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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第三楽章 ズッコケ山のクレシェンド

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第68話 予想外の出会い

「なんでヤドカリがこんな山の中に……?」


「玄司様、ボケルト王国ではヤドカリは海にいますよ」


「地球でもそうだわ! その流れで山にいますって言わねえことあんの!?」


「そりゃヤドカリが山にいるわけないじゃないですか。何言ってるんですか」


「俺の常識でもそうだけども! 異世界だから違うのかなと思ったんだよ! お前だって自分のこと魚類って言ってたじゃねえか!」


「はい。私は魚類です。リピートアフターミー、私は魚類です」


「私は魚類です。……なんで俺も言わなきゃいけねえんだよ! 俺魚類じゃねえし!」


「はい玄司様魚類って言ったー。今日から魚類ー」


「小学生か! しょうもねえことすんな!」


「玄司様、私は小学校から幼稚園に戻され、そこから更に産婦人科に戻されていますよ」


「ああそうだったな! お前が小学生以下なの忘れてたわ!」


 クソみたいなやり取りだなおい。なんでこいつが話に入って来ると全然進まなくなるんだよ。話数が増えてんのこいつのせいじゃねえの?


 いやそんなことはいいんだよ。あれが本当にヤドカリなのか、確かめに行かないと。


「高橋、俺ちょっとあのヤドカリ見てくるわ」


「やめておいた方がいいですよ玄司様。ボケルト王国にはヤドカリに酷似した見た目を持ちながら、人の生命力を食いものにする悪魔がいると言われてたら恐ろしかったですね」


「言われてねえのかよ! じゃああれただのヤドカリだよ! 見てくるからそこで大人しく待ってろ!」


「分かりました。ところで大人しくってどうすればいいんでしょう? サンバとルンバを同時に踊るとかですかね?」


「とりあえず黙っててもらえる!?」


 俺はウマシカの背中から降りて、ヤドカリに近づいていく。小さなヤドカリだから、警戒させないようにそーっとそーっと……。あれ、気づかれたか? こっちをじっと見つめてるぞ。このままだと逃げられちゃうんじゃないか?


 そう思った矢先、ヤドカリは逃げるどころか俺の方により近付いて来た。


「いやあー! 商売繁盛でっせ! お客さん、どうせ泊まるとこあらへんねやろ。ワシの簡易宿泊まっていきーや!」


「コッテコテだった! なんだお前のキャラ! 1番クセ強いじゃねえか!」


「玄司様、個人的にはオトボケ村の教師シジボウの一人称がコインランドリーだった方がクセ強いです」


「知らねえよ! お前黙ってろって言ったろ! しばらく喋んな!」


「しばらくと言うのはどのくらいの期間を指すのでしょう? 人によってしばらくの長さは変わると思います。玄司様的にはどのくらいですか? 1秒ですか? 2秒ですか? それとも2.1秒ですか?」


「誤差だよそんな秒数! しばらく黙ってろって言ってんだからこっちが良いって言うまで口開くなバカ!」


「ですが口を開かないということは、私が喋ることができないということですよ?」


「そうしろっつってんだよ! さっさと口閉じろお前は!」


 高橋がうるせえから、このヤドカリの登場シーンのインパクトが薄れるじゃねえか。何こいつ初登場キャラの見せ場潰してんだよ。出ずっぱりなんだからちょっとは花持たせろよ。


「えらい元気でおまんなあ。このハイキングコースでそないに元気な兄ちゃん初めて見ましたわ。ほんでどや、うちの簡易宿に泊まるっちゅう話は」


「簡易宿って……。お前まさか宿屋なのか?」


「せやで兄ちゃん! ワシは移動式の宿屋をやっとるもんや! いつでも誰でも泊まれるように、ワシはずっとこのハイキングコースを二足歩行で歩いとるんや!」


「なんで二足歩行なんだよ! ヤドカリの特性めちゃくちゃ無駄にしてんじゃねえか! 効率悪いだろ!」


「せやけど兄ちゃん、二足歩行って憧れるやんか。ヤドカリと宿屋の二足のわらじ、それを表しとるんがワシの二足歩行や」


「拘りがよく分かんねえよ! 上手いようで上手くねえし!」


「呼んだっすか救世主様。俺っちも馬っすよ」


「お前は馬じゃなくて馬鹿だろ! あと純ウシガエルだろお前は! ややこしいんだよ!」


「ですが玄司様、ウシガエルから馬と鹿のハーフが生まれるというのは、非常に稀なことです。ウマシカは今ゲームセンターで働いていますが、本来ならもっと研究されるべき生物です。そんな生物と旅をできている玄司様は、とても貴重な体験をしているのですよ。素晴らしいことです。とりあえず王都に着いたら動物園にでも売っぱらって一儲けしましょう」


「長尺のセリフ喋って最後最低なのかよ! 途中まで珍しくウマシカのこと褒めてると思ったのに!」


「しかも玄司様聞いてくださいよ。ウマシカの生物学的価値は、ウシガエルから馬と鹿のハーフが生まれたことだけじゃないんです。なんとウマシカは、目玉焼きに塩をかけるという特徴を持っているんです!」


「大袈裟に言うなそんなこと! ただの食の好みじゃねえか! 普通だわそれ!」


「え、ボケルト王国では目玉焼きに塩をかけるなんて普通じゃないですよ。マヨネーズに目玉焼きを乗せるのが一般的です」


「なんでマヨネーズがメインなんだよ! マヨ盛った後に目玉焼き乗せてんの!?」


「そうですよ。マヨネーズのボトルをたくさんお皿に乗せて、その上に目玉焼きを」


「なんでマヨ未開封なんだよ! え、何ボトルごと食うの!? せめて食うのは中身であれよ!」


「玄司様、本物のマヨラーというのは、ボトルでさえ食すのです」


「それはもうマヨラーでもねえよ! ボトラーだよ!」


「ボトラーとは何ですか?」


「俺だって知らねえよ! 今ノリで生み出した言葉にいちいち反応すんな!」


 こいつ黙ってろって言ったのに……。いやそんなことはまじでどうでもいいんだよ。何がマヨネーズに目玉焼き乗せるだよ。本当に心の底からどうでもいいわ。


 それより、このヤドカリに頼めば宿に泊まれるっていうのは本当なのか? せっかくだしどんな宿か見せてもらおう。

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