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この世界は好きですか?  作者: ふう♪
第1章神様の手違い
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第3話 少女との出会い


『大丈夫ですか……?』


 ん? 誰かが声をかけている気がする。女の子の声だ。けど、近くには……

あ、思い出した。俺、ツチノコっぽいやつを捕まえようとして返り討ちにあったんだった……情けねぇなほんと。


 そんなことを考えているうちに俺は目を覚ました。


 すると、そこには見たことも無い美少女がいた。まるで2次元にいる少女だ。


「あっ、お気づきになりましたか?」


 セミロングで真っ白な髪と日焼けしていない真っ白な肌。そしてぷっくりとした柔らかそうな唇にまだあどけない顔をした可愛いらしい少女が俺に膝枕をしてくれていた。


「っ!? ぶっ……!」


 俺は驚きのあまり慌てて飛び起きる。その直後、顔を近づけていた少女のおでこに勢いよくぶつかった。


「いったぁ……」

 痛そうにおでこを押さえる少女。


 俺はなんとか痛みを堪えつつ今度はゆっくりと起き上がった。


「いたた……急に起き上がってすみません。大丈夫ですか?」


「あ、あぁ……大丈夫だ」


 少し涙目になりながらもそう答える少女。俺の方もかなり痛かったので彼女の方も相当痛かったのではないかと申し訳ない気持ちになった。


「えと、名前は……」


 俺が尋ねると少女は立ち上がった。俺もそれに伴う。

「私はフィアス・アストレインと申します。あなたは……?」


 フィアス・アストレイン。聞いたこともない名前だ。


「俺は斉藤和樹。和樹が名前だ」


 すると彼女は物珍しげな視線を俺に送った。

「……へぇ、和樹さんは名前と家名が逆なんですね。この辺では聞き慣れない名前です。もしかして別の大陸から来ました?」


「あーうん、そんなところかな」


 ラノベで読んでても似たようなことがあったけど異世界では珍しいんだな。


「そういえばフィアスさんは……」

「フィアスでいいですよ。さんなんて肩苦しいだけですし代わりに私も和樹さんて呼びます」


「フィアスはどうしてここに……?」


 疑問に思っていたことを少女に聞いた。確かあの時は俺とやつしかいなかったはずなんだが……


「実は私、今日お花を摘みにここへ来たんですけどその時和樹さんが“ヘビ”を捕まえようとしているところが見えてその後気絶してしまったので心配して見にきたんです」

「へ?」


 ヘビ……?


「ちょっと待て。あれってツチノコじゃなくて?」


 慌てて聞くとフィアスは首をかしげた。


「うーん、確かツチノコは別の大陸で発見されたという報告はありますがこのアルヘイム大陸ではないですね。ちなみにさっき和樹さんが捕まえようとしていたのはチュロリアといってヘビの仲間です。毒はありませんが危険を感じると外敵に飛びかかる習性がありますね」


 俺は彼女の説明にガックリとうなだれた。そしてめちゃくちゃ恥ずかしい。穴があったら入りたいとはこのことだろう……でもまぁ


「ありがとうフィアス」


 ひとまず彼女に感謝しよう。空がオレンジ色に染まってきているのを見る限り恐らく彼女は俺が気絶していた間ずっと見てくれていたのだろう。


「こちらこそありがとうございます和樹さん。おかげで今日は退屈しませんでした」

 笑顔でそう言うフィアス。そんな彼女の表情は夕陽に映えていてとても綺麗だった。




「あ〜腹減った……」

 グルルと鳴く腹の虫を抑えながら夜の草原をフラフラと歩く。

 そう、フィアスと別れた俺はその後、見事なまでに道に迷っていた。

 彼女に街まで一緒に行きませんか? 宜しければ案内しますよと提案されたが、俺は何故か無性にカッコつけたくなり、その提案を蹴ってしまったのだ。


 自分でもバカだと思うさ、はは……




 その頃、フィアスは街の中に入っていた。

 ミール街。アルヘイム大陸の最東端に位置する街だ。他にも数多くの街が存在する中では中間ぐらいの大きさを持つ街であり、その自然の多さと年中涼しい環境から、住み心地の良い街とされている。


 彼女は歩き進み、やがて1つの建物の前に立つ。

 そこは、大きな屋敷だった。茶色に色塗られた建物は3階建ての構築となっており、周りには広い庭。そしてその庭には沢山の木々や草花が植えられており、真ん中にはそんな植物に囲まれた噴水がある。

 アストレイン家。アルヘイム大陸の中ではそれなりの財政力を持つ家だ。


 門の前で紋章に手をかざすフィアス。

 すると門は両サイドに開き、彼女は中へと進む。


 そして玄関のドアにたどり着き、ベルを鳴らすフィアス。すぐに玄関のドアは開きーー、


「お嬢様〜〜! こんな時間まで何をしておられたのですか〜〜! 爺は心配で心配でもう心臓が止まりそうでしたぞ〜〜!」


 そう叫びながらフィアスを抱きしめる男性。

 明るい白髪にほっそりとしているが身体はしっかりとした肉付きをしている。立派なヒゲを蓄え、その目は穏やかそうな印象を与える。


 そんな男性を見たフィアスはくすりと笑った。

「ごめんなさい爺。ただいま帰りました」


 フィアス・アストレイン。彼女はお嬢様である。


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