第10章 母の記憶と二人の決意
翌朝、学園はいつも通りの静けさを取り戻していた。
しかし、ミナの心は落ち着かない。昨夜の戦いで、母・セラの封印に関わる力の一端を実感したからだ。
「……私、もっと強くならなきゃ」
杖を握る手に力が入る。
その時、リアムが現れる。
「また、魔法陣の確認か」
「え、あ……はい……」
「ふん、なら仕方ない。だが、今日は俺も付き合う」
二人は図書室へ向かう。
そこには、母が遺した古い日記が置かれていた。
「……これ、母さまの……?」
「そうだ。読めば、君の力の秘密も少しはわかる」
ミナがページをめくると、そこには母が封印した魔物や、封印の方法、そして王国を守った記録が綴られていた。
「母さま……こんなことまで……」
「君も同じ力を持っている。だから、俺が守る」
リアムの視線は冷たさの奥に温かさを秘めていた。
ページを進めるごとに、ミナの力が少しずつ覚醒していくのを感じる。
「……リアムさま、私、少しわかった気がします」
「……ふん。言ってみろ」
「母さまの封印の力……私も使えるかもしれません」
リアムはわずかに笑みを浮かべる。
「……やるじゃないか、落ちこぼれ」
「な、何ですかその言い方……!」
ミナは思わず顔を赤らめ、目をそらす。
その瞬間、リアムが手を差し伸べた。
「……さあ、試してみろ」
ミナは彼の手を握り返す。
冷たさと温かさが交差するその感触に、胸が高鳴る。
二人は図書室で、母譲りの力を使いながら、互いの信頼を確かめ合った。
封印の秘密、母の過去、そして恋――
全てが交わる中、ミナは決意する。
――私は、母の力を受け継ぎ、リアムと共に未来を守る。
学園の空に沈む夕陽が、二人の影を長く伸ばす。
恋と冒険、母の遺志――全てを胸に、二人の絆は、さらに深まったのだった。




