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落ちこぼれ魔法生徒ですが、氷の王子に恋されました  作者: はるさんた


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第13章 運命の扉へ



夜明け前の学園。

東の空がうっすらと白み始めるころ、ミナとリアムは屋上に立っていた。

風は冷たく、遠くで鳥の声が響く。


「……お母さんが言ってた“封印の地”って、どこにあるんだろう」

ミナは小さく呟く。


リアムは懐から一枚の古びた地図を取り出した。

魔法の文様が光を放ち、中央に青い印が浮かび上がる。


「ここだ。“月の泉”――学園の地下に隠された場所だ。」


「……そんな場所が、この学園に?」


リアムは頷く。

「母が、最後に封印を施した場所だ。

 封印が弱まっている今、そこを守らないと世界が崩れる。」


ミナは胸の奥に手を当てる。

母の声が、まだそこに残っている気がした。

“恐れないで、ミナ。あなたの光は、誰かの闇を照らすためにある。”


「リアム、行こう」

その言葉に、リアムの瞳がわずかに揺れた。


「……お前、本当に強くなったな」

「リアムさまのおかげです」

「……やめろ。その呼び方は。」

「え?」

「もう“さま”なんてつけるな。俺は……お前の相棒だろ。」


ミナの頬がほんのり赤く染まる。

けれどその目は、真っすぐリアムを見ていた。


二人は階段を下り、学園の地下へと向かう。

そこは長い間、誰も足を踏み入れていない禁域。

石造りの廊下には古代文字が刻まれ、中央には巨大な扉が聳えていた。


「ここが……封印の扉……?」

ミナが手をかざすと、扉の文様が淡く光る。

まるで彼女を待っていたかのように。


「開くには、二人の魔力が必要だ」

リアムが剣を抜き、刃先を光の紋章に合わせる。

ミナも両手を重ね、母から受け継いだ封印の詠唱を唱え始めた。


「――月よ、我らに道を示せ」


二つの光が重なり、扉がゆっくりと開いていく。

その先には、青白い水面が揺れる“月の泉”。

そして、闇の中心にひとりの影が立っていた。


「やっと来たか……セラの子よ」


低い声が響く。

漆黒のローブに身を包んだ男――“影の継承者”。

かつてセラが封印した、もうひとつの存在。


リアムは前に出て、剣を構える。

「お前が……母の封印を破ったのか。」

「封印など、時間が経てば必ず綻ぶ。

 あとは“鍵”を持つ者――お前たちが来るのを待つだけだった。」


ミナは息をのむ。

その瞳には、確かな悪意と悲しみが混ざっていた。


「リアム……あの人は……」

「わかってる。だが、もう逃げない。」


二人の魔力が高まり、空気が震える。

泉の水が光を帯び、天井の封印紋が反応する。


――運命の戦いが、始まろうとしていた。




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