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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第四楽章 王都オオボケのコーダ

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第91話 王都オオボケ

「ここが……王都……」


 ズッコケ山を越えて辿り着いた王都の門は、どう見てもテーマパークの入口だった。


 手荷物検査を待つ長蛇の列ができており、たまにペットボトルやマヨネーズ容器を持ち込んで没収されているやつもいる。


「いやなんで? なんでこんな感じなの王都?」


「だって玄司様、ペットボトルとか持ち込まれたら、パーク内の飲みものが売れないじゃないですか」


「もうパークって言っちゃったよ! 何王都ってテーマパークなの!?」


「テーマパークではありませんが、テーマシティです」


「聞いたことねえワード! なんだテーマシティって!」


 先にフンシツの馬車が手荷物検査を通過し、俺たちの番もやってくる。俺は特に何も持ちものが無かったからすぐに通過したが、高橋は大量のマヨネーズ容器を没収されていた。何やってんだよ。まだあったのかよマヨネーズ。こいつの荷物全部それじゃねえか。


 手荷物検査から出て来た高橋は、しょんぼりとした様子でこちらに歩いて来る。


「最悪です……。人生ゲーム没収されました……」


「ああそれも没収されたのな!? ていうかまだ持ってたんだ!?」


「そりゃ持ってますよ。玄司様がいないところで、ウマシカやカリヤド、フンシツと一緒にやってたんですからね」


「なんで俺混ぜてもらえなかったの!? え、今まで一緒に旅してきたよな!?」


「そりゃだって、玄司様の説明欄に『混ぜるな危険』って書いてあったじゃないですか」


「洗剤か俺は! 絶対俺よりお前らの方が混ぜたら危険だろ!」


 俺たちが入場ゲートの前で言い合っていると、スタッフみたいなやつに早く入場ゲートへ行くよう促される。まじなんでこんなテーマパークみたいなんだよ。王都だろ? いや確かに危険物とか持ち込まれないためには効率的かもしれないけどさ、異世界感がねえんだよ。今までも無かったけども。


 入場ゲートを抜けると、フンシツがこちらに近づいて来た。


「救世主様、高橋、ここまで助けてくれてありがとう新小岩! ここからはもう大丈夫だ新小岩! 本当に助かった新小岩!」


「いえいえ、いいんですよ。利子つけて恩を返してもらえれば」


「クソみたいなセリフ! 何ちょっと多めに恩返してもらおうとしてんだよ!」


「もちろん利子は付ける新小岩! 50パーセントでいいか新小岩?」


「闇金じゃねえか! そんなえげつねえ利子付けねえよ!」


「そうですよフンシツ。私たちは善意であなたを助けたのです。お礼なんて100兆円だけでいいですよ」


「取りすぎだろ! 国家予算か!」


「ひ、100兆円ね新小岩……。わ、分かった新小岩」


「分かるなよ! 断れよ! お前一生かかっても返せねえだろ!?」


 とりあえずフンシツとはここで別れ、青ざめた顔のフンシツを見送ってから、俺たちは改めて王都に踏み出した。ウマシカは物珍しいのか、かなりはしゃいでいる。


「いやあ、それにしても王都すごいっすね! 見たことも無いようなものがいっぱいあるっす!」


「そうか? なんかコボケ町とかより発展してない感じするけど」


「玄司様、前にも言いましたが、王都オオボケの主な移動手段は竹馬。主な娯楽はベーゴマとメンコです」


「なんでそんなレトロなの!? 王都なんだよね!?」


「ボケルト王国初のジェットコースターがあるのも王都の特徴なんですが、それはまああまり娯楽としては稼働していませんね」


「なんでジェットコースター差し置いてベーゴマとメンコが幅利かせてるんだよ! ジェットコースターが可哀想だろ!」


「あと観覧車とかメリーゴーランド、水蜘蛛なんかもありますが、それらもあまり稼働していませんね」


「なんか最後だけ忍者の里みたいなの無かった!?」


 まあでもこんな入場ゲートでくっちゃべってても仕方ない。とりあえず、この王都で拠点になる宿を探さないとな。

 高橋は何回も王都に来てるみたいだから、行きつけの宿とかあるんだろうか。


「なあ高橋、お前王都の宿とか知ってんのか?」


「ああ、もちろんですよ。知りません」


「知ってる感じで言うなよ! 何お前普段どこに泊まってんの!?」


「基本的に私は無理やり人の家に上がり込んで、そこでしばらく居候ですね」


「怖すぎるだろ! そんな基本あるんだ!? お前ちゃんと宿泊まれよ! どうせホテルとかあるんだろ!?」


「ホテルなんか無いですよ。王都では古びれた宿屋ぐらいしか泊まるところはありません」


「なんで王都これまでの村とか町より発展してねえの!? コボケ町ですらホテルあったよね!?」


 入場ゲートの前で騒いでいると、ようやくゲートを通り抜けたウマシカがこちらにやって来る。そういやこいつの存在忘れてたな。どうすんだろうこいつ。


「救世主様、高橋、俺っちはここでお別れっす! しっかり王都にいる人たちを、ズッコケ山のゲームセンターに連れて行くっすからね!」


「お前仕事には無駄に真面目なんだな……。そうか、でもウマシカもここでお別れか。世話になったな」


「とんでもないっすよ! 俺っちもあの天蓋付きのベッドで寝られて幸せだったっす! カリヤド、本当にありがとうっす!」


「ああうん……まあ俺たちよりカリヤドに感謝だよなお前の場合は。俺たちお前の背中に乗ってただけだもんな」


「そんなことないっすよ! 高橋は人生ゲームと神経衰弱で遊んでくれたっすからね!」


「おい神経衰弱は初耳だぞ! なんでお前ら俺を除け者にすんの!?」


「え、だって救世主様の取り扱い説明書には『混ぜるな鼻炎』って書いてあったじゃないっすか」


「危険じゃなく!? 俺鼻炎と混ぜられたらなんか起きんの!?」


「玄司様を鼻炎と混ぜたら大爆発しますよ。気をつけてくださいね」


「衝撃の事実なんだけども!? 俺の体そんなことになってんの!?」


 結局そのままウマシカと別れた俺たちは、改めて王都で宿を探すことにした。

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