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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第四楽章 王都オオボケのコーダ

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第99話 宿で迎える朝

『すぅーっ、ぼんっ! すぅーっ、ぼんっ!』


「なんだようるせえな! 何の音だよ!?」


「あ、おはようございます玄司様。今のはこの部屋のアラームです。残り少なくなったマヨネーズの音を忠実に再現していますね」


「アラームだったのかよ! そこまでマヨネーズなの!? 無駄に設定しっかりしてんな!」


「では玄司様、早く準備をして出かけましょう。今日からは王様へのアポ取りを始めますよ」


「え、でもまだ朝食も食ってねえけど……」


「玄司様、言ったじゃないですか。ここの朝食は午前1時から午前4時までです」


「ああそれ本当にそうなんだ!? だからもう夜食なんだよそれは!」


 ええ……。朝食ねえの……? いやあるんだろうけどさ、朝4時までじゃ食えるもんも食えねえよ。もうちょっと時間なんとかならなかったのかよ。追い詰められた受験生ぐらいしかその時間に飯食わねえよ。


「玄司様、準備はできましたか? さあ、王都に出ましょう」


「分かったようるせえな。出りゃいいんだろ出りゃ。しかし腹減ったな……」


「大丈夫ですよ玄司様。王都には屋台がたくさんあります。ホットドッグやポップコーン、チュロスにチキン、刺身なんかが売ってますよ」


「刺身!? そのラインナップに刺身!? 食べ歩けねえだろそんなもん!」


「大丈夫ですよ。ちゃんと醤油皿は別であります」


「じゃあダメだよ両手塞がるから! 何が大丈夫なんだよ!」


「玄司様は刺身だと何が好きですか? 私は馬です」


「普通そういう時は魚言うんだよ! なんで馬刺しなんだよ!」


 屋台があるって言っても、朝からポップコーンだなんだってのはちょっと重いな……。ホットドッグはまあ朝っぽいっちゃ朝っぽいけど。パンとソーセージだし。ならホットドッグの屋台でも探しながら、王城の方に向かうか。


 顔を洗いながらそんなことを考え、着替えてから高橋に声をかける。


「よし、準備できたぞ。行くぞ高橋」


「待ってください玄司様。今麻雀がいいところなんです」


「なんで麻雀やってんだよお前は! ソリティアとリバーシだけにしとけよ!」


「何言ってるんですか玄司様。やってませんよ。中継を見てるだけです」


「ああテレビの話だったの!? 将棋とかは見たことあるけど麻雀中継はなかなかねえな!?」


「負けた人から勝った人にお金を払っていくシステムなので、見てて楽しいんですよね」


「何ちゃんと賭け麻雀やってんだよ! そんなもん見んな! どこのテレビ局がそんなの放送してんだよ!」


「ボケルト国営テレビですよ」


「だから国営がそんなもん放送すんなよ! 倫理的にダメだろ!」


 何なんだよこの国の国営テレビ……。恋愛リアリティショーとかも放送してたよな確か。そんなもんネット配信限定でやれよ。何国民全員に見せようとしてんだよ。


 とりあえず無言でテレビを消し、俺は高橋の耳を引っ張って部屋の外に出た。


 高橋は俺の手から鍵をもぎ取り、部屋に入って再びテレビをつける。


「いや何やってんのお前!? 今外に出る流れだっただろ!」

 

「そんなこと言われても困りますよ。今いいところだったんですから」


「いや知らねえって! お前まじ話が進まねえからちゃんとしてもらえる!?」


「ちゃんと私はボケとしての役割を果たしてるじゃないですか」


「それはそうなんだけどさ! ボケながら進まなきゃ意味ねえんだよ! お前何部屋に戻ってんだよ! 永遠に話進まねえだろ!」


「ですが玄司様、このまま王都に出るには尺が足りませんよ?」


「お前がダラダラしてるからだろ! 何話の半分以上使って麻雀中継見てんだよ!」


「何言ってるんですか玄司様。昨日の夜から見てましたよ」


「俺が寝た後から!? そんなもんずっと見てたのお前!?」


 本当に何やってんだよ……。いや予定ではこの話の後半で王都に出るはずだったのに、高橋がダラダラしてるせいで全然まだ出られてねえじゃねえか。俺が予定とか言っちゃいけねえんだけどさ。でも俺もドアを半分開けて部屋の中にツッコミ入れてる状態だし。

 なんでこんな中途半端な状態で止まってなきゃいけねえんだよ。もっとあっただろ進め方。


「お前ちょっともう行くぞ! いつまでも宿にいられねえだろ!」


「ちょっと待ってください。この麻雀中継の後に麻雀特番があるんですよ」


「知らねえよ! なんでお前そんなに麻雀見たいの!?」


「だって麻雀は心のドアノブですよ?」


「オアシスじゃなく!? なんだ心のドアノブって! いやオアシスでもおかしいけども!」


「麻雀によって、私の心の扉は開かれるのです」


「なんだそのギャンブル狂の扉は! ちょ、お前もういいだろ! 行くぞ!」


「そんな急がなくてもいいじゃないですか。急いだっていいことは何もありませんよ?」


「お前だろ急がせたの! 俺はもうちょっとゆっくり寝てたかったぞ!?」


「ならもうちょっと寝てたらいいじゃないですか。私はここでブラックジャック中継見てるので」


「麻雀って聞いてたけど!?」


 俺はもう1度テレビを消し、高橋の耳を引っ張って今度こそ外に出た。なんでこんなに外に出るのに時間かかるんだよ……。

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