表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第一楽章 オトボケ村のプレリュード

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/110

第18話 ラクダの物言い

 青い柿を投げ合うフタコブとオンセン。なんで突然喧嘩なんか始めちゃったんだよ。さっきまでほとんど関わり無かっただろうに。


「おいどうしたんだよお前ら、急に喧嘩なんか始めて」


「救世主様、聞いてゲートウェイ! このラクダ野郎が靴下はくるぶし丈派だって言い張るんだゲートウェイ!」


「ボクはくるぶし丈派だよ。でもこのサル野郎は違うって言うんだ。ショートソックス派らしいよ」


「どうでもいいわそんなこと! ほぼ誤差じゃねえか! 好きなの履けよ!」


「玄司様、私はニーハイソックス派です」


「知らねえよ気持ち悪いな! 何お前ミニスカートとか履くの!?」


「いえ、ホットパンツがメインですね」


「どっちにしろ気持ち悪いだろ! お前自分の見た目が鬼なこと自覚してる!?」


 なんか喧嘩の内容めちゃくちゃどうでも良かったんだが。これはどう仲裁に入ればいいんだ? なんでこんなくだらないことで悩まなきゃいけないんだよ。もうちょっとシリアス展開であれよ。


「救世主様、もう1つあるんだゲートウェイ。このラクダ野郎は、今のままだとオイラの温泉事業は上手くいかないって言うんだゲートウェイ!」


「なんでそんなこと言うんだよフタコブ。オンセンは頑張ってるだろ?」


「でも、ボクはこのままじゃダメだと思うんだ。ただの温泉事業ならありふれてるし、もう1歩踏み込んだ戦略が必要だと思うんだよ」


「なんでお前がそんな経営的な話してんの!? お前ただのマヨラーのラクダだろ!?」


「一応ボクはボケルト大学の経営学部を出てるからね」


「大卒なのお前!? 高橋は小学校から幼稚園に戻されたのに!?」


「玄司様、私は幼稚園からも呆れられて産婦人科に戻されてますよ」


「もうどこだったら入れるんだよお前! 生まれたての状態から進化してねえの!?」


 どうでもいい高橋のプロフィールが、どうでもいい割に衝撃的だな。いや別にどうでもいいんだけど、無駄にインパクトある内容をぶち込んでくるの本当にやめて欲しいぞ。なんか今回俺どうでもいいしか言ってなくね?


「それでフタコブ、オンセンの事業はなんで上手くいかないと思うんだ?」


「温泉っていうのはその周辺に住む人たちからの支持で成り立つもの。つまり、どれだけ愛されるかが大事なんだ。今のところこのオンセンは、人に隠れて温泉の研究をしてる。ということは、どれだけ頑張っててもその姿を誰も見てないんだよ。もっとオンセン自身が村人から愛されないとね。例えば『オイラを愛さなければ死ぬ』とか言って回るとかね」


「なんでそこまで分析した上で愛される方法がメンヘラなんだよ! 勉強だけして愛されなかったタイプの人!?」


「玄司様、フタコブはラクダです」


「分かってるわ! 分かった上でそう言ってんだよ! なんでお前例えが伝わらねえの!?」


 高橋が余計なこと言ってるからちょっとずつ話が逸れるな。あんまり例えとか言わないようにした方がいいのか? いやそれだとツッコミの質が落ちるしな……。

 いやなんで俺はツッコミの質のこと考えてるんだよ。生き返るために仕方なくやらされてるんだけどこれ。


「まあでも、フタコブの言うことは確かにそうかもな。まずオンセン自身が村人からどれだけ愛されるか、それで温泉が上手くいくか決まるのかもしれない」


「でもオイラ、どうやったらみんなに好きになってもらえるのか分からないゲートウェイ……。催眠術とか勉強したらいいのかゲートウェイ?」


「なんでお前ら全員強引に愛させる方法しか知らねえの!? 何実はヴィランだったりする!?」


「玄司様、私はヴィランではなく異端です」


「分かってるわうるせえな! 異端な自覚あったのかよ!」


「ボクはオンセンの事業に文句を言いたいわけじゃないんだ。ケチを付けたいんだよ」


「もっとダメだわ! 嫌なやつだなお前!?」


「とりあえずもっと温泉事業について学ばないとダメだゲートウェイ。そういうことを教えてくれる人がいたらいいんだゲートウェイけどねえ……」


「ゲートウェイのせいで聞き取りずれえな!」


 そんなことを言っていると、雨が止んで空に虹が出て来た。ついでに生き返りゲージを確認すると、9パーセントまで溜まっている。お、10パーセントが見えてきたな。いいぞいいぞ。


 まあそれは置いといて、確かにオンセンの事業を成功させるには勉強が必要だ。そういうの教えてくれる人ってこの村にいるのか……?


「玄司様、私に瞼当たりがあります」


「心当たりじゃなくて!? お前目に感情があるタイプ!?」


「目には無いですが、瞼にはあるんです」


「分かったよ細けえな! で、その心当たりは誰なんだよ」


「玄司様、瞼当たりです」


「うるせえよさっさと言え!」


 高橋は太陽の下に颯爽と歩いて行き、ちょうど虹の真ん中当たりでこちらを振り返った。無駄に仰々しいし天気のせいで神々しいな。まあ見た目がバケモノだからミスマッチ感がすごいんだけど。


「このオトボケ村には、あらゆる学問に精通する教師がいると言われています。その教師なら、経営学にも明るいのではないでしょうか? ちなみに私はヘアセットに明るいです」


「最後の情報要らねえけど、そんな教師がいるのか。ならそいつに会いに行ってみるか?」


「それはありがたいゲートウェイ! 経営学を教えてくれるよう頼んでみるゲートウェイ!」


「センターパートにセットする時は1度マッシュに7割乾かしてから、立ち上げたい部分をダッカールで固定して形を作ると上手くいきますよ」


「知らねえよお前髪ねえじゃねえか! とにかくその教師のとこ行くぞ!」


 くっきりと浮かぶ虹の下を通り、俺たちは高橋の言う教師のところへ歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ