表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結保証】ボケルト異世界狂想曲〜手違いで死んだ俺は生き返るためにツッコミを入れる〜  作者: 仮面大将G
第四楽章 王都オオボケのコーダ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/112

第108話 王様の過去

 ついに、シキサイが重い口を開いた。やっと王様の話が聞けるのか……。まじでなんでかけうどんとかテイクアウトしてんだよ俺たち。過程が意味不明だわ。


 まあそれはいい。王様の情報が聞けるんだからな。シキサイは王様に近い宮廷画家。本人も古い仲だって言ってるし、王様を満足させるための情報を持っている期待値はかなり高い。

 さあ、どんな情報を持ってるんだ?


「王様は、本名を深江二世と言うんだ」


「うんそれは知ってるわ! 高橋でも知ってたんだから!」


「父に深江一世、息子に深江十世を持つ彼は、この国の笑いを禁止した」


「飛ばしすぎだよ! 三世で良かっただろ息子!」


「シキサイ、深江二世が笑いを禁止した理由を知っていますか? 私たちは、そこが知りたかったり知りたくなかったりするんです」


「知りたいでいいだろ! なんで知りたくない時もあんの!?」


「だって玄司様、リバーシに集中したい時もあるじゃないですか」


「ねえよ! 頼むからリバーシより使命を優先してくれよ!」


 もう高橋会話に入って来ないでもらえねえかな。こいつがいると話進まねえんだよ。もうこれ思うのも何回目だよって話だけどな。


 シキサイはそんな高橋のボケを聞いているのかいないのか、また神妙な顔で口を開く。


「王様が笑いを禁止した理由、それは……吾輩でも詳しくは知らない」


「ああ知らねえんだ! お前知らねえなら溜めて言うのやめて!?」


「詳しくは知らないと言っただけだ。全く知らないとは言っていないよ。人の唐揚げ足を取るのはやめたまえ」


「揚げ足だけでいいだろ! なんで美味そうに揚げたんだよ!」


 唐揚げとかふざけたことを言っている割に、シキサイの顔は真面目だ。ボケルト人みんなそうなんだけどさ、真面目な顔してめちゃくちゃなこと言うのなんとかならねえの? 王様がツッコミ禁止したせいでもあるけど、俺1人の負担がえげつねえんだよ。


「シキサイ、ならその理由を少しでも教えてくれよ。俺が王様を満足させるヒントになるかもしれねえからな」


「玄司様、ヒントというのはキャンプの時に使う仮説の住居ですか?」


「テントだろそれは! しょうもねえこと言ってねえで黙ってろお前!」


「分かりました。お口パック」


「口だけパックすんなよ! 大体パックする時は目と鼻と口は出してるだろ!」


「分かったよ。王様が笑いを禁止した理由について、吾輩が知っている限りのことを話そう」


「よくお前真面目に喋れんな!?」


 高橋がいなけりゃもっとスムーズに会話が進むんだろうな。まあ王様の情報が聞けるならなんでもいいや。高橋はなんとか黙らせよう。


「王様は、かつては笑いを大いに愛していたんだ。それはもう、笑いと披露宴をやりたいと言うぐらいにはね」


「結婚式じゃダメだったの!? あんまり披露宴単体で言わねえ気がするけど!? 結婚式って言葉に披露宴も内包されてんだろ!」


「だがある日、王様は何者かによって彼の笑いのセンスについて誹謗中傷を受け、笑いを憎むようになってしまったそうだ。それはもう、笑いに罰金1万5000円を払って欲しいと思うぐらいに」


「スピード違反か! そのぐらいなら別にそんなに憎んでねえだろ!」


「玄司様、この国では罰金1万5000円は立ちションの罰金です」


「知らねえよ! もうちょっと緩くても良くねえ!?」


 しかし誹謗中傷か……。笑いのセンスに対して誹謗中傷を受けたってことは、『お前面白くねえよ』って言われたとかなのかな。確かにこのボケるやつしかいない国で、しかもその国を治めている国王が面白くないなんて言われたら、笑いに対して嫌になってしまうのは頷ける。


「そして王様は笑いを止めるため、笑いはどうやって発生するのかを考えたんだ。その結果がツッコミの禁止。ツッコミとは、ボケのおかしいところを言語化し、それをみんなに伝えることでボケのおかしさを認識させ、笑いに変える行為。つまり、ボケだけしか無い世界なら、笑いは発生しないと考えたんだ」


「なるほどな……。確かにボケルト人のボケは俺がツッコミ入れねえと分かりにくいのばっかりだわ。なあ高橋?」


「ゲートボールってコンタクトスポーツですよね」


「そんなわけねえだろ! ジジババがコンタクトスポーツなんかできるか! 命に関わるわ!」


 こんな具合にな。確かにツッコミが無いと、ボケルト人たちのボケは宙に浮いたまま。落とされないことで、笑いが発生するのを防いだのか。


「王様はそれ以来、ツッコミをしている者を見つけたら、罰金1万5000円を課すように新たな法を作ったんだ」


「立ちションと同じ額! じゃあ軽犯罪じゃねえか!」


「罰金1万5000円を恐れたボケルト人たちは、次第にツッコミを忘れていった」


「もうちょっと頑張れたんじゃねえの!? それで雨降らなくなって便秘になったりしてんだろ!? それよりは1万5000円の方がマシだと思うけど!?」


「玄司様、私の罰金もなんとかして1万5000円になりませんかね?」


「お前はまずマヨネーズ泥棒やめろ! 買え!」


「そして世代は交代し、ツッコミが完全に失われたのが数十年前というわけだ。残念だが、私が知っているのはここまでだ」


「うん……。お前めっちゃ詳しいじゃねえか! それ以上の情報は求めてねえよ!」


 なんだこいつ……。まあいいや。とりあえず思ったより情報は聞き出せたし、王様を満足させる方法についてもヒントがあった。

 あとはそれを整理して、実際に王様と向き合うだけだ。まあそこが難しいんだけどな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ