表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!
25章 お嬢様は狩りがお好き

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

329/1398

327. 踊れ、仮面武闘会が始まる

「ルシファー様、いいですか。とにかくリリス嬢から離れないこと。他の男と踊らせないでください」


「当然だ! リリスが他の男と踊る? ……誘った時点で瞬殺だ」


 物騒な内心と殺気が駄々漏(だだも)れの魔王に、アスタロトはベールと相談を始める。このままでは仮面舞踏会が、仮面武闘会になってしまう。完全に天気予報は「今夜は血の雨が降るでしょう」一択だった。


「皆様、お揃いになられました」


 大広間に招待客が集まったと知らせが届き、物騒な会話はいったん終了となる。アスタロト達はもちろん、ここ数年で魔王の物騒な反応を見慣れたルーサルカ達も怯えはなく、先頭をきって歩き出すルシファーに従った。






「魔王陛下のご入場です」


 リリスと腕を組んで入っていくルシファーの仮面は目元のみ覆うタイプだ。男性陣はこのタイプが多い。逆に女性は顔全体を覆うデザインを好む傾向にあった。顔全体をキャンパスに見立て、様々な模様を描いた仮面は芸術品として評価が高い。


 実は蛇女族(ラミア)宝小人族(スプリガン)がこういった細工物を得意としており、ほとんどがこの2つの種族のお手製だった。一点物ばかりなので、お値段はそれなりに高額だ。スプリガンは宝飾品細工も手掛けているため、貴族用に高額な宝石を散りばめた仮面も作っていた。


 今回のルシファーの仮面は紫と銀を多用したもので、右側の縁に黒い羽飾りがつく。隣のリリスは白に銀で蔦に似た繊細な文様を描いた仮面だった。蔦の模様をよく見ると、蝶が潜んでいるという洒落たデザインだ。描いた銀に金剛石の粉を混ぜたため、きらきらと月光を弾くよう工夫されていた。


 仮面舞踏会で正体を明かして入場することは通常ない。仮面=お忍びの意味がなくなる。不文律をわかりやすく破ることで、アスタロト達は警告を発した。つまり、この2人に必要以上に絡むなと。


 今回騒動を起こすであろうご令嬢に対する、最後の優しさ、恩情だった。これを無視するなら裁かれても苦情が出ないよう、先手を打ったとも言えた。


 後ろからアスタロト達4人の大公が続き、その後ろにリリスの側近である4人の少女が続く。それぞれに顔を隠しているが、簪や髪飾り、服装で正体を明確に誇示しながらの入場は華やかだった。


 最初の曲が流れると、ルシファーはリリスへ手を伸ばして腰を屈めた。


「リル姫、私と踊っていただけますか?」


 魔王仕様の『余』でも普段の『オレ』でもない一人称は、後ろで肩を竦める側近達の口調に似ている。くすくす笑いながら「サタン様のお誘いなら喜んで」とリリスは応じた。


 リリスは基本的に運動神経がいい。くるくると踊る少女は、難しいステップを軽やかにこなしていく。教師となったハイエルフのオレリアが驚くほど、リリスは優秀な生徒だった。


 楽しそうに踊るリリスに釣られ、ルーシアが父親とダンスフロアへ出る。続いてアスタロトが手を差し伸べたルーサルカが、さらに兄の手を取ったシトリーも滑るようにフロアに花を添えた。他の貴族もパートナーを誘って踊り始める。


 ダンスフロアのほぼ中央で踊るリリスとルシファーに近づいた1組の若いカップルが、周囲を窺いながら足を出す。次のステップでリリスが踏む予定の場所だが、当然気づいたルシファーが彼女を抱き寄せた。


「ああ、本当に可愛い。リルを抱きしめずにいられないな」


 甘いセリフを吐きながら、ターンの角度を変えて腰を引き寄せる。まるで打ち合わせていたように、リリスはリードに合わせてステップを踏んだ。気づかなかったフリでスルーした2人に、赤いドレスの女性が再度足を引っかけようと伸ばす。


「おや、失礼」


「ごめんなさいね」


 偶然ぶつかった風を装い、ルーサルカとアスタロトが女性の足を踏みつける。丁寧に踏みにじったアスタロトはもちろん、同じ場所にヒールを突き刺したルーサルカも容赦がない。顔をしかめた女性に口だけの謝罪をしながら、義理の父と娘はくるりとターンして離れた。

いつもお読みいただき、ありがとうございます(o´-ω-)o)ペコッ

感想やコメント、評価をいただけると飛び上がって喜びます!

☆・゜:*(人´ω`*)。。☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 325.で「ルーサルカはアデーレの弟が付き添う予定」ってあったけど、いつの間にか弟の存在がどこかへ行ってしまったようですね。それともこの後出てくるのでしょうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ