキュラの二本の鋭い付け歯。


しかし、今年は――

マリー・アントワネットがいたヴェルサイユ宮殿に現れた、あのフェルゼン伯爵をモチーフにしたのだ。


くるくるとカールされた白い髪のカツラ。


当時の貴族の完璧な衣装。


そして、マントは前面は黒だが、内側は目の覚めるようなオレンジ色。


そして、ギャップを狙いメイクは例年通り。


(みんなはここまで出来るか!?

否!

出来なーい!!

新・ドラキュラ伯爵に震えるがいい……!!)


そうして、チャールズはるんるん気分で、仕事をテキパキと片付けていった。




そうして、就業時間が過ぎ――


チャールズはこれまた用意した、ビーチで水着に着替える時に便利な筒型の簡易テントと衣装が入ったバッグを手に、小会議室Bに向かった。


(イーサンやベックがいるかも?)と恐る恐る入ったが、誰もいない。


だが、チャールズは警戒を解くこと無く、まずはメイクから始めた。


こらなら、突然二人が入ってきても、メイクを見られるだけで済む。


だが、ラッキーなことに、チャールズが白塗りに薄っすらと青みを足した真っ青な顔面に、血のりのメイクを念入りにして、最後に付け歯をしても、イーサンもベックも現れなかった。


それでもチャールズは抜かりなく、筒型のテントをサクッと立てると、その中で着替えを行った。


これも、仮装勝負が決まってから、何度も練習したので問題ない。


そして、着替えも終わり、乱れたメイクを整え直し、18時30分にかるのを待つ。


しかし、イーサンとベックは18時25分になっても現れなかった。


チャールズは確信する。


(はは〜ん!!

チーフとベックの仮装ってトイレでパパッと終わらせられるような、お粗末な……いや、簡単なものなんだ!

ハイ!俺の勝ち〜!!)


そうして、隣の小会議室Aの扉を開ける。


すると、真っ黒な部屋の中に、あのジャック・オー・ランタン3個が、黒い布を掛けられたテーブルに等間隔で並んでいた。


ベックのカボチャには、ショッキングピンクのLED電球が光り、

ヴィヴィアンのカボチャには、ゴールドのLED電球が光り、

チャールズのカボチャには、虹色のLED電球が光り輝いてていた。


チャールズが思わず息を呑む。


(……自分で言うのも何だけど、凄い!

凄い迫力だ……!!)


だが、そんなチャールズの驚きを、ベックの叫び声が切り裂いた。


「チャーリー!!

お前、どうしたんだよ!?」


「……へ?」と間抜けな声が出てしまうチャールズがベックを見ると――


ベックは今日着ていたスーツ姿に、オレンジ色でカボチャ柄のネクタイをしているだけだ。


一目で高級品と分かるが。


すると、続いてイーサンの鋭い声が響いた。


「ベック、部屋の照明をつけろ!」


「おう!」とベックが答えて、部屋が明るくなると、イーサン、カリスタ、ヴィヴィアンの姿も見えた。


イーサンは――普段通りの黒スーツだ。


どこを仮装しているのか、チャールズには全く分からない。


そして、カリスタは淡いオレンジ色のシフォンのドレス姿。


ヴィヴィアンは、オレンジ色のノースリーブのミニスカートのワンピースに、腕には肘まである同じ素材の手袋をして、オレンジ色のブーツを履いている。


しかも、イーサンもベックもメイクはしておらず、カリスタとヴィヴィアンも、正式なパーティに行くレベルのメイクに直しているだけ。


しんと、会議室に静寂が落ちる。


イーサンが静かに言った。


「皆はパーティを続けてくれ。

ハーバーは俺のオフィスまで歩くのは憚れるので、隣の小会議室Bへ」


ベックがやさしく言う。


「チャーリー!凄い仮装だな!」


だが、その目には、なぜか涙が浮かんでいた。


カリスタもやさしく言った。


「チャーリー!

本当に素敵よ!」


それでも、カリスタの瞳には、哀愁が漂っている。


ヴィヴィアンはにこりと微笑む。


「チャーリー!

私たちがプレッシャーをかけたのよね……!

でも、本当に素晴らしい仮装だわ!」


そして、口元を手で覆うヴィヴィアン。


チャールズが心の中で絶叫する。


(だって……!!

ハロウィンの仮装勝負だよね!?

何でみんなお洒落なパーティみたいになってるの!?

あ……!!)


気づいても、もう遅い。


そうして、小会議室Bで、ドラキュラ伯爵は椅子に座り、立ったままのイーサンに言われた。


「君は職場のハロウィンパーティに、なぜ、そんな扮装をして現れた?

まずは結論を答えろ。

次に根拠を3つ。

最後に例外があれば添えて答えること。


もしくは――」


イーサンのアイスブルーの瞳がギラリと光る。


「小学5年生でも理解できるように、専門用語を使わず纏めて答えてもいい」


チャールズが心の中で悲鳴を上げる。


(ギャーーー!!

イーサン・クロフォードに……やさしく尋問されちゃったよ……!!

俺はまたカウンセリング行きだ……!!

あと、チーフ!

扮装って言わないで下さい!

これはハロウィンの仮装です!!)


そう、オラクルのハロウィンパーティには”節度”があり――


イーサンのハロウィンの仮装は、細すぎるオレンジ色のネクタイピンだった。



〜fin〜

こまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

これで最終話になります。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございましたm(_ _)m

どなたか琴線に触れることが出来たら嬉しいです。

気軽に感想もお待ちしています♪


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「【完結】最強捜査官イーサン

――完全犯罪を暴く行動分析チーム《オラクル》」はこちらから→ https://ncode.syosetu.com/n9827me/


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