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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

戦闘聖女

【コミカライズ】修道女エンドを迎えた悪役令嬢は最強の戦闘聖女となった

作者: 枝豆ずんだ

残酷な描写があります。

苦手な方はご遠慮ください。


「お父様!!!本気ですの!!?わたくしを……実の娘であるわたくしをあんな所へ送るなんて!!!」

「黙れジュリエッタ!!お前などもはや娘だと思いたくもない!だがその身には間違いなく王家の血も流れている……お前を処刑せよという王太子の仰せに従い処刑台に送ってやれればどれほど良かったか!!お前は国王陛下のご温情に感謝するがいい!!!」

「恩情!?どこがですの!!?辺境の修道院に護衛もなく送られることが!!?わたくしは無知ではありません!国境沿いの修道院など名ばかりのあんな場所!!!」


何やら言い争う声が聞こえる。

あぁ煩いな。誰だよ、そんな大声で。

私は自分の意識をしっかり保とうと集中し、動いていたのは自分の口だと気付いた。


あれ?


目の前には顔を真っ赤にして私を怒鳴っている銀髪の男性。歳は壮年、彫りの深い顔に中々の美中年であるけれど、こちらに向ける憎悪のまなざしの所為で魅力的とはどうしても思えない。


(あぁ、そうだ。わたくしのお父様だ、これ)


自覚しながらも、私の口は勝手にあれこれと父親に向かって非難の言葉を放つ。父親の方も娘に対して言い足りぬことばかりなのだろう、会話ではなく罵倒のぶつけ合いとなっていた。


そうそう、ごきげんよう、わたくしの名はジュリエッタ・ジル・ドリエッタ。目の前のドリエッタ公爵の次女で、つい先日までは王太子ロナルド様の婚約者でした。


あぁ、そうそう、そうですわ。思い出してきました。

勝手に動く口とお父様の言い合いをまとめてみると、わたくしジュリエッタは先月、魔法学園にて王太子に「真の愛を教えてくれた聖なる乙女」たる御令嬢をいじめまくったとし断罪されて婚約破棄されたらしかった。


そんなこともあったような……なかったような。

いや、あった、あった。うん、あった。


なんだか頭がはっきりしない。


自分が乙女ゲームの悪役令嬢ジュリエッタに転生していたってことは覚えているんだけど……。



悪役令嬢?

乙女ゲーム?


ぼんやりとそのフレーズを思い出し、私の頭は一瞬で真っ白になった。


そして流れてくる情報、情報、情報の濁流。それに潰されない様に必死に私は自分というものに縋りついた。


私はジュリエッタ・ジル・ドリエッタ。いいえ違う!違うわ!いいえ、違くはないのだけれど!そうではない!それだけではない!


私はこれが私の「今」であるという自覚とともに、自分が「日本」という国で生きていたという記憶がはっきりとあった。


そしてそう認めてしまえばあとは簡単だ。

うん、なるほど、これ、そう、これはそうか。いわゆる異世界転生。乙女ゲームの悪役令嬢に転生していた私が、なるほど、前世の記憶を取り戻した、のか。


…………ここで!!!?


悪役令嬢ジュリエッタ・ジル・ドリエッタの出てくる乙女ゲーム「悪魔に花束を」はいわゆるテンプレな逆ハーレム要素満載のゲームだ。主人公は元平民の女の子。魔力があることを認められ男爵家に引き取られ、魔法学園へやってくる。


そしてそこにいる王族やら学年の天才やら騎士団長の息子やら素的要素満載の殿方のトラウマ解消、恩の売り付け、まぁ色々ある。とくにひねった設定はないのだけれど、テンプレ通り「お前、変わってるな」とか「僕を見てくれたのは君だけ……」壁ドン、屋上デートなどただ楽しみたいだけならもってこいのゲームだった。


そしてその中の悪役令嬢ジュリエッタ様も、まぁ、これもテンプレ通りだ。

前国王の弟の娘を母に持つ悪役令嬢。父親は国の宰相様。兄は王太子の側近で、弟は第二王子と同学年になるので、こちらもやはり側近となるだろう。

周囲に甘やかされチヤホヤされ高貴な血筋、高い身分、王太子の婚約者。そして母親譲りの輝く美貌。


以上を持って生まれたジュリエッタ様は、もう、えぇ、傲慢で生意気で癇癪持ちで我が儘な悪役令嬢になった。


王太子と婚約したのは6つの時。

『わたくしが貴方の妻になるのだから!』と我が儘を言い宝石や珍しいものをねだり、王子が自分のいう事を聞いてくれないと癇癪を起し大人たちを困らせる。


……うん、すごいクソガキ様だったな、わたくし。


自分も設定の通りの半生だったので恥ずかしくなる。


そしてそのまま大きくなったジュリエッタ様は、学園に編入してきたヒロインが、それはもう気に入らなかった。庶民のくせに。大して美しくもないくせに。礼儀作法もなってないくせに。なのに、わたくしの殿下の隣になぜいるの?


そうしてさんざんいじめにいじめ抜いたわけだ。

陰口はもちろん女性令嬢たちへの『彼女と親しくするならわたくしは貴女とは親しくできません』とそれとなく言い、物を隠す、まちがった情報を伝えて授業で恥をかかせる、学生パーティに出ても誰も話しかけない、ボーイに飲み物をこぼさせる、直接的に手は下さないが、そうなるように仕向けたのはジュリエッタだ。


考えられる限りのいじめのテンプレを行った。


それにしても、ジュリエッタに、王太子への愛はあったのだろうか?


今更ながらに私は考える。

前世の自分がはっきりしている私としては、正直……「まぁ、可哀想な子だったよ」程度だ。

だがジュリエッタはどうだっただろう。


ゲームの中のジュリエッタから感じたのは、私がヒロインをプレイしていたからだろうが、王太子への執着心はただ「未来の王妃の座」のためだったように感じた。


だが実際のわたくしはどうだったか……。


…………うーん、ないな?愛情。


別に、なかった。


ジュリエッタは第一王子を自分と対等の存在、とは思っていなかった。

甘やかされ与えられてきたわたくしには、第一王子の婚約者である、という身分は『今まで貰った中で一番大きくて綺麗な首飾り』という認識しかなかった。

わたくしの為に用意された首飾り。

この首飾りが一番似合うのはわたくし。

ジュリエッタにとって第一王子は首飾りについている宝石程度だったのだ。


そりゃ、王子も嫌うわな、こんな女。


そして晴れてめでたく、わたくしは卒業パーティにて婚約破棄を宣言された。

公爵令嬢を一方的に婚約破棄はできないし、ただ学園内でのもめ事だけならそこまで酷い処遇にもならないが、なんとジュリエッタ様は王太子暗殺未遂までしでかした。


いや、当初はヒロインを毒殺しようとしたのだが、怪しんだ王太子がヒロインが飲むはずのものを自分が飲み、王族ゆえに毒の耐性があった王子は一週間寝込んだものの命は取り止めた。


そしてジュリエッタ様は立派に、処刑台に送られる理由ができたのだ。


一族郎党皆殺しにあってもおかしくないが、代々王家に仕えた公爵家。ジュリエッタ以外の家族が王家に忠実であるし、何より前王の弟の娘である公爵夫人が娘が処刑されることを嘆き悲しんだ。娘への愛ではなくて、自分の「娘」という存在が王族に歯向かい処刑される、というその事実を苦しんだのだ。けしてわたくし本人への愛はないし、ジュリエッタも母親に愛されて当然の子ではなかったから、それは仕方ない。


と、いうわけで国王陛下はジュリエッタの命は助けてくださった。

わたくしは修道女とし辺境の修道院に送りそこで一生を終えるということで償いとなった。


此処までを思い出し、私は父親との口論を突然ぴたり、と止め、完全に自分で自分の体を動かせるようになった事と、そして、現状に対して大きく声を上げる。


「修道女エンド!!!やったぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」





====




乙女ゲームの悪役令嬢転生……それは、確かに憧れはある。

やってみたい、ざまぁ展開。

憧れてはいる、え?気付いたら私がなんで?逆ハー展開。

楽しそうだね、前世知識活用しての領地改革展開。


……だがしかし、そんなことが出来るのは賢く!計算高く!コミュ力があり!魅力的な女性に限る!!!


前世でただの一般人、平穏な人生を送った私が、なんで第二の人生ならそんな超人的な活躍ができるというのだ。

自分より賢い大人たちや何やらを掻い潜り、出し抜き、他人の気持ちを把握して?そんなことできたら前世でも成功してるわ。


なのでそんな平々凡々な私にとって!

今の状態ほど「楽」なものはない!!


何しろもう全てのイベントが終わってる!!

両親の仲を取り持とうとか自分の我が儘性格なんとかして周囲との人間関係構築とか!兄とか弟とかその他諸々のことも!!全部全部!もうわたくしが何をしても関係ない!!!


学園生活も終わっているので授業もテストも宿題もない!

淑女教育も終わりました!!

各攻略キャラのトラウマとかも全部ヒロインが何とかしてくれてるので国も安泰だね!!


最高じゃないか?


これ、どう見ても、こっから先はややこしい事がなく楽にのんびり、修道院で修道女として過ごせるんじゃないか?


貧しいかもしれないが……大丈夫だ、なんとでもなる。スローライフルートもある。

女しかいない修道院だ。余計な展開ももうない。


「最ッ高!!!!わたくしの大勝利!!!」


私は修道院へ送られる馬車の中、一人大声で叫び、窓からどす黒く染まる空を眺めた。


天気が悪くても心は晴れやか!

面倒くさいことも何もなく!!!

わたくしは異世界でのんびり行きます!暮らします!!!!





====





「ようこそ、由緒ある修道院へ。わたくしはここの修道院長を務めるマーガレットです」


到着した修道院は、周囲をぐるりと高い壁に囲まれているものの、それほど防衛力が高いとはわたくしの目にも思えない所だった。


深夜の到着に、出迎えてくれたのは白と黒の修道服を生まれた時からずっと着ているのではないかと思うほどきっちりと着こなした老女。白い肌に、とび色の瞳。髪は頭巾にしっかりと押し込められてるため眉の色が薄い茶色だな、ということくらいしかわからない。


私を見る目に温かみはなく、むしろ厄介なものを押し付けられたという嫌悪感がにじみ出ていた。


「わたくしは、」

「貴方のことは聞いています。わたくしが許可した時だけ口を開きなさい。シスター・ジュリエッタ」

「挨拶も許されないの?」


ただ挨拶をしようとしただけなのにピシャリ、と言われ思わず言い返すと長い修道服の袖から鞭が出てきた。それでピシャリ、と私の手を打つ。


「もう一度言います。わたくしが許可した時だけ口を開きなさい。いいですね?返事を」

「はい。院長様」

「貴方のような者をこの修道院へ置くことで……他の穢れない魂を持つシスター達にどれほど悪影響があるか。貴女は自らの魂と向かい合い己の罪を自覚することを第一としなさい。他の者と口を利き、その者を堕落させようなどということはこのわたくしがいる限りさせません」


オーケイ。はいはい、わかりました。


なるほど、わたくしは「悪役令嬢」ジュリエッタ。修道院長様からしたら、親愛なる国王陛下のご子息、未来の国王陛下の命を奪おうとした大罪人。慎ましくあるべき貴族令嬢が嫉妬に狂ってとんでもないことをした、穢れ切った魂の持ち主、ということなのだろう。


痛む掌を押さえ、わたくしは頷いたが、またピシャリ、と打たれる。


「なんです、その生意気な態度は。スカートの両方を掴み、お辞儀をなさい」


なるほど、無言で頷くのも駄目か。


言われた通りにお辞儀をする。院長はゆっくりと頷いた。

そして私は地下の一番奥の僧房に案内され、どっしりと重い扉をしっかりと閉められる。


「今日からここが貴女の部屋となります。祈りの時間は午前四時から。食事は六時から。本来なら新入りである貴女が食事を作る際の雑用をするのですが……貴重な食材を無駄にされては困ります」


どうせ貴族の御令嬢、そんなことしたことがないだろう、という目だった。


手伝わなくていいならそれでいい。

今日は馬車で王都からここまで移動し疲れた。私は何も言わず、黙って頭を下げる。


院長は「貴方の魂が一日も早く救われる事を祈っています」とだけ言って去っていった。


私は短い蝋燭が一本だけある僧房をぐるりと見渡す。全体的に、まぁ、汚い。僧房というより独房だ。

寝台なんてない。私が実家から持ってきた物は当然の如く送り返され、持っているのは「今日からこれを着ろ」と馬車に乗る時に着替えさせられた尼僧服だけだ。


本当に何もない。


私は蝋燭を消し、ごろりと寝転がった。

石畳の上は硬く冷たく眠れそうにないが、四時起き……そもそも今何時なんだろう。これ寝坊しないか私。不安はあったが、まぁ、なんとかなるだろう。


頭巾を丸めて枕の代わりにしてみれば、まぁ、それなりに……いける気もしなくもない。


湿ったかびの臭いに、どこかでキィキィと鳴く音。少しして、ゴーンと時間を告げる音がした。これは一度なので一時になった、ということだ。なるほど、これが四つなった時に起きればいいのか。

どうせ眠れないだろうと思い、私は音を頼りに起きる事にし、目を閉じた。


そしたら案の定、寝坊しました。すいません。


「初日からこれですか。どれほど怠惰な生活を送っていたのです。全く。公爵令嬢という身分ではないというのに、わかっているのですか」


公爵令嬢だけど、どんなに冷たい床でも硬くても、ぐっすりすっきり眠ってしまいました。すいません。


朝からガミガミとわたくしを叱り付ける院長に只管頭を下げ続ける。

起きたのは六つ鳴った頃。ぼんやり鐘の音で起きたら、目の前に目を吊り上げた院長がいたものでとてもびっくりしましたはい。

そして「頭巾をこのように使うとは何事です!」から始まり、今までずーーーーーっと絞られている。院長暇なんか。仕事あるだろうに……。


「貴方は朝食は抜きです」


マジか。


昨日も「もうお前に出す食事は我が家にはない」と父に言われて何も食べなかったんですけど。


グゥウウウと今も鳴る腹の音が院長にも聞こえている筈だが、無情にも「いやしい」と一瞥され、扉は閉まった。


「貴女は今日一日祈りの時間です。夕食まで神に祈りを捧げていなさい」


この独房でか?!

え、灯り蝋燭一本……しかも短いヤツしかないんですけど。


疑問はあるが、まぁ、それが今日のお仕事ならば仕方ない。

なんだか思ったより自由のない生活がスタートしているのだが、私は頷いて部屋の真ん中に座り込む。


二度寝しよう。




====




メシ抜き独房軟禁にも動じずグースカ寝てたら水をかけられました。


「起きなさい、シスター・ジュリエッタ。夕食ですよ」


容赦なくバケツの水をひっくり返してくださったのはやはりというかなんというか、院長様。燭台を左手で持ち、こちらを見下ろしている。


私は飛び起きて院長に頭を下げると、床にお盆がおかれ見るからに硬そうなパンが一切れと泥のようなスープが乗っていた。うわ、まっずそう。


「貴方は今夜はここで食べなさい。返事を」

「はい、院長様」

「よろしい」


言って院長は出て行こうとする。

そこで違和感。院長が足を引きずっているように見えた。昨日は普通に歩いていた方だ。

だが問うことは許されていないので見送る。

食事は滅茶苦茶まずかった。




=====




こんな生活を二か月程続けた。

独房からは出して貰えない。

ただ起きて祈って、おいしくもない食事をする。


私は自分の体がだんだん弱っていくのを感じ、出来る限り筋力は落とさないようにと部屋の中を歩き回ったり、軽い筋肉トレーニングをしたりと気を使った。


そして、注意深くしてみれば、院長は時々、けがをしている。

この世界には治療魔法があるので修道院ならば簡単な治療魔法を使える者がいるはずだが、院長の顔には殴られたような腫れがあったり、時折、その修道服が汚れていた。


何かあったのかと、問うことが許されいないとはいえ、私には気になってしかたない。

いい加減この生活にも飽きたし、殴られてもいいと思い、院長が来るのを待つ。


「食事ですよ、シスター・ジュリエッタ」


しかし、今朝来たのは院長ではなかった。

背の高い中年の尼僧だ。


「…………貴方は?」


叱られるかと思いながらも問えば、初めて見るシスターは短く「ロザリー」とだけ名乗って食事を置いた。そのまま行ってしまうとわかり、私は尼僧の手を掴む。


「院長様は?」

「…………発言を許可されていませんよ」


分っている。私は誰とも口を利いてはいけない。


「罰ならいくらでも受けます。院長は、またお怪我を?」

「気付いていたの?」


シスター・ロザリーは意外そうに私を見る。


「他人に関心なんて、ましてやこんな貧しい教会のシスターになんて、貴女のような方は、注意を払わないでしょう?」

「私は全ての命は平等であるという神の教えを信じています」

「……本当かしら」


私の悪評を聞いているのだろう。疑わし気に見つめる色は消えないが、しかし私が院長を案じている気持ちはわかってくれたようだ。


「……いつものことではあるの。隣の国の連中の嫌がらせよ。ここはそういう場所だから。ただ、いつも通り大人しく、彼らの好きにさせればそれで終わりだった。けれど院長様は今回……連中が地下まで荒らそうとしたのを止めようとなさったわ。そして、逆らったからと見せしめに腕の骨を折られた」


両手を合わせて祈れないことが修道女にとってどれほど辛いことか、連中はわかってやっているのだ、とシスター・ロザリーは語る。


「……地下?まさか……ここ、ですか?」


私はジュリエッタとして知っていたこの場所についてを思い出す。

国境沿いにある、小さな教会。防衛のために兵士が置かれるわけでもなく、ただか弱い修道女たちが貧しく暮らしている。


目的は、ただの生贄だ。


隣の国とのいざこざ、国を追われた連中、様々な「よくない者ども」が憂さ晴らし、あるいは一時の支配欲を満たすために襲うために用意された生け簀のようなもの。


教会などいう形をとってはいるが、王都の教会本部はここの修道女たちを認めていない。昔は、本当に最初のころはきちんとした目的があった。国の外れにも神の家はあるべきだと、心優しい女たちが集まったはずだった。それが、無力な女たちゆえに、略奪され、そしてそうすることで、国内への害が減ったと気付いた国を治める者たちが、今の形にした。


思い出し、私はシスター・ロザリーを押し退けて独房を飛び出した。


「!!シスター・ジュリエッタ!!」

「院長のところへ!!!」


ここへ来た時に一度、院長の執務室に通された。広い修道院ではないから執務室の近くに院長の部屋もあるはずだ。


「院長!!」


途中何人かのシスターに呼び止められたが、私は止まらなかった。

そしてここだと見当をつけた部屋の扉を乱暴に押し上げる。


「……なんです、騒々しい。あぁ、貴女ですか、シスター・ジュリエッタ」


私の独房よりは少し広い程度の、質素な調度品がいくつかあるだけの部屋、その奥の寝台にゆっくりと息をする老人が横たわっていた。


頭巾は被っておらず、修道女の服でもない。初めてみる院長の頭は髪が一本もなく剃られていた。顔は何度も殴られたアザがあり、唇は切れて血のかさぶたが出来ていた。

右腕は添え木がされており、痛みのため熱が出ているのだろう、額に脂汗がじっとりと浮かんでいる。


「……院長」

「僧房へ戻りなさい」


私はパタン、と扉を閉め、院長のベッドに近づく。

まず言うべきことは決まっていた。


「どうしてわたくしを守ってくださったのです?」


この修道院が「略奪されるための場所」であるのなら、私は地下にずっと閉じ込められているのはおかしかった。

なのに院長は、私が侵略者たちに暴力を振るわれないように、と取り計らっていたように、そのようにしか思えない。


「これはわたくしたちのつとめ……貴女は己の罪を見つめ、悔い改めることがつとめです」

「でも!!!」

「貴女などに耐えられるわけがないでしょう?」


私が反論しようとすると、院長が静かに遮る。鞭など使わなくても、この人はその声音で人を黙らせることが出来るのだ。


「貴女はこれまで蝶よ花よと育てられ甘やかされ愛されてきた幼い子供です。それが突然、このような女の地獄に落とされて耐えられるものですか」

「……」

「酒に酔い加減を忘れた男たちはわたくしたちがどれほど懇願しようと殴り続けます。乱暴に服を剥ぎ、気絶しようと構わず己の欲を突き立て続けます。孕んでいる女を見つければ面白おかしく石を投げつけ、腹を蹴り付けます。髪など連中に女を感じさせるもの、掴まれ頭皮まではがされるもの。ならば無い方がいくらかマシです」


院長は私の豊かな金髪を眩しそうに眺めた。


「貴女が国でしたことは知っています。ですが、わたくしをはじめこの修道院にいる者は全て、自分と同じ苦しみを他人にまで味わわせよう、ましてや若い……成人もしていない娘にこのような仕打ちをさせようとは、誰一人思わないのですよ」


父や国王、そのほかの……これまで私が関わってきた人たちは、これを知っていた。

私がここに送られればどうなるか、わかっていた。


なるほど、王子を暗殺しかけた悪役令嬢に相応しい末路だ。王都の誰もがそう望んだのだろう。


だが、そんな悪の令嬢を、院長たちは守ってくれたのか。


「……院長」


ぎゅっと私は院長の動かぬ手を取った。一瞬痛みに強張る顔に、だが、その瞳は穏やかに私を見つめる。


「貴女をここで引き取ると決めた時、院の皆で決めました。わたくしたちには子供がいない。全て殺されてしまった。だから、貴女を男たちから守ろうと、神に誓いました」


これほどの慈悲深さがあるだろうか。

私が国でしたことは許されることではない。嫌がらせも、暗殺未遂も、本当に私のせいで起こったことだ。


だというのに、院長たちは「こんな子供が、不幸な目に遭うことはない」と、ただその、彼女ら自身の美徳によって、こんな私を守ろうとしてくれたのだ。


私が院長の手を掴み、俯いて震えていると、院の外が騒がしくなった。

悲鳴や、怒号も聞こえてくる。


「院長!!!今度は盗賊が!!!!」

「っ……シスター・ジュリエッタ!貴女は地下へ!!シスター・ロゼ!彼女を……!!!」


駆けこんでくる尼僧の一人に指示を出し、まだ起き上がれる体ではないのに無理に起きようとする院長。私は院長を押しとどめ、首を振って、そして外に飛び出した。


「シスター・ジュリエッタ!!!!?」





=====





泣き叫ぶシスターを押し倒し、そのスカートの中に手を入れようと覆いかぶさる大男を蹴り飛ばす。

松明を振り回し火をつけようとするならず者の腕を折る。

こちらに向かって大声で怒鳴りつけてくる醜い顔の筋肉質な男を、両腕を上げて開放した雷の魔法で地面に平伏させる。


「くっ、くそぉ……!!なんだ!!!!お前……なんなんだ!!!!!」


修道院を好き放題に「いつも通り」という顔で乱暴に扱い、それが当然としている連中をわたくしは一人一人丁寧に、丁重にブチのめしていく。


尼僧服を翻し、殴りかかる者の腕を躱して頭を地面にのめり込ませ、その上に足を乗せる。


周囲に残党どもが集まり私をぐるりと囲み、それでも手を出せずにいる様子をじっくりと眺めてから、わたくしは腰に片手を当て、もう片方の手は口元に持っていった。


「オーホッホホホホホホホホッホ!!!!!無様、無様、なんて無様なのかしら!!身の程弁えない薄汚い人生の負け犬どもが!!!このわたくし、王都にて悪の華と呼ばれたわたくし、ジュリエッタ・ジル・ドリエッタの領地を荒らせると思いまして!!!!?」

「は、はぁ!!!?誰だ!!!?」

「あら嫌ですわ。ごめんあそばせ?そうですわよね、無学で低能の貴方がたが王都になんて行ったことがあるわけもないし……ましてや尊き貴族の名や顔など!そのくだらない人生が100回繰り返されたって知る機会はありませんわよね!!!!」


乙女ゲームの中で、悪役令嬢ジュリエッタの戦闘能力については触れられない。いや、当然だろう。だって乙女ゲームだし。ただのテンプレ通りの逆ハー、ヒロインがヒロイン万歳するためだけの物語だ。


だがここはゲームではない。現実世界。

王族の血すら流れる公爵家の令嬢の魔力が弱いわけもなく。

魔法学園を卒業した生徒が、ただ何の訓練も受けていない盗賊風情より弱いわけもなく。


そしてジュリエッタ・ジル・ドリエッタ公爵令嬢は傲慢で我が儘で癇癪持ちだったから、誰よりも負けず嫌いで、自分が常に輝いていないと気に入らなかったので。


「ならば今からその単細胞に刻みなさい!そして震えながら耳を澄ませなさい!わたくしの名はシスター・ジュリエッタ!五属性の魔法を使い、身体強化魔法を使えばドラゴンも素手で殴り殺せる、史上最強の……修道女ですわー!!!!!!!!」


オーホホホホホホと再び高笑いをし、完全に引く盗賊たちを駄目押しとばかりに風の魔法で遠くへ飛ばした私は、唖然としている院の皆様に向かって丁寧に頭を下げた。


「不肖なるこのわたくしを、この数か月お守りくださり感謝の念に堪えません。わたくしは罪深き悪の令嬢ではありますが、この罪を償う道はこの院を守ることだとそう神のご意思を感じています」

「シスター・ジュリエッタ……しかし、そのようなことは」


できないだろう、と院長が言い「無茶は止めなさい」と案じてくれる。

だが私は下がりたくなかった。


この力はジュリエッタが努力して身につけたもの。

今前世の記憶のある私が「努力した」という実感は薄い。だが、ゲームのジュリエッタだって、私が思い出す前のわたくしだって、このまま修道女エンドで略奪されるだけの人生……に大人しく甘んじるわけがない。


私は面倒は嫌いだし、出来る限りしたくないし、自分が何か大それたことを出来る、なんて思いもありはしない。

けれど、ただ、それでもやはり、自分から不幸になどなりたくなどない。


いじめたことへの償い?

王子暗殺未遂の償い?


それはほら、修道院送りになった、一切の財産がない、公爵令嬢から一気に修道女に、ってことでいいよって王様はOKしてくださった。


だから、ここからはわたくしのもの!

この修道院をどうにかして、それが罪になるのなら、それはその時また償います!


「この修道院は悪の令嬢によって乗っ取られました!なのでここを襲う連中はこのわたくしの敵!倒します!!」

「罪を重ねていませんか……?」


突っ込む院長はさておいて、私は院を囲む壁に飛び乗り、遠くからやってくる武装した集団の旗と顔つきを遠目の魔法を使い確認した。


警告を発し、一度止まった彼らが爆笑しながらこちらに石を投げてきてくれたので構わず遠距離の攻撃魔法をぶち込む。


あとで使えそうな道具とか回収しよう。





=====




王太子は頭を抱えていた。

なんでだ?なぜ?どうしてそうなった!!!?


魔法学園を卒業し、次期国王として政も少しずつこなすようになってきて一年。

あの人生最高に楽しかった卒業パーティから一年。

王太子は追い詰められていた。


「なぜだ!!!?なんであいつが生きてる!!!?」


いや、元々処刑されたわけではない。

自分は処刑するよう推し進めたかったが、あんな女でも王家の血が流れているからと、国王である父上がそれを止め、あの女は辺境の修道院へ送られることとなった。


だがその修道院は、修道院とは名ばかりで国が王都への害を減らすために置いていたただの生贄だ。


外からやってくる侵略者や盗賊、国を追われた者などが襲うに恰好の標的。か弱い女たちだけ。修道院へは貴族や国からの寄付があり、金や宝石などは一定届けられている。だがそれらは「奪わせるため」だけのためで修道女たちは使えず貧しい暮らしをしているのだ。


そこへあの女が追いやられた。プライドが高く傲慢なあの女なら絶望してすぐに首を吊るか、それか男たちに慰み者にされて気が触れるか、どのみち長くは生きられないだろうと、誰もがそう考えた。


だがあの女は今、聖女として再び王都へやってくる。


曰く、この一年他国からの侵略を防ぎ、やって来た者たちを捕え罪状を明らかにし、他国から多額の賠償金を支払わせる成果をもたらした。


曰く、その武勇を周辺諸国に恐れられ、戦わずして属国になると申し出る国が後を絶たなくなった。


曰く、100年に一度目覚める死の火山竜が王国を横切り、その落とす灰で国が滅びるかもしれなかったが、火山竜を殴り倒し国を救った。


曰く……上げればきりがない数々の功績を、あの女はたった一年でやりのけて、そしてそれほどの者に救国の聖女の称号を与えないわけにいかないと高まる世論、周辺諸国の声を無視することができなくなって、今日、今、あの女は王宮に来ているのだ。


「なぜ……なぜ、あのジュリエッタが?!」


王太子は一年ぶりに口にする元婚約者の名を、自分が呟く時はやはり嫌悪が混じると認めずにはいられなかった。


小さな頃からの婚約者。

お互いにお互いを見ていなかった。

彼女は自分の事を「新しいわたくしのためのアクセサリー。もっとわたくしを輝かせる」程度にしか思っていなかった。それを王太子は知っている、気付いている。わかっている。


だが自分もそうだった。

ドリエッタ公爵の娘を婚約者にすれば、次の王になるのは自分だと、それが盤石になると、そう考えていた。


しかし、王太子は彼女に出会ってしまった。

あの可憐でか弱い男爵令嬢。彼女は素直で美しい心の持ち主で、王太子が何をしても褒めて嬉しそうに微笑んでくれた。


そういう女性と出会うと、王太子はジュリエッタのことが鼻につくようになった。

ジュリエッタは完璧主義だ。

自分が最も輝くために、努力を惜しまなかった。

傲慢で尊大な性格、我が儘ではあったが、しかしそれは貴族なら誰もがある程度は持っているもので、むしろそのようにふるまう方が上位者として他人に示せる部分も確かにあった。


ジュリエッタは完璧だった。

座学はもちろん、魔法の実力は学園一。剣の腕でさえ、騎士団長の息子をはるかに凌駕していた。


気に入らなかった。


どれ程王太子が努力しても、ジュリエッタは「わたくしの夫となる方ですわよね?」とさらなる上を目指せと認めてくれなかった。


だから、男爵令嬢の優しさが王太子を救った。

彼女が隣にいてくれるのならば、己は良い王になれる。最高の男になれると、そう信じられた。


ジュリエッタが男爵令嬢を害するようになったおかげで、そして命まで狙おうとしてくれたおかげで、無事に王太子はジュリエッタを破滅させることができたのだ。


そして男爵令嬢を己の婚約者にする、と宣言し、何事もなく過ごした一年であったのに。


「久しぶりだな、顔をよく見せてくれるか。ジュリエッタ公爵令嬢」


王子は男爵令嬢と共に正装し、謁見の間に控える。

玉座には国王。その隣に王妃。


真紅の絨毯の上を静かに歩いてきた粗末な身なりの尼僧は、成程顔を上げれば確かに……王太子の元婚約者だった。


「今はただの修道女でございますわ。国王陛下」


ジュリエッタは緩やかに首を振って己の身分の訂正をし、そして実の父である宰相には目もくれず国王へ親愛のこもった瞳を向けた。


「かつて償いきれぬ罪を犯したこのわたくしが、よもや再びこの地の土を踏めるとは思いませんでした」


一瞬、よくもまぁ追い出したクセにまた呼びつけるなんて出来たな、という声が聞こえたような気が王太子にはしたが、しかし気のせいだったのだろう。ジュリエッタは穏やかに微笑んでいる。


まさに聖女という顔だ。

あの苛烈な女も、修道院の質素な暮らしで変わったということだろうか?


昔から知っていたはずの彼女の変わりように王太子が驚いていると、それは男爵令嬢も同じらしかった。


「本当に驚きですよぉ!だってあたしにあんな陰湿ないじめをした人が聖女?え?なに言ってるんですか?みんな、おかしいんじゃないですか?ジュリエッタですよ?みんな騙されてますよね?しっかりしたほうがいいですよ?」

「貴方はお変わりないようですね、男爵令嬢」

「今は王太子妃です」

「あらご結婚なさったの?知らなかったわ」

「まだですけど、でも決まってるんですから、そうでしょう?」


無邪気な声と顔で男爵令嬢がジュリエッタと話をする。王太子は周囲の人間が「またか」と溜息をついていることに気付いていた。


男爵令嬢、やめてくれ、今は、黙っていてくれないか。


そう声をかけ己の隣に引き寄せたい。

だがそれは、止められていた。


王太子の立場は、悪くなっているのだ。


公爵令嬢に非があり、全ては彼女が「悪」だったと王都から追い出した。婚約破棄もした。

そして男爵令嬢を「真実の愛を与えてくれた清らかな乙女である」彼女こそ「聖女」だと婚約者に迎え入れた。


元平民が未来の王妃になる。

それは平民からも「素敵な恋物語」と受け入れられお芝居にもなったほど。


だが、ジュリエッタが辺境の修道院で聖女の如き功績をあげる度、王宮で男爵令嬢が王太子妃の予算を湯水のように使い豪遊するたび、周囲の見方が変わっていった。


本当にあの追い出された公爵令嬢は「悪」だったのだろうか。

本当にあの元平民の娘は「聖女」なのだろうか。


聖女とはおとぎ話のような神聖な力を持つもの、ではない。

この国においては、正しく国の為になる行いをした娘を聖女と讃える。

王太子の婚約者になろうと、元平民の娘が真の聖女たる公爵令嬢を陥れたのでは?

周囲はそのように見るようになってきた。


王太子は側近たちとその噂を必死に否定し、男爵令嬢に派手な私生活を止めるように言ったが無邪気な彼女はキョトン、として「どうして?だって、みんなが良いって言ったんじゃない」と、彼女に心を救われた王太子たちに問い返した。


そうなると自分達は彼女に強く言えない。

長く苦しんだ心、傷が彼女にとって癒された。

それならば、自分たちは全力で彼女が幸せなままでいれるように尽くすべきなのかもしれないと、そう思い、そうして、今日来てしまった。


「王太子の婚約者はまだはっきりとその男爵令嬢に決まったわけではない」


もはや押し黙るしかない王太子をよそに、謁見の間での会話は続けられる。


「え?王さま、何を……」

「そなたと王太子の婚約は、まず我が妃が承諾していない。それに王太子たちと共に学園に通った貴族の子息・子女たちが『あの男爵令嬢を未来の王妃にするくらいなら、家を継ぐ我らは国外へ行きます』と口を揃えて言うそうだ」

「だって、それはみんな……ジュリエッタが怖かったんでしょ?」

「シスター・ジュリエッタが公爵家から出された後での証言だ」

「でも殿下が愛しているのはあたしです」


自信を持ってはっきりと、男爵令嬢は言った。その顔が愛しく、王太子は駆け寄って抱きしめ、今後起こる全てから彼女を守りたい。だが、できない。


今日、自分は王太子ではなくなる。


学園生活でのことを、客観的に見れば「婚約者がいるのに他の令嬢に恋をした、感情をコントロールできない王子」「そしてその令嬢が自分の婚約者に害されていることを気付きながらも一つも防げなかった管理能力」「無駄に浪費するだけで王妃としての教育を受けることを嫌がり文句を言うだけの娘と見抜けなかった」など、第一王子が王太子ではなくなる要因は多々あった。


男爵令嬢は、このまま王太子が黙って見過ごせばただ頭の足りない娘として家に帰されるだけで済む。

国王にぞんざいな口を利いている事や、聖女と讃えられるジュリエッタを見下す発言も、彼女がまともな頭ではなかった、とだけ判断されればそれで済む。


筈だったのに。


「何でよ!!!!あたしが……!!!あたしがヒロインなのに!!!ざまぁされる理由なんてなかったじゃない!!!!なんなのよ!このジジイ!あんたを無視したあたしが気に入らないの!!?あんたとのルートは趣味じゃないからやらなかった!だからこんな意地悪するんだ!!」


突然、男爵令嬢が暴れ出した。

ジュリエッタを突き飛ばし、ツカツカと国王のいる玉座の方へ上がり……。


国王の頬を叩いた。


なぜこうなったのだろう。

なんで、こうなったのだ。


王太子は両手で顔を覆い、足元から崩れ落ちた。







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やっちまったな、男爵令嬢ww 即斬首か…
[気になる点] 公爵家の長女はどんな活躍を?
[気になる点] すっごい中途半端なとこでおわってない…?
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