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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第三楽章 ズッコケ山のクレシェンド

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第77話 小さな事件

「んん〜、今日もよく寝たな」


「そうですね玄司様。私は玄司様が突然ロースハムになる夢を見ましたよ」


「起き抜けに人をロースハムにすんな! どんな経緯でそんな夢見たんだよ!」


「まず私は学校で文化祭の準備をしてたんですが……」


「その入りで俺がロースハムになる結末ある!? そんなエモい夢になんでロースハム出て来るんだよ!」


「いや、あれですよ。クラスの出しものが玄司様のロースハムへの変身だったんです」


「クソみたいな出しもの! 何のエモさも無かったわ!」


「そこにあるのはエモさじゃなくてハムさ、ってことですね?」


「やかましいわ! お前あと3時間ぐらい黙ってろよ!」


 なんちゅう夢を見てんだこいつは……。しかしこの簡易宿、相変わらず見た目はボウリング場だけどしっかり眠れるからいいな。カリヤドには本当に感謝だ。


 ウマシカはもう起きているようで、外で朝食の虫を探している。ちゃんと食うもんはウシガエルなんだな。ほんとなんで純ウシガエルなのに馬と鹿のハーフみたいな見た目してんのか不思議だわ。


「おはようだ新小岩! 今日もいいハイキング日和新小岩ね! 王都に向かって一直線新小岩!」


「うるせえよお前! 新小岩新小岩言うせいで王都行きたいのか新小岩行きたいのか分かんねえんだよ!」


「それはもちろん、新小岩経由王都行きだ新小岩!」


「なんで1回新小岩行くのに世界渡らなきゃいけねえんだよ! あとわざわざ世界渡った先で行く場所が新小岩なの!?」


「玄司様、新小岩をバカにしちゃいけませんよ。新小岩にはうなぎの名店や老舗和菓子屋があるんですからね」


「なんでお前は新小岩に詳しいんだよ! 俺も知らねえわそんなこと!」


「救世主様、新小岩はしめ鯖も有名っすよ! 色んな食べものがあっていいっすよね!」


「ウマシカまで知ってんのかよ! 俺が1番新小岩ニワカだったわ!」


「いやー、まさに新小岩〜って感じ新小岩ね!」


「何が『まさに』なんだよ! 新小岩に感情の意味はねえだろ!」


 新小岩新小岩やかましいが、フンシツも実はカリヤドの簡易宿サブスク登録者だったらしく、俺たちは一緒に簡易宿に泊まっていた。フンシツと高橋は明かりを消してからもずっと新小岩の好きなところについて話していて、俺はたまたま持参していたヘッドホンを付けて寝ることになった。

 日本にいる時はどこでも音楽を聞けるようにヘッドホンは持ち歩いてたんだけど、そんなところまで神様が再現してくれてたんだな。持ちものがちゃんと前世通りなのはありがたい。まさか新小岩談義を遮断するために使うとは思わなかったけどな。


 簡易宿から外に出ると、ピカピカの晴れ。元々この辺は雨が降らないんだもんな。俺がツッコミを入れる入れないに関わらず、単純に雲よりも上にあるからとかそんな理由だったはずだ。


「ん……? なんだあれ?」


 伸びをしながら景色を見ていると、簡易宿から少し離れた大きな岩の傍に、何かが置いてあるのを見つけた。


 近づいて見てみると、またしても空のマヨネーズ容器。うーん……。やっぱり誰かが俺たちを着けてるみたいだな。野宿してる時からマヨネーズ容器はちょくちょく置いてあったけど、嫌がらせとしか思えない。


「どうしたんですか玄司様、ウシガエルから馬と鹿のハーフが生まれたのを見たみたいな顔して」


「それは見たわ! 見たけどもう慣れたわ! どんな顔なんだよそれは! いやお前、いいからこれ見てみろよ」


「おお、これは立派な岩ですね! 漬物石にちょうど良さそうですね」


「そっちじゃねえよバカ! どんな量漬物作るつもりなんだよ!」


「そりゃもう、1年分は漬けておきたいですよね。毎日食べますから」


「お前毎日漬物食うの!? 京都人か! いや違うよバカ。そんなことはいいんだよ。そこにマヨネーズの容器あるだろ?」


「ああ、確かにありますね。これがどうかしたんですか?」


「勘悪いなお前! 野宿してた時もこうやってマヨネーズの容器置いてあっただろ?」


「ああ、あの離婚歴がすごい人の仕業ですよね」


「その情報忘れてたわ! いやそんなことはいいんだけど、これ嫌がらせじゃねえか?」


「嫌がらせと言うとあれですよね、北海道の空港ですよね」


「それは新千歳だろ! 『せ』しか合ってねえじゃねえか!」


 呑気だな相変わらず……。新千歳とか新小岩とか言ってる場合じゃねえんだよ。新新うるせえよ。福岡のラーメン屋か。


 しかしこのマヨネーズ容器……。何が目的で俺たちの近くに置いてあるんだ?

 色んな可能性が考えられるが、俺は今まで救世主として持て囃されてきた。そんな俺を良く思わないやつがいるのは、別に不思議なことじゃない。単純に嫌がらせとして、無視しておくべきか……。


「はー上手かったっす! やっぱり朝飯はカメムシに限るっすね!」


「すぐ歯磨きしろ! 頼むから今すぐ! いやそれよりウマシカ、このマヨネーズ容器どう思う?」


「え? ただのマヨネーズ容器じゃないっすか。これがどうかしたんすか?」


「ああ、お前は寝てたからあんまりこれについて知らねえのか。いや俺たちが野宿してた時から、何者かが空のマヨネーズ容器を置いていくんだよ。嫌がらせとかじゃねえかな?」


「気にしすぎっすよそんなの。気になるんだったら俺っちが食べておくっすよ」


「いやお前、これマヨネーズじゃねえぞ!? 容器だぞ!?」


「大丈夫っすよ丸呑みすれば。消化はできないっすけどね」


「じゃあダメだわ! 無理すんなよそんなしょうもないことで!」


 気にすんなって言われてもなあ……。明らかに誰かが意図的に置いたものだし、俺は気になるんだよな。なんとか犯人を特定しておきたいところだな……。

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