数年後 ― 月と氷の約束
春の光が柔らかく差し込む学園の庭。
桜は以前よりも大きく枝を広げ、花びらがそよ風に舞っている。
ミナは穏やかな表情で、本を手にベンチに腰を下ろした。
「――もう、怖くない」
月形のペンダントは、今でも胸元で静かに光っている。
隣に座るリアムは、少し背が伸び、以前より落ち着いた雰囲気になっていた。
「今日の授業、退屈だったな」
「ふふ、リアムはいつもそうね」
二人は軽く笑い合い、自然に手を重ねる。
氷と月――二人の力は、戦いの中で深く結びついたまま、
日常という穏やかな時間の中に静かに息づいていた。
「そういえば、あの封印の戦いからもう数年か」
「うん。でも、あの時の経験があったから、今の私たちがあるんだね」
ミナは微笑み、ペンダントに手を添える。
リアムは少し照れたように頬を赤らめ、
「……お前と一緒なら、どんな困難も越えられそうだ」
二人の視線が合い、沈黙が心地よく流れる。
遠くの桜の花びらが二人の上に舞い落ち、
まるで母セラが微笑みながら祝福しているかのようだった。
「――これからも、ずっと一緒にいようね」
「……ああ」
握った手の温もりが、静かに未来への誓いとなる。
そして、学園には新たな日常が戻った。
戦いの記憶はあるけれど、
それ以上に、二人が紡ぐ穏やかな時間と笑顔が、世界を満たしていた。
空には優しい月が輝き、
光と影――氷と月の物語は、ここからまた、新しい章を迎えるのだった。
ミナが成長していきました
初の小説を
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