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高尾川(たかおがわ)集落の騒ぎ
ここは静かな田舎町の中にある高尾川集落。とても静かな日常が一変する。
突然、地主のゴトウの屋敷から巨大な火柱が上がった。集落内は騒然とした。燃え上がる炎はまるで意思があるかのように地主の屋敷だけを焼き尽くした。七夜も燃え続けたという。村人は、
「ゴトウさん大丈夫ですか?」
地主ゴトウは、
「何世代も守ってきたこの屋敷が灰になってしまった
。この先どうすればいいんだぁ」
と泣き崩れた。
「………燃えた……」
とゴトウの妻がぼうぜんとしていた。