一章 〜まもってくれるの?〜
「なにすんだよ!!!…たまたま、けんにあたったからいいけど!ビックリした〜…」
「まあまあ、ちゃあんと守ってくれただろ右手が。」
…!
確かに…そうだ。おれビビるのに夢中で……。でも、なんか右手を引っ張られるような感じになって…。それだけは、あの時、覚えてる…。まるで後ろからグイッて…イタズラされる時みたいな…なんか、言いにくいんだけど…ほんとこんな感じ…。しかも、こんな重たい剣なんかいきなり振れない…。謎…、謎しかない…。これが、これが…セカイヤスメのひとつ…?
「どうなってたの…?おれの右手…。」
「それはついさっき、貸したボクの能力の内のひとつ、《我が身可愛さ》だよ。そいつの効果は自動防御。キミに危険が迫ったら勝手に護ってくれる“考える盾”みたいなもん。」
「す…すげぇーー!!!すげぇ…じゃあさじゃあさ!!どんなこうげきでも、はねかえせるの?!!」
「ま、大体は。」
こ、これが超能力…。いや、“ジンツーリキ”…だったっけか…。こ、こんなのがあと5つもあるのか……。“せかいやすめ”…ちゃんとすごい。めっちゃ眠たがりなクセに…。しかも勝手に守ってくれる、って…も、もうこれだけでいいんじゃ……。
「言っとくけど、別に右手だけじゃないよ。キミの身体全体が《我が身可愛さ》の“念力”で強制的に防御反応を取るようにできてる。ま、その剣は持ってたほうがいいかもね…。キミ、生身だし。」
「…そうなんだ…すげぇ…!!ねえねえせかいやすめ!!もっかいうってよ!さっきの!」
「…めんどくさいなあ。ま、いいけど…。─…はい。」
──ボフンっ!!
ボッ!!… ボンッ!!!…
おおおお…ホントだ!!ホントだ…!!!
ホントに身体が勝手にめっちゃ動く…!!!あんなに重い剣を…おれが…おれが…振り回してる…!!なにより、なによりこれ、めっちゃカッコいい!!!おれ、いま!めっちゃ剣士してる!!!
「うわーー!!すげー…!!ほんとにカラダが勝手にうごく…!!!めっちゃおもしろい!!!!すげー!!!」
「楽しそうでヨカったね…、茅蒔クン。」
すげえ…すげえんだけど…“せかいやすめ”は、こんな超能力持ってたのに…“フウイン”されたんだよな…。さっき言ってた…“巫女”。ミコってあの、巫女さんの事を言ってるのかな…?せかいやすめが…簡単に倒されるって……おれ、もしかして、とんでもないことになってるんじゃ…。
「お楽しみのとこ悪いんだけど…そろそろボクは、休憩させてもらうよ?」
「えっ?きゅーけい??」
「そ、無闇に幽気を遣ったからね…。そろそろ休憩。」
─ヒュン…。
うおっ!?なんかまた飛んできた!??!
って、火の玉爆弾じゃない!!?これ、これ…“せかいやすめ”!?!?!?…防御!!!防御しろ!?あれ、動かない…なんで!?!?
「うわ!!!あっつッ!!!!なにすんのさ??!!!…てか…ぼうぎょ…。
…あれ、あつくない…??」
「…キミの幽体と精神を乗っ取った…。これからは…キミの中で過ごさせてもらうよ?…。」
「…えっ?!せかいやすめ…?!!!?なか?!!?えええ!!??」
おれ燃えてる!??めっちゃ燃えてる!!!
…でも、でも…熱くない…
それどころか…なんか、温かいくらいだ……。温泉に入ったような…コタツに入ったときのような…なんか、よくわかんないけど、そんな感じだ…!
…!
火が─せかいやすめが段々…、
小さくなっていく…?中に入るって…どういう……。
「…要領良く…、やれよ…。ま、どうせまた会…えるからさ…ふぁ〜ぁ……。」
「… …せかいやすめ…さん?…ちょっと!?」
「…おやすみ… …茅蒔…。」
え、ねた!!??
物語おわった!!???




