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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第四楽章 王都オオボケのコーダ

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第117話 王城突入

 王城に着くと、ヘッポコは門番の仕事を代わってもらった兵隊に軽く挨拶をし、ゆっくりと重い王城の門を開ける。


 いよいよ王様と対峙するんだ…….。この結果次第で、俺とボケルト王国の命運が決まる。

 改めて生き返りゲージを確認すると、既に100パーセント。あとは王様を満足させることができれば、俺は生き返ることができる。そして、ボケルト王国も救える。今が頑張りどきだ。


「では城金玄司、高橋、王城に入るぞ。お前らは王城に入ったことはあるか?」


「俺はもちろんねえけど……。高橋はあるんだよな?」


「食料庫に忍び込んだことはありますよ。暗くてよく分かりませんでしたが、確かに廊下から見えるドアは1つだった気がします」


「ああ廊下にある冷蔵庫とかあるタイプの家!? 本当にワンルームじゃねえか! 王城なんだからもっと立派にしとけよ!」


「やはり高橋でも部屋に入ったことは無いか……。入って驚くなよ」


 なんだよ、そんなに驚くことがあんのか? 俺はもうワンルームの時点で驚き切ったと思うんだが。


 真剣な表情のヘッポコは前を向き、玄関ドアへと向かって行く。うん玄関ドアとかあるんだ。まじのアパートじゃねえか。よく見たらドアに101って書いてあるし。いやこの部屋しかねえんだから101しかねえだろ。わざわざ書かなくていいわ。


 ヘッポコは鍵を取り出し、玄関ドアを開けた。


「では、入るぞ……」


「玄司様、私ちゃんと王城に入るの初めてなので緊張してきました。心臓がヌルヌルします」


「心臓は多分元々ヌルヌルしてるわ! ドキドキしろよ!」


「あ、靴はここで揃えておいてくれ。誰のものか分からなくなることも多いから、ちゃんと自分の靴を覚えておくよう頼むぞ」


「公民館じゃねえんだから! いまいち緊張感ねえなあ!」


 靴を揃えて上がると、巨大な廊下の先に巨大なドアが1つ見える。そして廊下には巨大な冷蔵庫とキッチンがいくつも並び、冷蔵庫の上にはカップスープの箱が重ねておいてある。

 いや生活感ありすぎるだろ。王城かこれ本当に。なんで冷蔵庫の上にカップスープの箱おいてあるんだよ。ちゃんとしまっとけよ。キッチン下収納とかあるだろ。


 あ、よく見たら右側にもう1つドアあるわ。そんでその横に半透明の折れ戸があるから、多分あれトイレと浴室だな。廊下にあるんだ。まじデカいだけでただのアパートじゃねえかここ。


 廊下を歩き、巨大なドアの前でヘッポコが立ち止まる。


「着いたぞ。ここだ」


「見りゃわかるわ! ここしかねえんだから部屋!」


「すまんが、トイレはさっき通り過ぎたあの1つしか無い。もし不安だったら今のうちに」


「初めての映画館か! 別に大丈夫だわ!」


「玄司様、私ちょっと催してきました。快い方です」


「快便確定じゃねえか! 普通大きい方か小さい方で言うんだよ! さっさと行ってこいバカ!」


「大きい方か小さい方かで言うと、低い方です」


「だから大きい方か小さい方かで言えよ! どっちなんだよそれは!」


 トイレに向かった高橋を見送って、俺はヘッポコの方に視線を移す。


「なあヘッポコ、俺は本当に王様を満足させられるのかな?」


「それは……分からん。だが確かなことは、高橋はマヨラーだということだ」


「確かすぎるし関係ねえだろそれは! なんで今高橋のマヨラーが出て来たんだよ!」


「あれほどマヨネーズを愛し、マヨネーズに狂わされた者は他に見ない。やつのマヨネーズ愛は、本物だ」


「うんだから何なんだよ! 真面目な顔してそんなどうでもいいこと言うな! 俺の不安を和らげろよ!」


「そう言われてもな……。俺はそこまで器用なげっ歯類ではない」


「ああお前げっ歯類なんだ!? 初めて知ったんだけど!? 親戚がネズミだったりする!?」


「いや、生みの親がカピバラだ」


「ユルい生きものから生まれてんなお前! なんでそんなイカつい人間の見た目になったんだよ! 突然変異にもほどがあるだろ! あとお前養子なんだ!? ハラマキとイドバタの息子じゃなかった!?」


 意味不明の生い立ちに意識を持って行かれて、自然と俺の緊張は和らいでいく。もしかしたらこいつはこいつなりに考えてボケてくれたのかもな。


 そんなことを話している間に、高橋が戻って来る。


「いやあすみません遅くなりました! ちょっと便が話しかけてきまして。おじいちゃんって」


「せめてパパだろ! なんで1回生み出した上で子孫残してんだよ! この数分の間に便の世代交代したの!?」


「なんですか便の世代交代って」


「俺も知らねえわ! お前が変なこと言うからだろ!」


「高橋、便の母親についてなんだが、ちゃんと出生届は出したのか? まだ届いていないと思うんだが」


「便の世代交代について詳しく掘り下げなくていいわ! どこ真面目なんだよ!」


 なんで高橋の排泄の話をこんなに掘り下げなきゃいけねえんだよ……。今1番どうでもいいわ。なんでこのクライマックス前にそんな話してんのこいつら? 緊張感はねえのに、俺だけ王様と対峙するのを考えてちょっと緊張して、バカみたいじゃねえか。返せよ俺の緊張感。


「よし、では部屋に入るぞ。覚悟はいいか?」


「もちろんです。いざとなったらマヨネーズを噴射してやりますよ」


「本当に迷惑だからやめてね!?」


 高橋のアホな言葉を聞いているのかいないのか、ヘッポコは真面目な顔でドアを開けた。

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