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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第三楽章 ズッコケ山のクレシェンド

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第86話 ずぶ濡れの宿

 簡易宿に入ると、慌てた様子でカリヤドが近づいて来る。


「兄ちゃんら、大丈夫やったか!? なんや山麓に襲われたって聞いたけど!」


「山麓には襲われてねえよ! なんで山の麓が襲って来るんだよ! 怖すぎるわ!」


「そうですよカリヤド。私たちが襲われたのは、単独です」


「確かに単独ではあったけども! 山賊だよ山賊! なんでお前ら山賊って言葉がスっと出て来ねえの!?」


「山賊って言うとあれですよね、山の麓ですよね」


「それは山麓だって! それ1回やっただろ直近で! なんでそんなすぐ繰り返すんだよ!」


「ではいきますね。リピートアフターミー、山麓」


「山麓……いやだからなんで繰り返すんだよ! 無駄なやり取り挟むなお前は!」


 なんで山賊に襲われたっていう1文を説明するのにこんなに時間かかるんだよ。バカの集まりじゃねえか。まあまあ大変だったんだぞ。

 ……いやそうでもねえか。同じセリフを繰り返すだけの山賊を、高橋が耳に息を吹きかけることで追っ払っただけだもんな。結果的にはそうなんだけど、なんかそれだけ聞くと大したこと無さそうで嫌だなあ……。

 

「まあ山賊でもチーターの群れでも、襲われたもんはなんでもええんや」


「なんでチーターの群れに襲われなきゃいけねえんだよ! チーター大体単独で狩りするだろ!」


「そうですよ。群れで狩りをするのは猟友会です」


「猟友会のこと群れって言うな! 動物とかで言えよお前!」


「いやまあやから、そこはどうでもええねん。ほんで兄ちゃんら、なんか奪われたもんとか無かったんか? 純潔とか」


「なんで俺処女なんだよ! 男しかいねえから大丈夫だよ純潔は!」


「純潔ってあれですよね、準々決勝のことですよね」


「せめて準決勝と間違えろよ! 準決でも漢字違うんだから! なんで2段階飛ばしちゃうのお前!?」


 カリヤドは言葉とは裏腹に、俺たちをかなり心配してくれているようだ。ちょこちょこと俺たちの周りを動き回り、異常が無いか確認している。いや、でも襲われたのは俺たちじゃなくてフンシツなんだよな……。


 その時ちょうど、ずぶ濡れのフンシツが簡易宿に入って来た。


「いやあ、大変だった新小岩! まさかズッコケ山に山賊が現れるなんて、思ってもみなかった新小岩!」


「そうなんや。ほなとりあえずゆっくりしときや」


「なんでフンシツにはあっさりしてんの!? 襲われたのこいつよ!?」


「いや、なんやよう分からんやんかこのフンシツ。語尾新小岩やし」


「お前もそこには違和感覚えてたのな!? ボケルト人でもそういう感覚はあるんだ!?」


 とりあえずカリヤドが全員に配ってくれたタオルで体を拭きながら、さっきの山賊について考える。


 フンシツはズッコケ山に山賊が出るなんて思わなかったって言ってたよな。てことは、ズッコケ山は普段は平和な山なのか? まあハイキングコースになってるぐらいだし、平和なんだろうな。


 ……よく考えたらあの山賊、ハイキングコースに出たのか。バカだなあ、もっと道が整備されてない山で活動してりゃいいのに。確かに整備されたハイキングコースに山賊が立ってるのめっちゃシュールだったわ。


「玄司様、また考えごとですか? いい加減ウインナーとソーセージの違いについて考えるのも疲れたんじゃないですか?」


「そんなこと考えてねえわ! それ第1章の序盤で出てきたやつだろ! まだそのネタ引きずってんのお前!?」


「それで私、思いついたんですよ。ソーセージとウインナーの違いについて知るには、このスマートフォンで検索すればいいんじゃないかと」


「早く気づけよ気になってたんなら! 何ずっとそのスマホでソリティアしてんの!?」


「このスマートフォン、音声検索ができるんですよ。やってみますね。すみません、大変恐縮なのですが、ウインナーとソーセージの違いについて教えていただけますでしょうか」


「丁寧な聞き方! オッケーなんちゃらとかじゃねえんだ!」


『ソーセージはひき肉に調味などをして、腸などのケーシングに詰めたものの総称で、ウインナーは、正式名称がウインナーソーセージで、ソーセージの内の一種であり、羊の腸や直径20mm未満のケーシングに詰めて、加熱したものなんだゲートウェイ!』


「おいこれ音声オトボケ村にいたオンセンの声じゃねえか! 最後ゲートウェイって言ってたから確実にそうだろ!」


「ですって玄司様。良かったですね。違いが知れてまたひとつ賢くなりましたね」


「うるせえわ! 今どうでもいいんだよそんなこと! それよりフンシツ、ズッコケ山に山賊が出たことに驚いてたよな。ズッコケ山には山賊は出ないって聞いてたのか?」


「そうなんだ新小岩。ズッコケ山は観光地で、ショッピングモールやゲームセンターがある場所だから、治安は良いって聞いてた新小岩。だから僕も、王都オオボケに行くのに初めてこのルートを使ったんだ新小岩」


「ん? お前商人だよな? 今までどうやって王都に行ってたんだ?」


「それはもちろん、グライダーを使って空路で行ってた新小岩」


「高橋と同じじゃねえか! 何この国って空路がポピュラーなの!?」


「ポピュラーと言うか、ノーマルですね」


「じゃあ陸路アブノーマルなんだ! 珍しいなそれ!」


 でも、やっぱり山賊が出るのは予想外なんだな……。もしかしたらあの山賊、何か事情があってこの山で山賊をやってたのかもしれない。今度現れたら、ちゃんと対策した上で話を聞いてみるのもアリかもな。

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