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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第一楽章 オトボケ村のプレリュード

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第13話 誤解を解きに行こう

 ツエツキの後ろに着いて歩いていると、村人たちが次々にツエツキに挨拶をしてくる。なんだ、こいつちゃんと村人に好かれてるんだな。ただのギャンブルジジイかと思ってたから、なんか安心したわ。


「こんにちは村長ー! 今日も勝ちましたよ!」


「おお、それは良いことじゃな。より一層励むがよい」


「村長村長! 私も初めて勝ったんです!」


「素晴らしいことじゃ。これからも精進するのじゃな」


「村長ー! 俺は負けちゃったんです!」


「落ち込むでない。必ず勝ちは巡ってくるものじゃ」


 うん? なんか挨拶に違和感があるような……。勝ったとか負けたとか、一体何の話だ?


「なあツエツキ、村人たちはお前に何を報告してるんだ?」


「もちろん、ギャンブルの結果ですじゃ」


「ろくでもねえ村だな!? 何この村お前以外もギャンブル狂なの!?」


「オトボケ村の主産業はギャンブルじゃからな。みんなしっかり励んでいて良いことじゃ」


「もうこの村救おうとするのやめようかな俺!」


「玄司様、そこはしっかり救ってあげてください。みんな借金に塗れているので、ライブ配信での稼ぎ方とかを教えてあげないと」


「嫌だわ! 俺ライバースカウトじゃねえし!」


 騒ぐ俺たちに対し、ボケルトラクダは高橋が背負うリュックの中ですやすやと眠っている。村人たちを不安にさせないためにリュックを調達したが、これは良かったかもな。イドバタたちが俺を災厄と間違えてたことから考えるにラクダが災厄だって認識してるのは一部だろうけど、どこまで噂が回ってるか分からないからな。

 万が一この見慣れないラクダが災厄だって騒がれたらややこしいから、一旦隠れてもらっている形だ。いや実際には災厄は高橋なんだけど。


「救世主様、着きましたじゃ。ここがこの村が誇るマヨネーズ専門店、『マヨい人』じゃ」


「やかましいわ! なんだそのネーミング!」


「玄司様、この店ではどのマヨネーズを選ぶか迷ってしまう人が多いので、こんな名前が付いたんですよ。これ期末テストに出たり出なかったりするので、覚えておいてくださいね」


「何の期末テストだよ! あと何出たり出なかったりって! 怪異か!」


「では早速ここにいる者たちに、災厄について伝えますじゃ」


 ツエツキは大きく息を吸い込むと、マヨネーズ専門店に群がる人々に向かって大声を出した。


「カナブン欲しい人ー!!」


「何言ってんだお前! 昭和の子どもか!」


「玄司様、こうしないとボケルト人は振り向いてくれないのです」


「どんな生態してんだよ!? ……っておいおい、本当にみんな振り向いたぞ」


 ツエツキの声を聞いたボケルト人たちは一斉に振り返り、店からぞろぞろと出て来る。そのままツエツキの周りに集まると、カナブンコールがこだました。


「カーナーブン! カーナーブン!」


「おいこれカナブンで盛り上がってない!? ちゃんと話聞いてもらえる!?」


「大丈夫ですじゃ。ワシの人脈を持ってすれば簡単なことですじゃ。みなの衆、聞くのj」


「カーナーブン! カーナーブン!」


「全然聞いてもらえてねえじゃねえか! お前人望ねえな!?」


「仕方ないですね。ここは私に任せてください。悪い子はいねぇかー!!」


「なまはげじゃねえか! 人逃げるだろそんなことしたら!」


 案の定高橋の迫力に気圧された人々は、一斉に逃げ出してしまった。何やってんだよこいつ……。ちゃんと話聞いてもらえるようにしろよ。


 誰もいなくなってしまったので、とりあえずマヨネーズ専門店に人が戻って来るのを待ち、ある程度集まったところでまたツエツキが声を張り上げた。


「みなの衆、聞くのじゃ! こちらにおられるのは、このボケルト王国を救う救世主、城金玄司二世様じゃ!」


「二世付いてねえよ! 親父も同じ名前とかじゃねえから!」


「あれ、違ったんじゃな。城金玄司Jrの方じゃったか?」


「Jrも付いてねえわ! 誰かの息子にすんのやめてもらえる!?」


 アホなことを言うツエツキだったが、救世主という言葉は効果てきめんだったようで、周りにいたボケルト人たちはにわかにざわつき始めた。


「救世主様だって……?」


「まさか、この村に!?」


「ということは、隣にいる鬼みたいな人は……」


「高橋だ! 高橋が来たぞお!」


「うおおおお高橋いいいい!!」


「なんか俺より高橋で盛り上がってない!?」


 ざわつくボケルト人たちに静まるようにジェスチャーをするツエツキ。静かになったところで、ツエツキは再び口を開いた。


「みなの衆、このお方は、我がオトボケ村に降りかかるという災厄を祓いに来てくださったのじゃ! そして、みなが災厄と恐れている者、それがこれじゃ!」


 ツエツキの声と同時に、高橋がリュックを開けて中身を取り出す。そこにはすやすやと眠るボケルトラクダが……いや違うな。あれちくわだわ。おやつにちくわ持ち歩くタイプなんだあいつ。


「おい高橋この野郎! お前なんでちくわなんか出してんだよ!」


「はっはっは! 間違えてしまいましたね! 穴があったら入りt……あった!」


「ちくわに入ろうとすんな! お前いいから早くしまえそんなもん!」


「こっちですね! はい!」


 高橋がボケルトラクダを引っ張り出すと、村人たちの輪は俺たちから1歩遠ざかる。やっぱりこいつが災厄だと思われるんだな……。


「ここにいるボケルトラクダは、災厄じゃと思われておった。見たことも無い生物じゃろう? じゃがこのボケルトラクダは災厄ではない! マヨネーズを盗んでおったのは、高橋じゃ!」


「うおおおおおおお!!」


 ツエツキの言葉で、村人たちは同時に高橋に向かって走り出す。高橋のやつ、大丈夫なのか……? と思ったらもう遥か彼方に走り去っていた。とんでもねえ逃げ足だなおい。


 まあとりあえずボケルトラクダの誤解は解けたっぽいし、高橋が戻って来るのを待とう。誤解が解けたラクダをどうするかも考えなくちゃいけないしな。


 ふと生き返りゲージを見ると、7パーセントまで回復していた。これで7パーセントか……。

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― 新着の感想 ―
いやもうさ、高橋さんが一番好きwww もうほんとww しかも入りtってなんで高橋さん会話でローマ字表記しようとしてるのwwww
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