⑦ 明日檜風月!?
「な…なんだこれ…。おれの…髪が…ホントに宇宙人になった!!!!??
キモイ…!!!なんか勝手に動いてる!?!?た食べられる…!?」
「そうか……。やっぱり…世界休めはもう…“お前の中”に……!!気付くのが……来るのが遅かった……!!!」
なんか、一人で怒ってるけどおれも、一人で勝手に気持ち悪くなってる。めちゃくちゃウネウネしてる〜〜!?!?どうしよどうしよ??!?おれ……“アイツ”に食べられた…のか!?キモイキモイ……取って!!誰か取ってーー!!!!
……。
いや、待てよ。
もしかして…もしかして。
これが…“守ってくれた”…?。
そういや、世界休めは…全身全霊で守るって言ってたような……。こういうこと?髪の毛も!?え、なんか逆に凄くない!?!?な、なんか凄く頼もしく思えてきたぞ……!!見た目は…その…アレ、だけど………。でも、守ってくれたのは多分こいつだっ!!!きっとそうだ!!ありがとう髪の毛さん!!!
「茅蒔…だったな、確か。お前に取り憑いてる世界休めについて教えてやる…。」
「…?…聞きたい。」
「そいつは《コンプレックス》といってな…。逝き場を亡くした“感情”たちが複合・具現化した概念生物だ。」
コンプレックス…?何言ってんだ?
コンプレックスってあの“コンプレックス”のこと言ってるのかな?自分の嫌なところ…、“劣等感”のことだよな…?それが…集まる…生物??
??何言ってんだ???取り敢えず、あれか…。幽霊のヤバいヤツバージョン…。まさかマジで怨霊だったのか…?そうには見えなかったけど…。
「何言ってるか理解できないか?まあいい、目的が変わった…。まだ、ガキだが……」
「お、お姉ちゃん……?」
「─お前を、殺す…。」
……“殺す”………。
確かに、そういった。この黒髪のおねーちゃん。
確かに、俺に向かって…。子どものおれに…
ゆっくりと、腰に携えてる剣を抜いて…おれに向けた…。
「自己紹介がまだだったな…私は、明日檜風月…。」
「安心しろ…殺すと言っても、死にゃーしない……魂が無に帰すだけだ…。楽になる。」
「成仏させるってことかな…?」
「まあ、そんな感じ…──」
───ガキィンンッッッッ!!!
「…えっ…あの子。凄い……。」
「…ちっ…この髪…宿主を守ってやがるのか……!!」
「っ…!!!!!…この髪の毛…。剣も使えるのか…!すげえ…。」
不思議だ……。おれがずっと、警戒しながらずっと手に握りしめてた剣を一瞬で…いつのまにか…!いつのまにか髪の毛が代わりに使ってる…!!!!!しかも頭も別に重くない……!!!
速すぎる……まったく見えなかった……。おれの髪の剣…!!!すごい…!すごい!カミノケン!!!!
…でも、あの黒髪の巫女も速すぎる…!!!!あのおねーちゃん……目が、目が怖すぎる……。ほんきで……ほんきでおれを殺す気だ………。『我が身可愛さ』がなかったら…。死んでたな…。
ここは逃げたほうがいいよな?おれには“自動防御”はあっても攻撃手段が無い…。おれ自身の剣の腕でこのねーちゃんに勝てるわけがない。…どうしたもんかなぁ…。
───キィキィン……!!!
ガキィン……カンッ!!!キィンキィン!!キィンキン!!
ガキンキィンカン!!!カン!キィン!!!!
「…お姉ちゃん!!!やめて!!!!ホントに…怒るからね!!!!」
「黙れ!水月!!討伐対象だぞ!!!職務放棄か!!?馬鹿者め!!!!」
「うおお〜…すっげ…。目に見えないけど…音が凄いな…耳が痛い…!」
くそ…くそ!!…??オートマ!!がんばってくれよ…!おれまだ死にたくないぜ…?あ、死んでるんだっけか…?ちょっと怖い…けど…これくらいなら…大丈夫…!大丈夫なはずだ…!怖くない!!怖くない!
「クソッ……。埒が明かんな…。」
あれ…音…止まった…攻撃やめた…?!
…!!
今のうちに逃げるか……!!!段々、怖さに慣れてきた…!!!フワフワの身体で何処まで逃げれるか…。というか……『我が身可愛さ』…。これ、凄すぎない……?強すぎない…??
まだいける!!多分、死ぬことはない!!ないない!!!
…取り敢えず走れ!!あの巫女から逃げろ!走れ茅蒔!!10歳!!!
「出来るだけ、遠くに逃げるんだな………。」
「……!!!それは…!!それは駄目だよ!!!??お姉ちゃん!!!!!」
「──…『鉄風』。」
───ブジュ……シュルシュルシュル………
「…!な、なんだ……あの、
赤い風…!!!!」




