第一話 異世界転移?
不定期で本当に申し訳ないです。
俺、富士原勇人はとある小さなIT会社に務める25歳である。さくらんぼで有名な県の田舎に生まれそこそこの高校に行き、そこそこの大学に行き、都会に憧れ上京して就職。
漫画やアニメが好きで都会に行けば可愛くて同じ趣味で優しい彼女とか気が会う友達ができたりとかするかなと思ったのだが………………現実はそう甘くはないらしい。
まあ、こうなったらいいなああなったらいいなの妄想の繰り返しと仕事との日々だったため、プライベートが充実するなんてありえない。
まさに自業自得である。
そんなある時、仕事から家に帰り眠りについた後ふと目を覚ますと、
目の前に見えたのは青空だった。
家のベッドに寝てたはずなのに?
一瞬混乱したが、自分の遥か上空を飛ぶ生き物を見て即座に確信してしまった。
もしかして異世界?転移とかしちゃった?そうだよね、確実にそうだよね!
じゃなかったらドラゴンなんか飛んでないもんね!
俺の上空を飛んでいたのはドラゴンだった。
RPGなどでよく見るお馴染みのやつだった。
そのドラゴンが優雅に大空を飛んでいるのだ。
夢なんだろうか?そう思い頬をつねるというありきたりな確認方法をとるとちゃんと痛かったのでこれは夢じゃないと思う。
やった!本当に異世界に来たんだ!きっとこれからなんかチートな能力を発現してモンスター相手に無双していくんだろうなあ。それとももう持ってたりして!
それで沢山の美少女と出会って助けたりしてハーレム作ったり、いずれは世界を救ったり!
期待に胸が膨らみますなあ!
「…………………………フッ、あの頃の俺はまだ若かったなあ。」
「先輩何黄昏てるんですか。もう休憩時間終わりですよ。さあ、仕事仕事。」
窓から見える中庭の綺麗な花々を見ていたというのに職場の後輩、ヒリアが俺を仕事へと駆り立てる。
「なあ、人生って何が起こるか分からないよな。自分じゃ思い描くしかなかった事が突然現実になるって事もあるかもしれないよな。」
「だからって突然納期は伸びませんからね。明後日に迫ってるんですからね。」
クッ…………そんなのわかってるよ!やればいいんだろやれば!
「クソ……………どこで間違ったんだ俺の人生……。」
「何ぶつぶつ言ってるんですか。キモイですね。」
「誰がキモイだコラ、誰が」
俺は後輩に言われるがまま職場へと戻る。
そこにはファンタジーも美少女も待ってはおらず、あるのはただただ納期の迫った《魔道具》達だけだった……………