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【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第四楽章 王都オオボケのコーダ

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第109話 王城前で

 シキサイは話し終えると、そのままどこかへ去って行ってしまった。不思議なやつだったな……。まあボケルト人だから、アホではあったんだけど。ボケのおかげで第一印象よりは嫌なやつじゃなくなったわ。


「玄司様、大変なことが起こりました」


「なんだよ急に。別に何もねえだろ」


「そう、無いんです! 私のマヨネーズが!」


「どうでもよすぎるわ! お前マヨネーズ大量に持ってたんだから別にいいだろ!」


「玄司様、よく思い出してください。王都に入る時の手荷物検査で、私のマヨネーズはほとんど没収されています」


「ああそういやそうだったな! じゃああのマヨネーズは何なんだよ!?」


「あれは私が検査の目を盗んで持ち込んだ、数少ないマヨネーズなんです。恐らくシキサイがデッサンに使ったまま持ち帰ってしまったと思われます。今すぐに取り返さなければ、大変なことになりますよ」


「大変なこと? 何が起こるんだよ?」


「私が泣き叫びます。70デシベルで」


「騒音公害じゃねえか! 確かに大変だわそれは!」


 まあ高橋のマヨネーズは一旦置いておこう。俺たちのやるべきことは、王様のところへまた向かうことだ。シキサイからの情報を得た今なら、王様を満足させられるかもしれない。


「よし高橋、王城に向かうぞ」


「待ってください。今マヨネーズのGPSを確認しているので」


「お前マヨネーズにGPS付けてんの!? バカじゃねえの!?」


「あ、ありましたよ玄司様! さっきのうどん屋です!」


「あいつどんだけうどん好きなんだよ! まだ食い足りねえの!?」


「さあ玄司様、うどん屋に行きましょう!」


「いやいいわ俺は! お前1人で行けよ! 俺は王城行かなきゃいけねえの!」


「ですが玄司様、騒音公害は健康被害を及ぼす可能性があります。そのような危機を止めるのが、救世主の役割ではないのですか?」


「それあんま公害側が言わねえんだよ! マヨネーズ取り返したらなんとかなるんだろ!? じゃあさっさと取り返して来いよ!」


 高橋の背中をうどん屋の方向に押し、俺は王城の方へと足を向けた。その後ろを、高橋が着いてくる。


「お前なんで着いて来んの!? マヨネーズ取り返しに行けよ!」


「すみません、やはり玄司様を1人で行かせることなど、救世主を導く者としてできません」


「お前そんなに責任感あるならもっと序盤から発揮しろよ! 何今更になってそんなこと言い出してんだよ!」


「大丈夫です玄司様。私が着いていれば、王様など屁でもありますよ」


「屁でもないんじゃねえのかよ! その言い方だと王様が屁みたいになるだろ!」


「とにかく玄司様、私は玄司様と共に行きます。マヨネーズはその後でゆっくり取り返しましょう」


 まあそこまで言うならいいか……。2人とは言え、気持ち的にも1人よりはマシだしな。高橋がいたら逆効果な気もするけど、とりあえず連れて行ってみよう。奇跡を起こすかもしれねえしな。


「それでは玄司様、王城へ向かいましょう」


「おう。って言ってももうそこなんだけどな」


 俺たちは歩いているうちに、既に王城へと辿り着いていた。前と同じように、門のところには武装した門番のヘッポコがいる。

 問題はあいつをどう突破するかだよなあ。名前は弱そうだけど一応武装してるし、俺たちには何の武器も無い。こんな丸腰であの門番を突破するには、交渉しかねえんだよなあ……。


「玄司様、私に任せてください」


「いやいや、お前には無理だろ交渉なんて。バカなんだから」


「失礼ですね玄司様。私はバカではありません。大バカです」


「うんだから言ってんだよ! 無理だろ大バカには!」


「いいから見ててくださいよ。なんとかして見せます」


 そう言うと高橋はヘッポコの方にずんずんと歩いて行く。本当に大丈夫なのかよあいつ……。交渉とかできねえだろ絶対。


 高橋に気づいたヘッポコは、槍を構えて警戒の姿勢を取る。そんなヘッポコに向かって、高橋は大きく両手を上げた。


「すみません、降伏します」


「ダメじゃねえか! 槍にビビりすぎだろ!」


「お願いします許してください何でもします」


「情けなさすぎるわ! お前もうちょっとなんとかできねえの!?」


「お願いします助けてください」


「やっぱダメだった! あいつに任せるんじゃなかった!」


 ヘッポコは何も言わず、静かに笛を取り出して口に当て、思い切り吹いた。


 門から一斉にヘッポコと同じように武装した兵隊たちが現れ、俺たちの方へと向かって来る。


「わああああ! やばいって高橋! 逃げろ!」


「逃げるとは何ですか? 匂いの英語ですか?」


「それはスメルだろ! アホなこと言ってねえで逃げるぞ!」


「待ってください、もう我慢できません」


「はあ!? 何を言って……」


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」


 その瞬間、高橋の口からとんでもない音が飛び出した。なんだ!? 何が起こって……いやちょっと待て。あいつ確か、マヨネーズが無いと騒音公害を起こすって……。


 兵隊たちは耳を抑え、その場で倒れる者も出てきている。兵隊たちが止まった! よし、今のうちだ!


 俺は耳を抑えながら高橋の背中を蹴り飛ばし、その場を離れてうどん屋のある方へ向かった。

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