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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第三楽章 ズッコケ山のクレシェンド

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第69話 仮宿

「なあヤドカリ、お前の簡易宿ってのを見せてくれよ」


「もちろんでっせ! でもな兄ちゃん、ワシの名前やヤドカリやない。ヤドカリは種の名前であって、ワシ自身を表す言葉ではないっちゅうことやな。兄ちゃんも自分のこと『おいクルマエビ』って言われたらちょっと嫌やろ?」


「俺クルマエビじゃねえよ! なんかオトボケ村でクルマエビ扱いされたことはあったけども! 人間だから人間!」


「まあそれはええねや。とりあえずワシにも名乗らしてくれや。ワシは簡易宿のオーナー、カリヤドや!」


「ほぼヤドカリじゃねえか! 人間に『間人』って名前付けてんのと一緒だろ!」


「このカリヤド、1回受け入れたお客さんは大事に大事に扱いまっせ! でもフランクには接するから、あんま緊張せんでな。ワシのことは気軽にヤドカリって呼んでくれたらええわ」


「ヤドカリがターンして戻って来た! 結局呼び方ヤドカリならなんで名乗ったんだよ!」


「そら自分、カリヤドっちゅう名前があんの分かっててヤドカリって呼ぶんと、種の名前としてヤドカリって呼ぶんとでは全然意味がちゃうやろ」


「見え方は一緒なんだよ! 結果的にお前種の名前で呼ばれてるけどいいの!?」


「玄司様、私も種の名前で呼んで欲しいです。ミノカサゴの仲間で『ミノカサゴモドキ』なんですけど」


「お前ミノカサゴモドキって種なの!? アユモドキみたいな!? じゃあお前ミノカサゴの仲間じゃねえよ!」


「え、そうなんですか? 私ずっとミノカサゴの又従兄弟だと思ってました」


「まあまあ遠いじゃねえか! お前いいから黙ってろよ!」


 ヤドカリのカリヤド……ややこしいな、もうカリヤドでいいや。で、カリヤドは、俺が高橋と話している間にせっせと簡易宿を準備している。最初はテントみたいなのかと思ったけど、思ったより立派だな。これはテントっていうよりゲルに近いのか? だとしたらかなりいい宿に泊まれることになるぞ。


「玄司様、かなり期待が膨らみますね。ジャグジーとかありますかね」


「期待しすぎだよ! この形でジャグジーあったらめちゃくちゃすげえぞ!?」


「ですが玄司様、以前私が泊まったホテルにはジャグジーがありましたよ」


「そりゃホテルだからな! でもボケルト王国にもジャグジー付きのホテルとかあるんだな。どこで泊まったんだ?」


「お台場です」


「日本じゃねえか! 何お前普通に日本まで来てんの!?」


「なんでしたっけあの有名な橋、アランポーブリッジでしたっけ、あれがすごかったです」


「レインボーブリッジだろ! なんだその推理小説書きそうな橋は!?」


「推理小説ってなんすか? 塩振ったら美味いんすか?」


「なんでも塩振ろうとすんなよ! ウマシカはウマシカで塩ラーなのな!?」


 俺たちが話している中で作業をしていたカリヤドは、どうやら設営を終えたようで、満足そうな顔で戻って来た。


「兄ちゃんら! できたで! ほらほら、早速中入ってみい!」


「おお、やっぱゲルみたいな感じだな。こんなところで寝られるならありがてえわ」


「カリヤド、この中にはジャグジーがありますか?」


「だからねえって! 贅沢しすぎだろお前!」


「ジャグジーは無いけど電気風呂とかご飯食べるとこ、あと髪切るとこもあるで」


「スーパー銭湯か! なんでそんな余計なもんばっかあるんだよ!」


「それでそれで、俺っちが寝るところはあるんすか? 俺っち一応馬と鹿のハーフなんで、人間が寝るところじゃ寝られないんすよ」


「もちろん用意してあるで。ほら、泥沼や」


「ウシガエル寄りの寝床! わざわざ馬と鹿のハーフって説明したのに!」


「おお! これはすごいっすね! 俺っちが求める寝床の中で1番っす!」


「お前もそれでいいのかよ! じゃあお前はもうただのウシガエルだよ!」


 なんで喜んでんだよこいつは……。しかもこんなゲルの中に泥沼とか用意したら、俺たちが寝るスペースにまで侵食してきそうじゃねえか。余計なことしてんなあ。


 まあでも、外で寝るよりは100倍マシだ。ありがたく寝床として使わせてもらおう。


「それでカリヤド、聞きたいことが……」


「分かっとる分かっとる! 気になるのはお値段やろ?」


「テレビショッピングの言い方なのが気になるけど、まあそうだよ。なんか関西弁のお前がこんな立派な宿とか出してきたら、めちゃくちゃ高そうで怖いんだけど」


「いやいや何言うてんねん兄ちゃん! ワシがそんなこすい商売するわけあらへんやろ! 1ヶ月3000円や!」


「サブスクなんだ! え、3000円払えばお前1ヶ月着いてきてくれんの!?」


「ああ、ワシ自身は旅の仲間に入るとかそういうわけやないで。ただ兄ちゃんらが寝る時になったら現れて、この宿を設営するだけや。自分ら以外にも商売せな成り立たへんからな」


「いやだとしても成り立ってねえと思うぞ!? まあでも、ずっとこの宿があるならありがてえな……。じゃあお願いするか」


「玄司様、私玄司様の財布からこの間全部お金を出してソリティアに課金したので、今私たちは無一文です」


「何やってんだお前この野郎! バカすぎるだろ! なんでそんなことしたの!?」


 まじ何やってんだよこいつ……。せっかく宿に泊まれると思ったのに……。

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