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【完結】魔王様、溺愛しすぎです!  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!
96章 迷探偵は魔王城に住んでいる

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1307. 緊急会議は雑談がいっぱい

 予想外の話を聞いたことで、アスタロトが緊急事態会議を招集した。これは重要な会議の場合のみで、魔王以外に大公がそれぞれ招集を掛けられる。魔王の執務室に集まった人数は5人、そこでベールが首を傾げた。


「リリス様がおられるのはなぜですか」


「魔王妃なんだから当然だろう」


 ルシファーが胸を張って答える。正式にはまだ魔王妃ではないので、参加の義務はない。参加を拒む理由もないのでそれ以上追及しなかった。


「ベルゼビュートはどうしました? また遅刻ですか」


 眉を寄せるアスタロトへ、ルシファーが肩を竦めて擁護した。


「いや、オレの独断で省いた。可哀想だろ、まだ休暇中だ。8万年独身だったんだぞ。18回も結婚したお前には分からないかも知れないが」


「ええ、わかりませんね。そういうルシファー様は彼女の気持ちがよく理解できているようですし」


 にやりと笑う。なぜか足首がひやりとした。あれだ、悪い言質を取られた時のような寒気が襲う。ぶるりと身を震わせたルシファーは、思わず結界を確認してしまった。破られたわけじゃない、心理的な効果だろう。弱みを握られたような居心地の悪さに目を逸らした。


「研究の途中だから早くしてよ」


 イライラした様子のルキフェルが先を促す。いつもそうだが、緊急会議なのに雑談が多過ぎるのだ。慌てて居住まいを正すルシファーの膝で、リリスは兎のぬいぐるみを抱き締めた。見た目は非情に愛らしいが、会議の緊張感とそぐわない。


「まあいいでしょう。今回の人族の増加についてですが、日本人のイザヤから思わぬ見解を示されました。以前に巨大な亀スッポンが落下した事件を覚えていますね?」


 全員が頷く。だが気持ちはそれぞれ違っていた。あの甲羅は素晴らしかった、と研究材料を思い浮かべたルキフェル。攻撃が効かなかったことを遺憾に思うベールは眉間に皺をよせ、ルシファーは亀を食べようと群がった女性の剣幕が浮かんだ。リリスは「美味しかったわ」と率直に感想を述べる。


「スッポンは異世界からの落下物であり、空間に裂け目が出来たことが原因でした。あの際に鱗を持つ有鱗族も一緒にこの世界に来たのですが……今回の人族も同じことが起きたのではないかと考えています」


「いや、スッポンは見てないぞ」


「私、お鍋がいいわ」


 ルシファーとリリスの言葉はスルーされ、水色の髪をぐしゃりと乱したルキフェルが唸る。


「世界同士の境目が曖昧になったってこと?」


「そういえば、人族を殲滅する少し前に武器を持った者が出現し、リザードマンを傷つけた事件がありました」


 ルキフェルの仮説に、ベールが材料を提示していく。本来会議とはこうあるべきで、魔王と魔王妃になる少女の対応は間違っていた。アスタロトは指摘するのも面倒だと、他の大公達と話を詰める。武器を持った人族は、アベル達の世界と環境が近かったらしい。


 今回現れた人族が外の世界から来たとしたら、新たに裂け目が出来た可能性が高い。まずは裂け目を探すことから始めることにした。話が一段落したところでアスタロトが振り返ると、リリスとルシファーが地図を眺めている。


「会議に参加せず何を……え?」


「ここだ。この辺りで変な気配がする」


「わかるわ。私はここだと思うの」


 人族の僅かな生き残りが住む海岸付近を指さす2人は頷きあい、アスタロトに宣言した。


「明日、ちょっと様子を見てくる」


「大丈夫よ、魔の森に守ってもらうから。いざとなったら森の領域に飛び込めばいいんだもの」


 すでに決定事項として口にされた内容に、アスタロトが肩を落とす。折角魔王ルシファーとリリスを魔王城に閉じ込めていたのに、出掛けられては台無しだ。


「私が行ってきますので、留守を守ってください」


「「いやだ(よ)」」


 即答され、強引に押し切られることとなった。

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